
「バスに乗ってどこへ行けばいいんだろう?」。
木乃葉は独り言を繰り返し、バス停に続く交差点を左に回った。
「あれっ?」。
バス停のベンチに老人がうずくまっていた。

「おじいちゃん、・・・ねぇ、おじいちゃん大丈夫?・・・気分でも悪いの?」。
木乃葉は老人の肩を揺すった。
「うぅうぅ・・・・・」。
老人は苦しそうだ。
木乃葉はバックパックから、さっき買ったばかりのジュースを取り出し、封を切って老人の口元に差し出した。

「うぅう・・・あぁ・・・」。
「しっかりして!おじいちゃん!」。

老人はゆっくりと顔を上げた。
「ああ助かった。もう大丈夫じゃ。心配かけてすまなかったねぇ」。
「あれっ?ジージ?」。
「・・・・・・・・」。
ジージとは、3ヶ月前に亡くなった木乃葉の祖父だ。
木乃葉は、その老人があまりにも元気な頃の、祖父に似ていたため驚いてしまった。
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ジージか~~ぁ⤴
私も押しも押されぬ・・
知らん間に68歳のジージ!
月日の経つのは「アッ」と言う間
ハナ垂れていた頃が懐かしい!
そうそう!
もう決して戻ることなど叶わぬ時代だからこそ、尊い記憶が熟成しちゃうんでしょうねーっ。
ワシも写真のようなオジイになってまうんでしょうか。家内は4歳になる孫娘に『ばあばは大きくなったら何になるの』と尋ねられ、絶句したそうです。ネガティブな考えはあかん、と思いますが。「プラン75」という映画の概要を知りましたが、あながち有り得ない事ではないと思ったオジイです。
孫娘さんの『ばあばは大きくなったら何になるの』には、ぼくも大いにホッコリさせていただきました。
幼子は時にそうやって和ませてくれるものですよねーっ。