今日の「天職人」は、三重県答志島の、「離島医師」。
答志港に汽笛を残し 最終便の船は出る 家並の陰に身を隠し そっと手を振る島乙女 儚い恋の片想い 恋の病は医者要らず 切なさ胸を潰さぬように そっと忍ばす恋忘貝(こいわすれがい)
三重県答志島の離島医師、中村源一(もとかず)さんを訪ねた。

「海女薬はうち独自の調合薬で、目眩(めまい)や頭痛に効き、息が長(なご)なる海女の秘薬なんやさ」。おまけに薬袋に鮑のシールを貼り、大量祈願する念の入れようだ。

中村さんは、この答志島で船舶燃料店を営む家の長男として誕生。高校時代は伊勢市に下宿し、その後上京し医師免許を取得。都立病院に医師として勤務した。
その頃答志島では、島の医師が高齢のため引退し、町は躍起になって中村さんを呼び戻そうと、白羽の矢を放ち続けた。二十八歳になった中村さんは、平成元(1989)年、開業を決意。父の案内で新居を兼ねた病院に着いた。「ここならええやろ。海水浴場も真ん前やし。日当たりも抜群や」。真新しい三階建てのビルを指差し、父は胸を張った。「でも後から聞いたら、親父がぼくの名義で借金こさえて・・・。阿呆らし」。中村さんが苦笑い。
「顔はカルテみたいなもんやでなあ」。中村さんは、道端ですれ違う島人の、わずかな顔色の変化にも気付き、癌を早期に見つけ出したことも一度や二度ではない。また嫁姑問題を持ち込む患者も多い。「ここらあは、家が小さい割に、三世代も四世代も一緒に暮らしよるでな。たまには年寄りの愚痴も聞いたるんやさ。それでスーッと胸のつっかえが取れるんやで」。中村さんの治療は、医学書の領域を超える。それと患者のお婆ちゃんから何度も「先生の写真が欲しい」とせがまれたこともしばしば。「お婆ちゃんらと道ですれ違いますやろ。そうするといきなり手を合わせて拝みよるんですわ」。

中村先生は、病の患者と向き合うだけではない。海に囲まれたこの島の暮らしと、この島に生きるすべての島人を見つめ続ける。それが冒頭の海女薬の発想だ。
病に苦しむ者に触れ、常に穏やかな口調で語り掛ける。柔らかな笑みを白衣に纏う中村先生こそが、島人たちにとっての「医王(いおう)」そのものだ。
*「恋忘貝」は、鮑の別名。
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おはようございます。 離島医師のお話ですね。
・離島のお医者さん島民の方にはとっても助かりますね。神様見たいな方ですね。(中村さんは、医王(いおう)そのものですね。)
・中村さんは、TVで放送していたDr.コトー診療所の主人公見たいなお仕事を、しているのですね。
・もし中村さんが、体調不良になったら島民さんが困りますね。お医者さんが居ないの無いのだから。
・中村さんは、後からお父さんに借金が、あった事聞いたのですね。
中村さんのお父さんは、最初に借金が有ると言うと中村さんが、来なくなると思ったのでしょうね。
・お医者さんで、離島医師になる方は少ないのでしょうね。交通めんも不便ですね。(交通が限定されるかも知れませんね。)
・恋忘貝は鮑の別名だったのですね。知りませんでした。勉強になりました。
ドクターコトー、頭が下がる思いです。
私が生まれ育った所は、中央線、名鉄瀬戸瀬、地下鉄、市バス、名鉄バスと交通の便も良く、近くには商店街も有り、とても便利な地域でした。それが当たり前の生活をしてたので、私は田舎暮らしは無理かなぁ。ましてや孤島なんて。
以前、友だちとウオーキングで行った先がかなり田舎。「この家、大きい!」「この家、新しくて綺麗!」と友だちははしゃいでいましたが、「私は田舎で暮らすのはちょっと無理かなぁ」と言うと「私の実家はもっと田舎なの」と友だちが。「う〜〜!」私は言葉も出ませんでした(-.-;)
田舎暮らしの達人さんなんて、ちょっと憧れる想いもしますが、やっぱり日々暮らすとなると、ぼくなんかのようなヤワな奴にゃあ、やっぱり無理っぽいですねぇ。
きっと このお医者さんは 内面から滲み出る愛に溢れた方なんでしょうね( ◠‿◠ )
島の方々は 先生が居てくれるだけで安心だし いつまでも元気でいよう…と思うんじゃないでしょうか。
先生の顔を見るだけで 話しをするだけで…
よくわかる気がします。
今のお医者さんって 患者さんの顔を見ないでパソコンを見ながら喋ってますからね(泣)
このお医者さんのように寄り添って下さるだけで 心のトゲがなくなり 自分にも優しく そして周りにも優しくなれると思います( ◠‿◠ )
今のお医者さんは、触診されませんものねぇ。
ぼくの子供の頃は、三角形のゴムの付いた指揮棒のような物で、膝の窪みの所をトントンって叩かれたものです。
すると膝下が先生の方へと蹴り上がって!
「よーし、脚気は大丈夫だな」とか言われて!
私も田舎暮らしは無理!
ネオンの灯りが見えないとねぇ!
うんなぁ~⤴事はありません!
オカダさんじゃ~あるまいし!
「恋忘貝」って鮑の別名だったとは
恋を忘れるほど、美味しいって事!
だったら、たぁ~べぇ~ない!
恋ほど、せつなくて、ワクワクウキウキする事ってないと思う!
皆さん、恋をしようぜぇ~~!
あ~あ、ついにお年甲斐も無く、あの凶暴なウイルスに頭がやられちゃったのでは???
でも、こーなっちゃ皆でなんとか乗り越えねばなりませんねぇ。