毎日新聞「くりぱる」2005.4.10特集掲載⑤

素描(スケッチ)漫遊(まんゆう)(たん)

「インドネシア館とタイ館」

「あの、スマトラ沖地震の被害者の方に、義援金を送りたいのですが?」。

写真は参考

ぼくはポケットからクチャクチャの千円札を広げながら、係の女性を呼び止めた。

この取材に訪れたのは、3月29日。

丁度日本時間の深夜に、再び大きな地震が発生したばかりだった。

「ちょっと館長に聞いてきます」と、係の女性は初めての申し出なのか、アタフタアタフタ。

やっと戻ってきたものの「ここでは義援金を受け付けておりません」と言う。

何とも無情なご回答。

「ぼくの他に、義援金をって申出た日本人はいなかったんですか?」。

「ええ。初めてです」。

何ともやるせない。

じゃあこうなったらと、ぼくはタイ館を訪問。

写真は参考

一番奥に、アマンダンのTSUNAMI被害も生々しい映像が、繰り返し繰り返し映し出されている。

同様に係の人に尋ねたものの、やはり回答はつれない限り。

「何で協会は、段ボール箱に手書きの箱でもいいから、募金箱の一つでも用意して、来場者からの義援金を募らないんだろう?」。

「それが国際万博じゃないの?世界中の人々が助け合おうってする」。

ぼくのせつなさは、たちまち二倍になった。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「毎日新聞「くりぱる」2005.4.10特集掲載⑤」への4件のフィードバック

  1. 私も似たような経験があります。
    東日本大震災の時・・
    まだ会社勤めだったんで、ニュースでそれを見た時
    あまりにも悲惨な光景
    何か?自分でもやる事が、少しでも役に立とうと・・
    そうだ!会社で「募金箱」を作って
    少しの金額でもと思い、やり始めたら
    流石ブラック企業・・
    「そんな事は社内でヤルナ ❢」
    「オイオイお前、それでも血の流れている人間か?」
    そこで私は思いました。
    可愛そうな人だと ❢
    「いつか自分に跳ね返ってくるよ」とねぇ ❢

    1. そうでしたかぁ!
      さすが人情味豊かな落ち武者殿ですなぁ~っ!
      天晴れ!

  2. 愛知万博、懐かしいですね。終了後にも何度か森頃パーク訪れました。
    ところで、今日休みで久しぶりに庭の草取りをしました。
    以前はオカダさんのラジオを聴きながらやっていたよな~って、ふと思い出しマシタ!

    1. 草むしりも結構重労働ですよねぇ。
      潮干狩りと一緒で、腰がこわばっちゃって!
      ご苦労様でしたぁ!

高木ともふみ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です