「TVに釘付け!世界40か国以上、5億人以上分の1のぼくの眼」

今も忘れない。小学校6年の夏休みに、入ってすぐの事だった。
人類が月を闊歩すると言う、あられもない大事件が、TVの生放送で世界中に中継されたのは!
わが家の茶の間に居座るカラーテレビは、その日の未明から延々とこの大事件を伝え続けていた。
たまたまその日は日曜日。
まだ日も昇らぬうちから布団も上げ、家族全員が寝ぼけ眼をこすりながら、歴史的な瞬間の目撃者たらんと、瞬きすらためらうように、ブラウン管に食い入った。

そうあれは、昭和44年7月20日の日曜。
アポロ11号から切り離された、月面着陸船イーグルは、日本時間の午前5時17分に月面へ、無事着陸を果たした。
この映像は世界40か国以上に、瞬時に同時中継され、この地球上で5億人以上の人々が、固唾を呑んで見守ったとされる。
着陸成功時の瞬間視聴率は、なんと68.3%にも及んだそうだ。

ただただ天晴れ!
その後、アームストロング船長の地球に贈ったメッセージが、通訳を介して伝えられると、ぼくでさえ心が震え、思わず目頭が熱くなったのを、今でも鮮明に記憶している。
そうあの名台詞。
「これは一人の人間にとっては、小さな一歩だが、人類にとっては、偉大な飛躍である」だ。
ぼくは夏休み中、連日報道される一連の新聞記事を丁寧に切り抜き、それをB紙に貼って、アポロ11号の「月までの旅」と題した、夏休みの自由研究をまとめ上げた。
いつもの年ならば、夏休みが残り後3日になっても、まったく手も付けられなかったのに。
だからお母ちゃんなんて、こともあろうに「あんたが進んで夏休みの宿題やるなんて、なんぞ悪い事でも起こらにゃええが」と、真顔で首を傾げたほどだ。
いよいよ二学期の始業式。
初めて自力でやり抜いた、自由研究のB紙を筒状に巻いて、意気揚々と登校した。

ところが教室に入ってビックリ!
だってクラスの男子生徒の大半が、同じようにB紙を丸けた紙の筒を、自慢げに机の上に置いているではないか!
あまりの光景に目を疑うと同時に、自分があまりに平均的な凡人であることも悟った。
とは言え、所詮はまだまだ子どものこと。
放下時間になろうものなら、校舎の階段の踊り場は、月面着陸船イーグルから、人類初の月面への第一歩を踏み出す、アームストロング船長のあのシーンを、皆が真似た。
口を少し手で覆い、あたかも遠く離れた月から地球への無線交信を装い、アームストロング船長の台詞を口々に真似るのだ。
特に男子生徒たちは、誰もが想像を超えた月への第一歩に、果てしない未来への希望と、大いなる憧れを抱いたものであった。
あの月面に印した、人類初となった第一歩のTV中継に心振るわせた者たちは、あの日の澄んだ心を見失ったのだろうか?

少なくとも、人類が一つになって、大いなる夢が垣間見られたあの時代のあの瞬間を。
人類が人類を殺め合う愚かしい戦争や紛争、それにテロや暴動など、これほど頻繁にはなかったはずだ。
あの瞬間に心振るわせた、当時の少年少女たちが紛れもなく、今世界中の舵取り役を果たしているのではないのか。
そろそろもう一度、あの時の瞬間の様に、眩いばかりの希望を、全ての人類が抱き合えた、そんな地球に戻して欲しいものだ。
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月か~ぁ⤴
地球みたいに普通に生活が出来るんだったら
行ってみたい❢
富士山だって登った事はないけど、石ころばかりで
登っていても本当に富士山なの?と思いたくなる。
月も富士山も、遠くから見ている方が綺麗だからさ~ぁ⤴
でもさぁ~、やはり一番は我が家が一番イイねぇ!
そうなんですって!
何でもかでも、あまりに近づきすぎると、見えなくって良かったものまで見ちゃうことになり、ちょっと・・・。
そんなことって大いにありますものねぇ。
コロナで学んだのは、なんてったってお家が一番!ってことですねぇ、ぼくは!
遂に日本で初の民間人が宇宙へ!!そんな時代が来たんですねぇ⤴️しかし、気が遠くなるようなそのお値段。しかも、太っ腹⤴️マネージャーの分もだってよ。ある所にはあるんですねぇ。
見果てぬ「夢」はあくまで手の届かぬ「夢」だからこそ、ロマンティックな「夢」のままでしょうが、果たしてその夢を現実のものとしてしまったら・・・。
でもお金持ちの方は、また果てしない「夢」をご覧になるんでしょうねぇ。
まあ、どーせ無い者の僻みですけどねぇ。
小さい頃の夢は お花屋さん・保母さん・美容師さん。
出会った方が素敵だったから。
今の子供達は 夢を持つ事が出来てるのかなぁ〜。
誰もが予想しなかった世界になり 飛び出す事も儘ならないこの時代…
ブログラストの文章
正しくその通り!
昭和は今ほど豊かじゃなかったですが、明日の夢を信じられた時代でしたものねぇ。
学校で授業を中断してテレビを付けてもらって観てました。月面着陸もさることながら西山千さん、鳥飼玖美子さんらが通訳で出てござって、同時通訳の凄さに驚きました。人類が月に行って半世紀以上ですか。あの微妙に揺れる画面。中原中也の「サーカス」をほうふつさせる映像でした。隔世の感があります。
まさにTV画面に釘付けでしたもの。
心が震えたものです。