「エッチー!な外国土産のボールペン」

ぼくが子どもの頃の外国は、今よりもっともっと遠かった。
まさかいつの日か、自分が飛行機に搭乗し、海外の見知らぬ国に行くなど思いもよらぬ時代。
だから、洋行帰りだなんて言ったら大騒ぎ!
「ちょっとちょっと聞いた?隣町のあの洒落た洋館に住んどらっせる、あそこの息子さんが嫁さん貰わしてなぁ。そいでもって、新婚旅行でハワイへ行って来たげな」と、たちまち近隣の町々で、オバちゃんたちの井戸端会議の、トップニュースに躍り出たものだ。

中学に上がったばかりのある日。
クラスでも、おませな事なら天下一品!
こいつの右に出る者は無しとまで言わしめた、忠治に誘われクラスの仲間4~5人が、荒れ寺の境内奥の林の中に呼び出された。
中学1年にもなると、おおよそ男どもは思春期を迎え、異性への関心も高まる。
ぼくらはきっと、忠治がお兄ちゃんのお下がりの、エロ本でもこっそり持ち出してきて、ぼくらに自慢するのだろうと、半ばそんな期待もあって、忠治の招集に応じた。
ところがぼくらを待ち受けていた 忠治 は手ぶら。
ぼくらはみんな「?????」。
忠治はと言うと、ぼくらの落胆した顔を見比べながら、妙に一人でニタニタとしている。
「今日はなあ、もっとええ物見せたるわ」と。
でもどこからどう見ても、忠治は手ぶらだ。
ただいつもの勉強嫌いな忠治が、中学の夏服の開襟シャツのポケットに、珍しくボールペンを差しているくらいだった。
「これや、これやて!」と自慢気に忠治は、開襟シャツの胸ポケットのボールペンを取り出し、フンッと鼻の穴を膨らませた。

忠治が手にしたボールペンは、筆先から半分ほどの所から、クリップ側の半分に、ビキニ姿の褐色の肌の女性の絵が描かれている。
忠治はボールペンを水平に保ちながら、「どうや、ビキニのお姉ちゃんや!ええやろ!」と、益々の穴を膨らませひけらかす。
すると「変わったボールペンやなあ?それ、どこのなん?」と、クラス仲間の一人がつぶやいた。
「これはお前、アメリカ製のハワイ土産やて!」と、よくぞ聞いてくれたとばかりに忠治。
しかし、その日集まった忠治ん家を含むクラスメイトの家庭は、どこもかしこも典型的な庶民ばかり。
とても海外旅行など、我が身ばかりか、親類縁者を含め夢のまた夢。
誰もが、何でそんなハワイ土産を、忠治がひけらかしているのか、不思議でならなかった。
すると「このボールペン、不思議なことにペン先を下に向けると、ホレッこの通り!」と、忠治の鼻息がより一層荒くなった。

ぼくらは顔を突き合わせ、忠治がペン先を下に向けた、ボールペンのビキニ姿の美女に固唾を飲んで見入ってしまった。
すると褐色の肌を纏っていた黒いビキニが、おもむろに脱げていくではないか!
「どうや!」。
忠治はドヤ顔で得意満面。
「こらっ坊主!そのボールペン、どこで拾ったんや!ちょっと見せてみい!」と、荒れれ寺の坊さんが不意に顔を出し、忠治の手からボールペンを捥ぎ取った。
「ここにホレっ、R.Iとイニシャルが彫ったるやろ。これは檀家さんのハワイ土産にもらった、わしのボールペンや!」と、坊さん。
「ヤバイ!逃げろ」と、忠治の声に従い、ぼくらはまるで蜂の巣を突いたように、一斉に逃げ出した。
今にして思えば何故忠治は、わざわざヌードボールペンを拾った荒れ寺の境内で、ぼくらに自慢したのだろう。

しかしその後しばらくすると、海外旅行の土産と称した子ども騙しなヌードボールペンは、あちらこちらで見かけられるようになり、それほど話題にも上らなくなった。
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小学校の頃の話
今、思うと不思議でしょうがない❢
今でこそ、海外旅行へ行くのは、普通になって来ているし
高校の修学、慰安旅行でも行くぐらいですから(コロナ前)
まして、昭和30年、40年なんて・・
会った事ないような、遠い親戚だって行ってないと思う❢
我が家にも、その「ヌードボールペン」があった。
親にしたって海外旅行へ行った、なんて聞いた事がない
なんでやろう?
それ❢妄想やろ~ぉ⤴と、疑られても仕方がないと思うけど
マジで、ホント❢
今となっては、真相も闇の中、未解決事件になってしまった。
きっと誰かにどなたかが、土産物として頂いたんじゃないですかねぇ。
有りましたねぇ⤴️エッチなボールペン。手にした事がありますよ。徐々に、ふ・ く・がぁ〜⤴️初めて見た時は笑えたわぁ( ̄ー ̄)ニヤリ
あれやこれやと、ユーモア商品ってありましたよねぇ。
昔、ユニモールの地下に、そんなユーモア商品やアイデア商品を専門で打っているお店があったものです。
ちょっとだけお姉さん目線で言わせてもらうと 中1の頃の男の子って…
そんな感じでしたね(笑)
女の子達は 割とクールだから「はいはい!」って感じで 冷めた感じで見てましたよ。
私にとっての最初の外国のお土産は 親戚のおじさんから頂いたマカデミアナッツ! 話しを聞いてもチンプンカンプンだったけど チョコの美味しさは 衝撃的でした。
ぼくもマカダミアナッツいりのおなじみのチョコを初めて食べた時は、腰を抜かしそうなほど驚いたものでした。
カカポのプロジェクトでご一緒だった、オークランドZOOのローラ・ムーマー園長。
お婆様が日本からハワイに渡った移民でいらっしゃったそうで、彼女の家でいただくコーヒーが、とってもフレーバーな香りのするものでこれまた腰を抜かしたものでした。
コーヒー豆とマカダミアナッツやバニラビーンズと一緒に挽いたもので、ブラックコーヒーでありながらも、甘い香りがして大変驚かされたものです。
それで癖になって、アラモアナに30年ほど前はあったコーヒーワークスにFAXをして、お取り寄せをしたこともありました。