
コンビニの周辺には、警察車両と機動隊のバスが赤色灯を点灯させ、物々しい警戒態勢が敷かれた。

猛獣車の檻を検証していた、如何にも強面の刑事が、3人に詰め寄ってきた。
「ホラッ、檻の鍵が圧し折れて、この通り荷台に転がってたよ」。
強面の刑事が白手袋に包まれた掌を開き、圧し折れた南京錠の破片を示した。

「熊と虎を輸送するにしちゃあ、貧弱すぎる檻だし、鍵もこんな安物の南京錠だ。別に猛獣なんかじゃなくたって、こんな赤子騙しじゃあ、逃げ出してあったりめぇだぜ」。
刑事は大仰に顔をしかめながら話を続けた。
「ウッワーッ!それにしても何とも獣臭ぇなあ、まったく!おいっ、何とかならねえのかよ!俺は大嫌いなんだよ、このションベン臭ぇ獣の匂いが」。
刑事は腹立たしげに、トラックの後輪を蹴り上げた。
「しかし、いくらドサ回りのサーカス団とはいえ、こんなずさんな檻と鍵じゃあ、管理不行き届きもいいところだぜ。これで罪もねぇ一般市民が巻き添えになって食い殺されちまったりしたら、犯罪だよ、犯罪!」。
「ど、ドサ回りだ・・・!」。
満は刑事を睨み付けた。
「じゃあ違うとでも言うのかよう!熊だの虎だのに、くっだらねぇ芸教え込んで、そいつを見世物に年寄り子供からあこぎに銭ふんだくってんだろうよ」。
「くだらない芸じゃないわ!」。
麻美が満の前に割って入った。
「おっ、なんだいお嬢ちゃん、いきり立っちゃって。そんな仏頂面じゃあ、せっかくの美人も台無しだぜ」。
「熊のテディは、自転車だって、一輪車だってちゃんと乗りこなせるわ!それに虎のティグは、とっても勇敢で火の輪くぐりだったら誰にも負けないわ!」。

「そうだよ!お姉ちゃんの言う通りだいっ!」。
卓磨も前に進み出て、麻美の手をしっかり握り締めながら刑事を睨み付けた。
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南京錠とか生まれてこの方使った事がない
かと思いきゃ⤴
子供の頃、借家の玄関のカギは南京錠だった。
写真のような頑丈な錠ではなくて
何か?おもちゃの薄っぺらいブリキの錠だった気がする。
それでも、泥棒に入られる事も無く
今より安心安全だった。
最も貧乏長屋で逆に泥棒がお金を置いて行く様な
そんな暮らしだったからねぇ!
昭和の昔は、どこもかしこもそんなもんでしたよねぇ。
ましてや巧妙な手口のオレオレ詐欺もありませんでしたし。
いっその事、昔々の「鼠小僧治郎吉」のように、あくどく金を溜め込んだものから金品を奪い取り、貧しい民に投げてくれるような、そんな義賊でも表れてくれりゃあ大歓迎なんでしょうが!
なんと 我が家の冷蔵庫には ダイヤル式の南京錠が付いてるんですよ。
何故か?
それは 長男が何度も冷蔵庫を開けて飲んで食べてを繰り返してしまうから。
成長と共に回数は減ってきたけど 彼の視界から私がいなくなると必ず冷蔵庫に向かうんです。
何もする事がない事が苦手で結局冷蔵庫に足が向き…。不安定な状態になると『お茶!』と言いながら冷蔵庫を開けて まず一杯!次に食べ物を探す…。
だから 私が台所に居る時以外は必ず鍵をかけてるけど 本来 縦に3つ並んだ数字を1つずつ回して 設定番号とは違う3桁番号にしなきゃいけないのに 焦ってる時に限って 3つの番号をまとめて回しちゃうんです。と、言う事は 長男が回した時 稀に開いてしまうんです。
時既に遅し。
『天才じゃん!』と笑いながらも再び南京錠の数字をクルクルと回すのでありました( ◠‿◠ )
こんな無責任な事を言うと叱られそうですが、そのお二人の知恵比べのようなお姿を想像すると、なんとも微笑ましい気がしちゃいました。