「 世界家紀行」⑨

04.7.2中日新聞三河版フジケン連載広告掲載

「コンクリート積みの家と空き缶の鍋」

ローマから飛行機でわずか1時間の距離にあるアルバニア。

写真は参考

この国では歓迎の意を込め、男同士でキスをする習慣が残るとか。

そんな数奇な運命が待ち受けていないことを願いつつ、丘の麓のコンクリート積みの家を訪ねた。

写真は参考

わずか14坪に4部屋の家は、主人の手製。

どうりでコンクリートブロックが微妙に歪み、屋根瓦も湾曲している。

主の手厚い出迎えに一瞬緊張が走り抜けた。

すかさずぼくは日本人らしく、いつにもまして深々と(こうべ)を垂れた。

恐る恐る顔を上げると、大きな掌が目の前で握手を求める。

どうやら危機は回避か、ヤレヤレ。

写真は参考

案ずるよりも何とかで我に帰ってみれば、満面に笑みを浮かべた家族と家畜が出迎えているではないか。

家の中には竈兼用の大きな薪ストーブが。

鍋代わりの空き缶で、妻が夕餉の支度に追われる。

水道も無ければ風呂も無い。

しかしこの家族には、何物にも替えがたいほどの、世界一嬉しそうな笑顔があった。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「 世界家紀行」⑨」への2件のフィードバック

  1. なんか?
    今、流行りの「キャンプ」
    屋根がちゃんとある、そんなキャンプ生活を匂わせる。
    でもさ~ぁ⤴
    毎日、家族のみんなが笑って過ごせて健康・・
    それが一番かなぁ!
    オカダさん、眉間にしわ寄せてない?
    私なんか毎日、ヘラヘラしてるねぇ!
    えっ?笑顔とヘラヘラは違う?
    そうなのねぇ!では、笑顔で・・

    1. ぼくも何でもかでも、笑い飛ばすように心がけて日々暮らしていますよーっ。
      泣いても笑っても、眉間に皺寄せても一日だったら、どうせなら笑って一日過ごしていものです。
      ましてや後どれくらい人生が残っているやらわからないんだし!

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