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飛騨びと言の葉綴り~古川町・谷口充希子さん – 飛騨市公式ウェブサイト
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これだけ酷暑が続くと、どうしても喉越しヒンヤリの、冷や麦や素麺が恋しくなってしまうものです。
子どもの頃は、こんな色の付いた冷や麦が食卓に上ると、真っ先にピンクや緑色した冷や麦を、覚束無い手付きながら箸で掬い上げたものでした。
とは言え、ぼくは一人っ子でしたから、兄妹で競い合う必要もなく、お父ちゃんやお母ちゃんは、ぼくが色付きの冷や麦を狙っていることを百も承知。
だから慌てることも無く、ぼくは独占的に色付きの冷や麦を手に入れられたものでした。

ところがどっこい!
みよし市に住んでいた従兄妹たちが夏休みに泊まり込みでやって来た日の事。
お昼ご飯に色付き冷や麦が卓袱台の上にデーン!
浸けだれの入ったガラスの器を手にし、大きなガラス鉢に浮かぶ冷や麦に箸を伸ばそうとしていると、両脇からやおら体を乗り出す従兄妹たち。
脇目も振らず、冷や麦の器に箸を伸ばし、いの一番に色付き冷や麦を掬い上げているではないか!
浸けだれの入ったガラスの器を手にしたまま、ぼくは目の前で繰り広げられる、色付き冷や麦の争奪戦を呆然と眺めているばかりだったものです。
ガラス鉢の中に浮かぶ冷や麦は、どれもこれも真っ白けっけ!
色付き冷や麦は、瞬時に従兄妹たちの浸けだれの中に消えてしまっていて、幼いぼくはとても悲しい気持ちになったものです。
「あ~あ、色付き冷や麦はみんな取られてまったかぁ!」とお母ちゃんがやって来て、ぼくの浸けだれの中にピンクと緑の冷や麦を入れてくれたじゃないですか!
「どうせ一人っ子やで、食べ物の取り合いを経験しとらんで、そんな事やろと思って、ちゃんと別にしといたったんや」と。

そう言えば、ぼくはおやつの取り合いでも、いつも周りの者より後れを取り、貧乏くじを散々引かされたものでした。
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