「転生の追憶」15話

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「転生の追憶」15話

二之前は、よく言えば寡黙な男、別の言い方をすればお勉強しか知らず、そのまま大人になってしまった「頭でっかちなオタッキー」。当然課員たちは、仕事上の上辺の付き合いだけに終始した。それも仕方なくと言った有り様で。しかし宮脇は他の者達と違い、二之前を色眼鏡で見たりはしなかった。二之前はエリート意識が強過ぎて、得意先からも鼻つまみ者扱いだ。そんな出来損ないで歪な性格の持ち主である二之前は、当然上司とも反りが合わず、これまでにも志津絵の言葉通り社内の部署を転々とさせられていた。しかし宮脇は、二之前を一人の人間として捉え、真正面から向き合おうとした唯一の上司だったのだ。

参考

「なんだよ、君らも香港に?」宮脇憲四郎は美恵と志津絵に気付き、グラスを持ったまま相席を決め込んだ。

「じゃあ改めて、異国の地香港と我社の美女二人に乾杯!」いつの間にか宮脇のペースとなり、志津絵も美恵も大いにグラスを重ねた。

写真は参考

「課長、いやらしい。小指なんか立てちゃって」志津絵の言葉に慌てて、宮脇は左手をテーブルの下に隠した。

参考

「いやっ、ごめん。生まれつきなんだ。生まれた時から小指と薬指がくっ付いたままで、小学生の時に手術で切り離したんだ。でも俺の子供の頃の外科技術なんてさあ、今のように発達してなかったから…その時の影響で、未だに小指だけが曲がりにくくって」

「あら、ごめんなさい。失礼にも笑ったりして」志津絵は深々と頭を下げた。

「…」美恵は再び射るような視線を感じ、辺りを瞬時に見回した。

table trip

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「転生の追憶」15話」への4件のフィードバック

  1. 香港・・
    100万ドルの夜景とか言われていたけど
    一時、スポンサー企業も減って
    100万ドル以下の夜景になったとか?
    富士山もそうだけど、少し離れた所から
    観るのが、綺麗かも・・
    それなりの歳を重ねた女性もある意味そうかも?
    知らんけど ❢

    1. 2019年7月に香港を久しぶりに訪ねた際、九龍と香港島の夜景のネオンが、ほとんど中国語の漢字ばかりになっていてびっくり仰天でした。
      漢字だらけのネオンでは、とても100万ドルの夜景とはかけ離れすぎていたものです。
      まだ熱海のネオンの方がいいんじゃないかって!

  2. 先日、近くに住んでいるのに10年くらいは出会う事が無かった知人と、駅ホームのエレベーターの中で偶然バッタリと。お互いビックリ!! だって、同じ電車だったにしても、どちらかがエスカレーターか階段だったら、出会ってなかったかも知れないんだもんねぇ(・o・)

    1. そりゃまた奇遇でしたねぇ。
      でも長く生きてくると、そんな奇遇にも何度か出合ったりするものかもねぇ。

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