今日の「天職人」は、愛知県田原市の福江地区の「じょじょ切り職人」。(平成23年6月4日毎日新聞掲載)
田原伊良湖のじょじょ切りは 白玉じゃなく餅じゃない 甘くササゲを炊き上げて 練ったうどんで餅代わり ぜんざいでなく汁粉じゃない 郷に伝わるじょじょ切りが 妙に恋しい都会暮らし 母の手付きを真似て煮る
愛知県田原市の福江地区に伝わる伝統食「じょじょ切り」。それを保存し、地域に伝え残そうと活動する中川美代子さんを訪ねた。

「豊川用水が引かれるまで、この辺りは水田が少なく、米がとれんかったじゃんね。だもんで作物って言ったら、サツマイモに麦ばっかり。子どもの頃、入梅前に枇杷の実が赤らむと、麦も刈り入れになるらあ。麦を積んだリヤカーの上に登って、思いっきり背伸びして、枇杷を摘んでよう食ただあ」。美代子さんが、懐かしそうに笑った。
じょじょ切りとは、小麦粉をうどん状に練り、小指ほどの大きさに切ったものを、ぜんざいの餅や白玉に代えた、この地の代用食。

水団の団子に代え、これを浮かべた物は、じょきじょき刻みと呼ばれる。
平たく延ばしたうどんの生地を、ジョキジョキと切るからとも、泥鰌のような姿からとも、その名の由来には諸説ある。
「とにかく米が沢山とれんで、小麦を代用食にしとっただで。昔は収穫した小麦を組合に預け、その都度帳面持ってって、必要な分だけうどん玉や粉にして貰って来ただ」。
美代子さんは昭和13(1938)年、農業を営む山木家で、8人兄妹の次女として誕生。
高校を出ると愛知県農業共済組合で、事務職に就いた。
「当時共済組合は、農協の敷地の中に間借りしとっただ」。
その農協に勤める、2歳年上の職員との間で縁談話が持ち上がった。
昭和36年、中川壹一さんと結ばれ一男二女が誕生。
「この辺りの福江地区の小中山集落じゃ、まだ私が嫁入りした頃まで『嫁呼び』の風習が残っとったじゃんね。嫁呼びとは、『嫁を貰いました』って、親戚や集落の人らに披露する宴で、『じょじょ切り』が振舞われただあ」。

兼業農家で、家事に子育て、舅姑の世話から畑仕事に追われた。
昭和58年.愛知県農業普及協会が「伝えたい のこしたい あいちの味」を募集した。
「それに遠縁の粕谷アサ子さんが『じょじょ切り』を投稿しただ。そしたら名前の珍らしさもあって、掲載されることになったじゃんね。それで粕谷さんのレシピを私が再現することになっただ」。
昭和59年、一旦はその姿も消え入ろうとしていた郷土食「じょじょ切り」が、美代子さんの手によって復活を遂げた。
素朴な味わいの「じょじょ切り」作りは、小豆をそのまま鍋に入れ、二度湯でこぼし、灰汁を抜き柔らかく煮上げることに始まる。
「昔は小豆が貴重だったで、ササゲ豆で代用したじゃん」。
そして砂糖と塩で味付け。次に塩を振らずに小麦を練り、耳朶ほどの硬さにして、打ち粉をせずに延ばし、5センチほどの長さにジョキジョキと切る。

そして麺を茹で、煮上げた小豆を入れて、再び砂糖と塩で味を調えれば完成。

「麺の茹で汁を捨てちゃいかんだ。小麦の旨味が出とるだで」。
美代子さんのじょじょ切りに、在りし日の母の味が蘇えった。
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「天職一芸〜あの日のpoem420」
「じょじょ切り職人」
テレビで渋滞情報を見ながら今年はヒヤヒヤしてしまいますから
菜の花畑を眺めて憧れの潮風も浴びてとオカダさんのブログの参考写真で旅しています。それでもpoemを
読みながらササゲって何やったかなぁ〜と思ってしまい とほほです。
ぼくもGW(ちなみにぼくの場合、「グータラ」「ウィーク」の略ですが)は、完全に巣籠り状態で、窓から外の景色を眺めながら、今はどこそこの国の海辺のテラスでキリン一番搾りで乾杯~ってなもんで、心の旅を続けています。
それにしても美味そう~ぉ⤴
甘い物には目がない私
ぜんざい!ではありませんが・・
絶対い大好き!
そもそも「小豆」が大好きだもんねぇ!
ゴールデンウイークも終わった!
ヘロヘロになりながら登る「岐阜城」に今年も行けなかったのが心残り
年々老いて行くからさぁ~⤴
せめて健康うちに登りたいもんねぇ!
来年こそは・・ヘロヘロ登山するぞ~ぉ!
とってもお母ちゃんのぜんざいのようで、美味しかったですよ。
でもぼくは落ち武者殿の様に、さすがに岐阜城へは登れそうにありませんねぇ。
なんせ股関節が!!!
美味しそう( ◠‿◠ )
ひとくち食べるごとに身体の力が抜けていくよう…。
麺の茹で汁を使ってるから 仕上がりは 少しとろみがあるのかな?
まだまだ知らない食べ物が た〜くさん!
その土地その土地ならではの、伝統的な団欒風景には、無くてはならない郷土の味なんですよねぇ。