「ちょいと寄り道」③


妻が女将を呼び止めた。

「お母さん、わたしたちを覚えてる?」。

「そりゃあよう忘れんわ。こんな店でプロポーズしたの、あんたら以外におらんだで」。

写真は参考

女将は紙ナプキンを紙縒って差し出した。

「これをあんたが奥さんの薬指に巻き付けただ。『こんな指輪でゴメン。でも必ず幸せにする』って。ひどう酔っ払っとっただもんね」。

写真は参考

まさにその通りだ。

「貧しかった。でもあの頃が一番幸せだったかな」。

写真は参考

妻の他愛ない一言が胸を(えぐ)った。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「ちょいと寄り道」③」への4件のフィードバック

  1. なんと”プロポーズ”もですかぁ?
    ある意味聖地では!
    素晴らしいことです。
    そして、
    今も幸せだと言って欲しいです(^-^;

    1. まぁ、この物語はフィクションなんですが、ぼくもそんなプロポーズがあったら、どんなに素敵だろうって思いながら描きました。

  2. 幸せって言葉を聞いて 幸せとはなんぞや?…と考えると 感じ方や大きさやタイミングなどなど た〜くさんコメントしたくなっちゃうから止めておいて…
    今の私の幸せは?
    毎朝 息子達を送り出した後で トーストを食べながらコーヒーを飲む事と 夜 布団に入り 掛け布団を頭まで被る事かな⁈ (笑)
    思えば どちらも「フ〜」って息を吐く事でした(大笑)

    1. 息抜きは大切な生命維持活動ですものねぇ!
      頑張りすぎない程度にね~っ!

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