『ガリバーの国のロールケーキ?』
2005.春 季刊誌掲載
「鬼は外、福は内」
家々の引き戸が、ガラガラガラっとけたたましい音を立て、開いたり閉じたり。
町内のあちらこちらで、子どもたちの声が上がったものだった。
でももう、そんな昭和中ごろの風景は、記憶の片隅に消え入ろうとしている。
節分の豆まきは、もともと柊の枝に鰯の頭を刺して戸口に立て、鬼打豆と称す炒り大豆をまいた習慣に由来するとか。

近年ではそれが簡略化し、柊の枝に刺さったグロテスクな鰯の頭という、豆まきの儀式を鬼気迫るものとして演出したはずの装置も、住環境の変化で不要になったとでも言うのか、なかなか見かけられなくなってしまった。
でも何でそれが鰯だったの?
鰺や秋刀魚じゃあ役不足?
でも鬼を駆逐する戸口の飾りが、「魚」偏に「弱」いと書く鰯とは何とも心許ないものではないか!
新春恵方詣りの駅貼りポスターを眺めながら、ぼくはしきりに首を傾げていた。
しばらくすると・・・。
「あのう・・・」。
「あっ!あれっ?」。
別にプラトニックでとても清らかな関係の、文通相手と初めて出逢ったような逢瀬の一コマではない。
今回の旅のナビゲーターである、岡崎市のNさんとJR安城駅で落ち合った瞬間の一コマである。
はてさて一体ぼくは、これから何処へ導かれるのやら。
「いつも車で通りながら眺めてるだけだから・・・ええっと・・・」。
早速一抹の不安がぼくを襲う。
「確か・・・こんな感じの、古びた商店街の途中だったような気が・・・」。
Nさんは交差点で立ち止まり、あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロ。
それに釣られてぼくも一緒にキョロキョロ。
時折り通り過ぎる車の運転手までもが、何かあったのかとノロノロ運転。
それでも何とかかんとか、目指す洋菓子工房「Tin-Ker-Bell」を発見!

「なんじゃあ、こりゃあ!」。
昔のTVドラマ「太陽にほえろ」のジーパン刑事の殉職シーンを気取ったわけではない。
とにかく馬鹿でかいロールケーキが、メルヘンチックな宝石箱のようなショーケースの最上段に、その巨体を横たえていた。

長さ50cm、幅20cmの生地を巻き上げた、直径7cmのつわもの。
「ちょっと待ってよ!こんなの誰が一気に食べるっちゅ~の!」。
妄想が暴走してゆく。
「米粉の生地を、コメのカスタードクリームと生クリームで巻き上げ、イチゴとキーウィにオレンジをトッピングしました」と、オーナーの香村政人さん。
その名も「長すぎるロールケーキ」とは、いかにも分かりやすすぎ。
お代は2000円ポッキリ。
「子どものお誕生日とか、ホームパーティーにはピッタリでお値打ちかも!」と、Nさんもすっかりその気に。
2004年の5月から販売を始め、口伝に噂が広がり、今では1日に15本ほども売れる人気商品だ。
物は試しと1本買い込んで見た。
う~ん、なんとも言えぬ重さがズシリ。
2000円の重みが、しみじみと感じられる。
でも待てよ!
ラベルの片隅の文字に目が留まった。
「本日中にお召し上がり下さい」だって!
ええっ!わが家はたったの3人家族。
それを今日中に食べきれと言うのか!

ああっ、ガリバーならきっと一口なのに!
「ならばいっそ、今年の節分の恵方である西南西を向いて、ガリバーの国のロールケーキとやらを、一息に喰らい尽くしてやるか!」。
独りよがりのぼくの空しい叫びを『この愚か者めが!』と、春一番が嘲笑うように吹き飛ばしていった。
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ほんの今しがた(午前8時)、スーパーに行ってきました。
いつもの寿司コーナーが恵方巻に占領されて・・
私の好きな助六はいずこへ?~~⤴
何処も見当たらないので、結局「海鮮海苔巻き」
気になったので「恵方巻の由来」を調べたら
てっきりお寿司屋さんが発祥だと思ったら
海苔業者が販売促進の為だったとは・・
普段、海苔って全く食べない
温泉旅館で朝出て来る海苔を食べるくらいで
そうでなければ全く食べない❕
でも、なんか?
海苔って色んな栄養があるらしく
オカミノファミリーの美熟女の皆さん
美肌効果もあるらしいので是非!
今度、お会いする時に、ビックリさせて下さい。
コロナもなんのその!
恵方巻が売り場を埋め尽くしていましたかぁ!
でもコロナが去って福来れって心境にもなりますよねぇ。
『長すぎるロールケーキ』は、ホールケーキより切り分けやすそうだから絶対いいよ。ケンカにならない。あ〜、食べたい٩(♡ε♡ )۶
ぼくなんてお母ちゃん譲りの、端っこ文化で育ったからか、こんな巨大なロールケーキがあっても、ぼくはその端っこを食べちゃうんだろうなぁ!
きっと!
先程 新年に向け 盛塩を取り替える為玄関を開けたら 子供達のはしゃいでいる声が 何処からか聞こえきて 心温まり 嬉しくなりました (◍•ᴗ•◍)❤
『鬼は外 福は内』と 豆まきしていたんですね ( ◜‿◝ )♡
私は 袋入りの豆を玄関に置き 『鬼は外 福は内』と 小さな声で言い その後 ビールのつまみにしましたよ ☆
それにしても ながーい ロールケーキですね~ 。◕‿◕。
子供達は 目をまんまるくして、おお喜びするでしょうけどね (◠‿・)—☆
今年は オムライス巻きとか 豚まん巻きとか 色々
ビックリ ビックリ ヽ((◎д◎))ゝ
私はお昼に 回るお寿司屋さんの 食べきれるサイズの海鮮巻を頂きました (◕ᴗ◕✿)
ぼくは自分で巻く、手巻き寿司風のサーモン巻きをいただきましたぁ!
『鬼は外 福は内』と、心の中でつぶやきながら!
昨日のスーパーは お昼前から 恵方巻き目当てのお客さんがいっぱい。
私は 息子と一緒だったので 混む時間を避けて行ったけど それでも人多し。
まるでクリスマスか年末年始のよう。
昨夜 息子一人ずつと一緒に 毎年恒例の豆まきをしました。長男は「鬼は外」と呟きながら 掴んだ豆を地面にポイ!一箇所だけが豆だらけ(笑)。次男は 少し遠くに投げてから 残った豆と私の顔を見ながら「食べてもいいですか?」と。毎年同じ風景だけど これからも健康で季節の行事を体感しながら 楽しんでくれたら嬉しいなぁ〜と思っています。
四季折々に日本人として、とっても大切な時々のイベントってありますものねぇ。
それを家族で過ごせるって、当たり前のようでありながらも、当たり前の事じゃなく、特別な事かも知れませんよねぇ。
健康と笑顔に、感謝感謝!
今年も柊に焼いたイワシを刺して鬼の顔を描き黒い点々を13ケ月ぶん描いて玄関に飾りました。
友達は子供の頃は
この柊を家々の玄関から貰って来て 何本集めたか見せあっこしてたと聞いて驚いていたけど
友達と同じ地区の出身とゆう
少しお姉さまから
「この描いた紙はどうしているの?」と尋ねられて 教えて頂いたのは この紙を集めてとっておいて 歯が痛くなった時にこの紙で頬の上からなぜていたとのことです。
へぇー、それも面白くって素敵な庶民信仰と言うか、言い伝えですねぇ。
何物にも祈りの気持ちが宿るという。