「チックタック チックタック ボーンボン」
昭和34年の伊勢湾台風で我が家は被災。市営住宅の抽選に何度も外れながら、3年後にしてやっと当選を果たし、木造平屋建て、二軒棟続きの住宅へと越した。
六畳と四畳半の二間。
それに小さなお勝手だけという倹しさ。
だが六畳一間のアパートに比べれば、夢の別天地だった。
「♪ボーンボーンボーンと時計が三つ 坊やお八つを食べましょう♪」とは、昭和の時代に茶の間で親しまれた、ラジオのCMソング。

我が家の柱に据え付けられた、デコラ張りの安物柱時計。

ボーンボーンボーンと3回なってしばらくして、短針が3を過ぎ、長針が2の位置に来た頃、ラジオからこの曲が流れ出した。
母は鼻歌を奏でながら、内職の手を止めどっこらしょっと、水屋からお八つを取り出したものだ。
我が家の柱時計は、常に標準時刻より10分進められていた。
それは刻限に追われ、バタバタ焦らないように、何事も前もって準備を万端に整えよとの、母なりの教えがあって。
しかしぼくはと言えば「どうせ端っから、10分進めてあるんだし」ってなもんで、相変わらずのらりくらり。
堪り兼ねた母が、ついに暴挙に打って出た。
時計の針を、逆に10分遅らせるという。
しかも選りに選って、何より大切な遠足の日に。

慌てて駆け出し弁当を忘れ、腹時計だけがググーッと空しく昼を告げる。
しかし指を咥えるしか成す術もない。
そんな姿を級友が見兼ね、お結びを一つ分けてくれた。

以来、今も約束の刻限よりは必ず、10分早く出向く習慣が付いた。
母に頂戴した、体内時計を10分進めて。
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柱時計こんな感じでした。
懐かしいです。
さすがオカダしゃんのお母ちゃん
これこそ 天晴れ!!ですね。
いやいやぁ!
最後の最後まで、おっかないお母ちゃんでしたよ。
待ち合わせの時間!って守らない人は本当に!
守れないよねぇ!
バスツアーに参加すると必ず集合時間に遅れて来る人が居る。
他の参加者に迷惑になるとは思わないんでしょうか?
やはり10分、5分前、行動は大事にしたいもんです。
そんな私は、せっかち君ですぅ!
やっぱり待ち合わせ時間には、心に余裕を持ちたいですよねぇ。
焦ったらそれだけで何だか引けを取っているようですもの。
母からの教えってこれと言って思い当たらないけれど、気付いて無いだけで今 自然にやっている事が親から教わった事なのかも(*^_^*)
そうですとも!
特にお味噌汁の味!
これだけは体が、いや味覚が今でもしっかりと覚えていますもの。
体内時計と言えば…
我が長男は 割と正確に体内時計が動いてるようで 10時は散歩 11時半はお腹が空いてきて不機嫌 15時おやつ 17時ifone見る 18時そろそろ夕食作ってくれよ〜etc と 時計を見ずとも訴えてきます。その都度時計を見ると 大体当たってる。でも そんなに上手くいかないわけで。折り合いをつけるのが大変(笑)。
まぁ 人間らしいって言えば超人間らしいかぁ〜(大笑)
そうですとも。
時計のない時代の昔の人たちだって、お日様が昇れば朝ご飯で、日が暮れたら夕餉を囲んで床に就いたんですものねぇ。
人間力に優れているんですよ!