今日の「天職人」は、岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷、「奥飛騨山椒粉職人」。 (平成21年7月15日毎日新聞掲載)
夏も盛りの丑の日は 父の帰りを待ち侘びた 母は手拭い鉢巻きで 七輪熾し鰻焼く 炭火に爆ぜる醤油の香 ちょいと一振り粉山椒 勢い余り振り過ぎりゃ 舌が朝までピーリピリ
岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷、飛騨山椒の二代目、内藤一彦さんを訪ねた。

土用の丑の日が近付くと、つい昔の母の台詞を思い出す。
「まだお父さんの給料前だでね」と。
つまり毎年異なる丑の日が、父の給料日の前か後かによって、我が家の鰻丼に盛られる、その年の切り身の数が異なった。
「この尻尾が一番美味いんだわ」。
母は毎年そう言って、真ん中の立派な身を、父とぼくとに取り分けたものだ。
「鰻は、今も昔も高級品やでね。まあどうぞ一つ味を見てください」。
鰻屋の座敷で、男は鰻丼と共に山椒粉と書かれた、緑入りの丸い缶を差し出した。

味を見るのは鰻の蒲焼ではない。
緑色の缶に入った、山椒粉の方だ。
「味を見てもらうにも、山椒の粉だけっちゅうわけに行きませんし」。
四方を小高い山に囲まれた、高原川に沿う静寂の里。
周りには、収穫を目前に控え、たわわに実を付けた山椒の木が、真夏の太陽を浴びている。

一彦さんは昭和35(1955)年に、長男として誕生。
「子どもの頃は、夏になると山椒守り(山椒の実を摘む作業)をようさせられましたわ」。
東京の大学を出ると、土木関係の会社に入り河川工事に携わった。
そして2年後に帰省。
親類の建設会社に移り、現場の施工に従事した。
しばらく後、近くの土産物屋でアルバイトをしていた、旧神岡町(現・飛騨市)出身の裕子さんを見初め、昭和63年に結婚し一男二女を授かった。
何もかもが順風満帆。
仕事と子育てに追われながらも、幸せで充実した日々が続いた。
だがやがて土木建設も下火に。
どこも異業種参入に躍起となった。
そんな平成17年、飛騨山椒の後継話が持ち上がった。
「飛騨山椒を創業した母の弟が、昭和50年に脳梗塞で倒れ、誰も後継ぐもんもおらんって言うもんやで」。
一彦さんは妻に打ち明けた。
「そしたら妻が、『山椒しかないでしょ。せっかく奥飛騨の自然が誇る、山椒の木があるんやで』って、背中を押してくれて」。
翌年、創業者の妻から手解きを受け、建設会社の異業種参入事業として、飛騨山椒を受け継いだ。
「まず最初は、土用の丑の日の後、山椒の実を親指の爪で手摘みするんやわ」。

それを農家で陰干しして、種が弾けるのを待って、解(ほぐ)して土嚢に詰め込む。

そして種抜き機で種を取り出し、茶箱に詰めて保管。

注文に応じて取り出し、石臼と杵で15分搗き、篩(ふる)いに掛ける。

篩いに残った実は唐箕(とうみ)機に掛け、再び石臼で40分搗く。
さらに粗い実は、3時間近くも搗き粉砕。
特上、上、並粉に選別し完成。
「今見山椒に、高原川の高原山椒が生粋の奥飛騨山椒。だからここから10㌔も離れると味が落ちる。昔の人は凄いって。ここの自然が、一番山椒に適しとるって、ちゃんと見抜いとったんやで」。
後4日で土用丑。
今年は31日に二の丑もある。
ってことは、母がまだ健在なら、今頃大いに頭を悩ませていたに違いない。
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くるくるしてますよ (. ❛ ᴗ ❛.)
飛騨山椒との出合いは 4〜5年前
お気に入りのお店のカウンターで 牛蒡のう巻きに くるくるして出してくださってから 虜になりました (✿ ♡‿♡)
そのお店の板さん達も いろんな料理に 細かくしたり、粗くしたり、潰してみたり試してみえましたよ (◍•ᴗ•◍)
たしか 深夜番組でもその話をした事がありましたね 。◕‿◕。
私は 鰻にはもちろん、鮎の佃煮 煮肴 白菜のお漬物等にも くるくるく、るくる してますよ (◍•ᴗ•◍)❤
山椒は香りが命ですものねぇ。
そしてピリリッと舌を刺激してくれて!
ぼくも今度、キノコソテーを絡めたパスタでも作って、山椒をパラパラッと振ってみようかな?
山椒七味… 名前を見ただけで 口の中がピリッとしそう(笑)
普段なかなか味わう機会がないけど ちりめん山椒とか好きですよ。
最近 日本酒をよく飲むので 山椒をプラスした大人っぽいおつまみを考えてみようかな⁈
この時期、熱燗をキュ~ッと傾けながら、小鉢に盛った山椒の実入りの佃煮なんて、これまた美味しいですものねぇ!
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