窓から外を眺めて、やっと雨だと気が付いた。
中学に上がる春先。
父は日曜大工で、三ヶ月かけ勉強部屋を建てた。
大好きな釣りも絶ち、製材所から家まで角材を担ぎ幾度も往復。

それからひと月。
隣りのご隠居の手を借り棟上げへ。

その後父はたった一人で、黙々と屋根のトタン張りから内装までを仕上げた。
そして6月、ついに完成。
その夜は母の提案で、親子三人が布団を並べ川の字に。

思えばそれが最後の川の字だった。
個室を得て間もない頃は、嬉しくて急ぎ帰宅したものだ。
ところがそれも束の間、期末試験を迎える頃には、梅雨入りを迎えた。
所詮、素人大工の安普請。
ひとたび雨が降り出せば、会話も出来ぬほどトタン屋根からけたたましい音が上がる。

まるで戦場さながらに。
だから雨音に慣れるまでは、勉強どころか眠ることさえままならなかった。
だが今はそれさえ妙に懐かしい。
もうこの先、トタン屋根を打つ雨音は聞けないだろう。
そう思うと急に、在りし日の父の顔が浮かんだ。
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雨音で思い出すのが・・
名古屋支社へ期間限定の3年間を北区黒川で過ごしました。
そこで寝泊まりしたのが高速道路のすぐ横のマンション
天気のいい夜は気にならなかったけど
雨の日の夜は、もう⤴車のタイヤの水しぶきの音が
「シャァ~♩シャァ~♩」とうるさいのなんの ❢
気になって眠れなかった。
しかし慣れと言うのは怖いもので
いつの間にか水しぶきの音が子守唄に・・
北区黒川に3年もお住まいだったとは!
きっと今でも都市高速の傍らに、落ち武者殿が過ごされたマンションがあるんでしょうねぇ。
確かにどんな環境でも、慣れって恐ろしいもので、いつしか住めば都ですからねーっ。
音と言えば、電車沿線に住んでますが始発電車、終電電車の音は全く気にならないのに、電車が通る度にテレビの音が聞こえなくなるのがちょとね(・・;)
ドラマの肝心なセリフの時に電車が通ると聞こえない(怒) なので数年前からテレビを字幕で見るようにしてます。これでストレス解消⤴️
一度気になりだすと、もう気になって気になって仕方なくなっちゃうものですよねぇー。
まるで見身の周りに纏わりつく、藪蚊の羽音のようなもので。
「北の国から」の名古屋版でしょうか。埴生の宿を彷彿させる、ほのぼのとする光景ですね。雨が降る音がトタン板を叩く音の激しさ、どんなのでしょう。山が好きなワシは学生時代、テントで聴く沛然たる驟雨に慄いたものでした。
しかし昔のテントは、天幕も支柱もペグも、みんなみんな重たかったですよねぇ。
ぼくもカブスカウトからボーイスカウトへと向かう間に、団が所有するテントや野営用品を背負わされ、里山の道なき道を進んで、雑木林を切り開いて、野営地を築いたものでした。
おかげで、雑木で組む立ち竃もお手の物でした。