7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.46

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

「みんな、動かないで!」。

透き通るような声が岬の突端に響き渡った。

ほんの束の間、場の緊張感がほぐれていった。

二本足で立ち上りかけた熊は、前足をゆっくりと地面に下ろした。

写真は参考

今にも裕也と基喜に飛び掛ろうとしていた、トラの後足の筋肉も緊張を和らげた。

「こっ、木乃葉!なっ、なんでお前・・・」。

基喜が目を白黒させながら叫んだ。

「みんな、大きな声を出しちゃ駄目!この子達はサーカス団の猛獣なの。だから嚇かしたりしなければきっと大丈夫」。

「多分この子達は、お腹を空かしておるんじゃよ。ようし、ようし、おとなしくするんじゃぞ。今、何か食い物を探してやるからのう」。

写真は参考

「おじいちゃん、そう言えばコンチャンあんパン持ってた」。

木乃葉はバックパックから、大急ぎであんパンを取り出した。

写真は参考

「おじいちゃんは、トラさんに。コンチャンは熊さんに」。

木乃葉と老人は、熊とトラを刺激しないようにゆっくりと一歩ずつ近付いて行った。

そして二人は、ゆっくりと片手であんパンを差し出し、熊とトラの鼻先に向かって弓なりに放った。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.46」への6件のフィードバック

  1. 薄皮よりも少しだけ皮が厚い方がすきかな~ぁ⤴
    薄い ❢
    って聞くと、何故か?髪の毛が気になるよね ❢
    長髪時代より・・
    うっす~~ぃ⤴時代の方が長くなって来た気がするのです。
    まぁ⤴なんてったって68歳だもんねぇ!
    気にしない気にしない・・(涙)

    1. 老化に抗ってみたってどうこうなるものじゃなし!
      ろうか、自然体でいた下さいな。

  2. 参考写真の3種類のパン よく買ってました。子供達のおやつにもだけど 6年前 父が脳出血を起こし 入退院を繰り返した後 認知症にも…。少しずついろんな変化が垣間見える中 食の好みにも変化が。
    自ら甘い物はあまり食べなかった父が やたら甘い物を食べるようになったんです。それがあんパン。
    味に飽きるかなぁ〜とチョコパンやクリームパンを準備したり。
    食べ過ぎる日もあったので 小分けにして隠したり。
    今は施設で過ごしてるので このパンを食べさせてあげる事が出来ないけど 季節の行事に合わせた料理等を食べる事が出来てる事に感謝しています。
    怒涛の5年間がまるで昨日の事のよう。
    食品の買い物の途中 パンコーナーでこのパンを見かける度に父の顔が頭に浮かぶんですよ( ◠‿◠ )

    1. 確かに食べ物を見て、ついつい思い出の中の誰かの顔が浮かんでくることってありますあります。
      まるで連想ゲームのようなもので。

  3. ヤマザキの薄皮パン、物価高騰の影響か、心なしか少し小さくなってまった気がします。

    1. 諸物価の値上がりの影響何でしょうねぇ。
      あっちもこっちも値上がりばかりで・・・。
      ぼくはもう何十年って、薄皮パンを食べてない気がします。
      何だか無性に食べたくなって来ちゃいました。

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