7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.10

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

「バスに乗ってどこへ行けばいいんだろう?」。

木乃葉は独り言を繰り返し、バス停に続く交差点を左に回った。

「あれっ?」。

バス停のベンチに老人がうずくまっていた。

写真は参考

「おじいちゃん、・・・ねぇ、おじいちゃん大丈夫?・・・気分でも悪いの?」。

木乃葉は老人の肩を揺すった。

「うぅうぅ・・・・・」。

老人は苦しそうだ。

木乃葉はバックパックから、さっき買ったばかりのジュースを取り出し、封を切って老人の口元に差し出した。

写真は参考

「うぅう・・・あぁ・・・」。

「しっかりして!おじいちゃん!」。

写真は参考

老人はゆっくりと顔を上げた。

「ああ助かった。もう大丈夫じゃ。心配かけてすまなかったねぇ」。

「あれっ?ジージ?」。

「・・・・・・・・」。

ジージとは、3ヶ月前に亡くなった木乃葉の祖父だ。

木乃葉は、その老人があまりにも元気な頃の、祖父に似ていたため驚いてしまった。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.10」への4件のフィードバック

  1. ジージか~~ぁ⤴
    私も押しも押されぬ・・
    知らん間に68歳のジージ!
    月日の経つのは「アッ」と言う間
    ハナ垂れていた頃が懐かしい!

    1. そうそう!
      もう決して戻ることなど叶わぬ時代だからこそ、尊い記憶が熟成しちゃうんでしょうねーっ。

  2. ワシも写真のようなオジイになってまうんでしょうか。家内は4歳になる孫娘に『ばあばは大きくなったら何になるの』と尋ねられ、絶句したそうです。ネガティブな考えはあかん、と思いますが。「プラン75」という映画の概要を知りましたが、あながち有り得ない事ではないと思ったオジイです。

    1. 孫娘さんの『ばあばは大きくなったら何になるの』には、ぼくも大いにホッコリさせていただきました。
      幼子は時にそうやって和ませてくれるものですよねーっ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です