7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.11

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「お嬢ちゃんもバスに乗るんかい?」。

写真は参考

「うん!・・・でもどこへ行けばいいのかわかんないの?」。

「なんじゃい、それは?」。

老人は、木乃葉が握り締めている新聞の切り抜きを指差した。

「これ?・・・新聞だよ」。

写真は参考

木乃葉はそう言うと、新聞を老人に差し出した。

「なになに・・・三重県英虞湾のキャンプ場に熊と虎が・・・」。

「エエッ?!」。

「一家5人が襲われたって・・・」。

「な、何でおじいちゃん・・・それが読めるの?」。

「アッハッハッ。そりゃあわしじゃて、尋常高等小学校には通ったからのう」。

「ううん、そうじゃなくって。そこに書いてある事が、ママにもお菓子屋のおばちゃんにも、違うことに見えるんだって。だからママはコンチャンの頭が暑さで変になっちゃったんじゃないかって言うの!でも・・・おじいちゃんには、コンチャンと一緒のように見えてるんだよねぇ!」。

「コンチャンと一緒のように見えるとなあ・・・。しかしそれが何か大変な事なのかい?」。

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老人は鼻先でズリ落ちそうになっている眼鏡を掛けなおしながら、木乃葉の顔を見つめた。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.11」への2件のフィードバック

  1. 最近、公共交通機関、バスとか電車乗ってないな~~ぁ⤴
    まぁ⤴コロナ禍だったから仕方ないけど
    バスツアーだって以前は
    毎年のように「久能山のいちご狩り」に行ってたけど
    石垣いちご、美味しかった。
    ちょっとイヤらしい話ですが
    バスツアー、コロナ禍になる前は一万円でお釣りがきたけど
    今、お値段が・・⤴
    下呂のお安い宿「湯○リゾート」で一泊出来るもんねぇ!

    1. 確かにモノの価格やらライフスタイルなど、それに消費者自体の価値観も、コロナ禍で様変わりですものねーっ。
      でも意外と身近にも、今まで目にも入らなかった、いや目にしても心動かされなかった、そんな小さな小さなことに改めて気が付いたり、これまでと違った視線で見つめなおすことが出来ているのも、コロナ禍の副産物のような気がします。

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