今日の「天職人」は、岐阜市美殿町の「天カレーうどん職人」。(平成22年11月13日毎日新聞掲載)
美殿花街宵の口 行き交う人は襟を立て 「お~寒寒」と足早に 暖簾潜って「天カレー!」 「カレーうどんに天ぷらと 誰が最初に言ったやら わしもわしもとせがまれて 何時しか店の名物や」
岐阜市美殿町、手打ちの田毎。二代目主の鈴木康司さんを訪ねた。

「岐阜の天カレーうどんを知らんとは、そりゃ潜りや」。
知人にからかわれ、その店を訪ね天カレーうどんを所望した。

すると「明後日休みやに、新聞が天カレーの取材に来るんやと」と、主が仲居につぶやいた。
「そりゃええがね、宣伝になって。なに新聞?」と仲居。
「毎日の天職一芸ゆう、その道一筋のわしみたいなもんの取材らしいわ」。
「ほな天カレー食べさせたるんやろ」。
「でも休やでなあ」。
「なら取材とは別の日に、きっと食べに見えるんやわ。だって食べな書けんやろ。はいっ、お待たせ。天カレーね」。

何と間の悪いことだ。
今さら名乗れはしない。
何はともあれ、天カレーうどんに挑むことに。

大振りの丼には、長さ23㌢もある特大の海老天が1尾、中央に横たわっている。
ルーに浸し一口頬張った。
どうせ衣の嵩上げかと齧り付くと、端しまで身が詰まっているではないか。
一見、カレーと天麩羅に違和感を覚えたが、どっこいこいつが病み付きになる味だ。
カレーと天ぷらうどんが、一度で二度味わえるから堪らない。
2日後、改めて取材に出向き、特大の海老天について尋ねた。
「仕入れした中の、一番大きな海老に合わすで、小さいと2匹分を繋いどるんやて」。康司さんが種明かし。

「あんた一昨日、そこへ座っとった人か」。
冒頭の件を語ると、何とも罰が悪そうに笑った。
康司さんは昭和18(1943)年、愛知県大治町で3男坊として誕生。
中学を出ると、名古屋の公設市場のうどん屋で修業に就いた。
翌昭和34年、名古屋駅前の田毎に移り、本格的な修業へ。
「駅前の田毎は、旅館や寿司屋に料亭と、手広う商っとったんやて」。
2年後、栄のうどん屋へ。
ところが昭和40年、店の立ち退きで職を失った。
「ちょうどその頃、ここで田毎を開業するでって誘ってまって」。岐阜での寮生活が始まった。
「たった10坪の店に、職人と仲居で10人以上もおったんやで」。
昼から夜中まで、客足が引かなかった。
昭和43年、近くの喫茶店で勤めていた、文子さん(享年60)に惚れ抜き結婚。
二男を授かった。
「朝昼晩と、コーヒー浸けやわ」。
平成14年、先代の引退を受け主となった。
柳ヶ瀬美殿町名物の、天カレーうどんの決め手は、鰹、室鯵、鯖節を長時間煮詰めた出汁と、徳大の海老天。
注文が入ると玉ねぎ、ネギ、かしわの角切り、蒲鉾を出汁で煮てカレー粉を加える。
そして一煮立ちしたら、水溶き片栗粉で餡に。
次にうどん玉を釜揚げし、丼に移して海老天を載せ、カレー餡を掛ければ出来上がり。

「20年ほど前に、お客さんが『カレーに海老天載せてくれ』って。そしたら、他のもんまでわしもわしもって。品書きに無い物は出せません、なんて偉そうな事いわんと、お客さんの好みに合わせるのが職人やて」。
客の我侭から生まれた、庶民好みの名物天カレー。
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うどんのお汁が飲みたいので、今までに一度もカレーうどんを注文をした事が無いかも。しかし、家でカレーが残ったら『カレー焼きうどん』を作ります。まず、フライパンでキャベツを炒め塩、胡椒をしたらうどんを投入。酒、砂糖、醤油で軽く味を付けたらお皿に移して、温めたカレーを掛けて出来上がり。旨し⤴️
ヘェーッ!『カレー焼きうどん』ですか!
これまた最高の残り物クッキングじゃあないですか!
田毎⤴
うん⤴あったあった!
でも、お店には入った事がない
近くに銭湯があったんので・・
店の前をよく通りました。
カレーうどん、たまらん!美味そ~う⤴
こんなに美味しそうなら、銭湯に入らずに
カレーうどんの出汁に入りたかった!
天カレーは病みつきになりそうな、庶民の贅沢なおごっつぉでしたよ!
あの裏路地も、再開発ですっかり陽が差し込んじゃって!
おはようございます
うまそうな天ぷら
一度行ってほしいとこあります
名古屋市烏森駅近く
佐屋街道沿いにある
天幸
ッて言う
うどん屋?
表に向けて旨そうな天ぷらが並んでます
それって烏森駅から佐屋街道を尾頭橋方面に向かって、信号一つ越えた右側のお店?
そうそう
なんか気になるんですわ
昔からあって
やたら
天ぷらがうまそうで…
まるで作り物みたい
❖ 田毎さんね〜 ❖
私も 田毎さんの天ぷらうどんには母との思い出がありますよ (◍•ᴗ•◍)
歯科矯正をしていた 小学3年から3年間 、治療終わりに母と一緒に食べて帰りました (◍•ᴗ•◍)❤
ご近所のうどん屋さんとは何か?違う!
とは 多分 わかっていた??
子供だった 〰〰 (◠‿◕)
今なら 天カレーうどんかな〜 ❣️
お医者帰りのお駄賃ランチ、素敵ですねぇ!
きっとお母様も楽しみにされていたことでしょうね。
潜りやわ〜 私 (笑)
これまたお初です。” 天カレーうどん”
海老天も大きいし とろみもかなりあるようで。
食べ応えありそう( ◠‿◠ )
ちょっと真似して作ってみようかな⁈
なんせ天婦羅にしてもフライにしても、衣好きのぼくにとっちゃあ楽園天国そのものでしたぁ!
Wow, that’s what I was looking for, what a stuff!
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Thank you for visiting my blog.
Please drop in again.
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偶然、当コラムに行き当たりました。今夏、日置江の田毎に行きました。天ころうどんをいただきました。お隣のテーブルでは人々が煮込みうどんを食べておられました。紙製の前掛けをかけて食べておられました。秋本番。鍋焼きうどんが食べたくなりました。
秋が深まりゆくこの季節、鍋焼きうどんで暖を取りつつ、熱燗でもキュッといきたいものです。