「素描漫遊譚」
「金城ふ頭界隈」
今回の「素描漫遊譚」は、昨年10月6日に開業した、名古屋駅と名古屋市港区の金城ふ頭を結ぶ「あおなみ線」沿線が舞台です。
人を惹き付けてやまない、観光スポットやショッピングスポットで賑う土地柄でもない。
いや、だからこそ、緩やかな人と町の関係に、きっと出逢えるはず。
金城ふ頭行き、あおなみ線。
運転席のすぐ後ろにぼくは陣取った。

思えば小さな頃から、ぼくはこの場所が好きだったのかも知れない。
こうして運転席の後ろから、どこまでも続く2本のレールを、父の肩車の上で飽きずに眺めたものだ。
そして家に帰ると、折り畳み式の飯台をひっくり返して壁に立てかけ、飯台の足を運転席のレバーに見立てて、指差し確認を真似、すっかり運転手気分にひたったものだ。

もちろん小学校の入学式に被ったっきりの、学生帽を取り出して、きっちりとあご紐までしめる念の入れようで。
でも小さな我が家の隅々まで、甘辛そうな醤油の匂いが立ち込め始めしばらくすると、必ず台所から母のがなり声が飛んだものだ。
「ちょっと!いつまでそんなことして遊んどるの!ご飯だから、飯台ちゃんと用意しといて!」。
ぼくだけの小さな心の旅は、その途端に現実の世界へと連れ戻された。
一人っ子だったぼくは、一人遊びで色んな職業を真似たものだ。
電車やバスの運転手さんや車掌さんに始まり、うどん粉を練るうどん屋の職人さん。
中でもお気に入りは、「へいっ、らっしゃい!」の台詞つき、寿司屋の大将。
「いらっちゃいませ。お一人様でしゅか?ご注文をどーじょ」。
「???」。
その声にふと振向くと、電卓片手にあどけない娘の姿。
親が親なら子も子だ!
さっき家族で出かけた、ファミレスのウェイトレスを娘が真似ていた。
名古屋駅から24分。
金城ふ頭駅に差し掛かると、眼前には名港トリトンの壮大な雄姿。

さあそれでは、あおなみ線沿線の界隈を、一足お先にのんびりと漫ろ歩いてまいりましょう。
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一人遊びって子供の頃には誰しもきっと一回はしたと思います。
多分?誰も知らないと思いますが・・
私なんか「忍者部隊月光」を明けても暮れても
一人で遊んでいましたよぉ ❢
宿敵は妄想した、悪の軍団
でも!いつも、何故か?ボスを取り逃がしてしまう。
心の中で、次回に続く・・でした。
妄想って、何歳になっても楽しいよねぇ!
「忍者部隊月光」ぼくも大好きで欠かさず見ていたものです。
もちろんゴッコも落ち武者殿同様、よくやりました。
しかし!
話の筋をまったく覚えていないのです・・・。
その点、落ち武者殿の記憶力には脱毛!
あっ、いや「脱帽」の誤りでしたーっ!
先日、あおなみ線に乗ったら、以外にも外国人が多く、港北駅で降りてぞろぞろ歩いて行くので「あれっ!!」って思ったら『名古屋出入国在留管理官』がある駅だったのです。普段は目にしない光景だったのでビックリ!!
なるほどなるほど。
確かにぼくら日本人は、あまり馴染みのない場所ですものねぇ。