今日の「天職人」は、岐阜県高山市若遠町の「武道具商」。(平成22年5月15日毎日新聞掲載)
蹲踞に構え切っ先の ただ一点に気を遣れば 世事の雑念霧散して 「始め」の声も颯然と 鯉口切って斬り結ぶ 武士たちの世は昔 されど竹刀を交えれば 戦の鬨の声がする
岐阜県高山市若遠町の武道具専門店、栄光堂の主、古橋節次さんを訪ねた。

昭和半ばの路地裏で、必ず目にした光景。
それは少年剣士たちのチャンバラごっこだ。
汗で黄ばんだランニングシャツに半ズボン、真っ黒に汚れたズック姿。
道端に枯れ枝の一本でもあれば、誰もがテレビのヒーローに成り得た時代だ。
「そうやさ。ほんなもん今は、チャンバラごっこしとる子なんて、どこにもおらへんろう」。節次さんは、表通りの小路を見詰めた。
節次さんは昭和18(1943)年の誕生。
高校を出ると、地元の造り酒屋の営業職に就いた。
「高3の時の夏休みに、東京で職業実習に20日ほど行ったんやさ。そしたら東京の暑さに耐え切れんでな。こんなとこよう住めんわって、地元で職を探したんやさ」。
それから10年、いつか自分の酒屋を持つ夢を携え、身を粉にしながら営業に勤しんだ。
「でも当時は酒の販売も免許制やったでな。それがなかなか簡単には、許可を貰えんのやさ」。
大きな壁が立ちはだかった。
「自分が何をすべきか、ほとほと悩んだもんやさ。で、そん時思ったんや。子どもの頃からの特技を活かしたろうって」。
節次さんは小学5年から、今も剣道を続けている。
昭和46年、造り酒屋を辞し、開業資金を借り入れ、剣道、柔道、空手を専門とする武道具屋を開業。
「飛騨一円に武道具の専門店なんて、当時も今もなかったもんやで」。
しかし販売だけでは、一度売ればそれまで。
ところが道具は、練習に励めば励むほど傷むのも定め。
「籠手の内側の革の張替えや、竹刀の弦紐の取替え、ささくれ立ったり割れた竹の取替えとか。修理に関しては全くの素人やったで、取引先や職人の店に通って、見よう見真似やさ」。

開業から2年目の冬。
友人と志賀高原へ、スキーのバス旅行に出掛けた。
「一つ前の席に可愛い娘がおったんやさ」。
それが縁で、せつ子さんと結ばれ、二男一女を授かった。
竹刀の長さは身長により、3尺6寸から9寸までの4段階に分かれる。

長さに応じて縦割りにされた竹を4本合わせ、柄革と先革で覆い、剣先から鯉口まで弦紐を張り、中じめで止める。
「弦を張った方を刀の峰と見立てるんやさ」。
最後に鍔と鍔止めを固定すれば完了。
節次さんは、剣道5段に、無双直伝英信流居合8段の凄腕の持ち主。

だが表情は、春の陽だまりのように穏やかだ。
「今でも警察の道場借りて週に2回、近所の小中学生集めて、剣道教室を開いとるんやさ」。
開業から間も無く40年、剣道を通じ礼儀礼節作法、そして精神修養の場として、青少年を見守り続けてきた。

「竹刀を抜いて蹲踞に構え、切っ先を合わす瞬間が肝心。切っ先がぶれとりゃ、雑念に惑わされとる証拠や。そんなん『始め!』の掛け声の時点で既に『勝負あり!』やさ」。
節次さんの手竹刀が、上段から空を斬り裂いた。
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竹刀は触った事はあるけれど「め〜ん!」と、剣道の真似事すらしたことが無かったな。
ぼくらの子どもの頃は、枯れ枝があれば、もうチャンバラゴッコでしたよ!
でもみんな正義の味方ばかりだから、斬っても斬っても誰一人死にませんでしたぁ!
剣道と言えば
今じゃ!千葉県知事「森田健作さん」
「俺は男だ!」ですねぇ!
「オ~イ吉川君(早瀬久美)!何だ!君は・・・⤴」
夕陽に向かって走る・・・定番だったけど
面白かったなぁ~⤴
わたくしこう見えて一度も剣道やった事がありません!
体育の授業もなかった!
箸より長い物重たい物持った事がないのですぅ!
ぼくは中学1年の頃、剣道部に束の間ですが入部したことがありましたが・・・。
わずか一月足らずで退部!
その訳は?
そうです、あの防具の面と籠手の、あの汗臭さが堪らなかったからですぅ!
そうです。私は高校時代の体育の授業で剣道が必須でした。籠手のにおいはともかく、面は誰がかぶったか知れず、汗臭くて被った瞬間に悶絶しました。籠手を撃たれる際、下手なジンだと防具がないところを強打されて、泣きました。
やっぱり!
今思えば、荒っぽいほど汚らしい、防具の管理だったかも知れませんよねぇ。
1番ぽっちゃりしていた中学時代 憧れの先輩が 剣道部だったので 放課後は毎日体育館を覗いてました〜 (✯ᴗ✯)
頭に 手ぬぐいを巻く姿が 胸キュン❣️
扉は全開だったのに ちょっと臭ったかも???
父親の部屋の片隅に竹刀が置いてありましたよ 〰
どろぼうさんが来たら 立ち向かうつもりだったのかしら〜
あらあら、これまた甘酸っぱさが立ち込めそうな青春の一ページですねぇ!
ちょっと匂ったかもしれない汗の匂いも、青春時代ならではの馨しさかも知れませんよねぇ。
剣道って 一度も間近で見た事がないけど 『礼に始まり礼に終わる』の精神でビシッとしそうですよね。
背中に一本スッと筋が通ったような 剣道や弓道や空手 惹かれるなぁ。
若い時にトライすればよかった( ◠‿◠ )
そう言われれば、確かにいずれもそれなりに極めた方がやっている姿には、「凛」とした空気を感じますものねぇ。
特に弓道の女性の射手が微動だにせず、的の一点だけを見詰め、弓弦を一杯に引き絞る姿には見惚れてしまうものがあります。
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my own weblog and was curious what all is needed to get set
up? I’m assuming having a blog like yours would cost a pretty penny?
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