昭和がらくた文庫83話(2017.10.26新聞掲載)~「古(いにしえ)の戦国浪漫」

400年以上、(いにしえ)の昔。

そもそも現在の岐阜県関ケ原町が、天下分け目の合戦時において、果たして関ケ原と呼ばれていたのか?

様々な異説もある。

時は、安土桃山時代の慶長5年9月15日。

西暦にすると、1600年10月21日。

文字通り徳川勢と石田勢による、天下分け目の大戦(おおいくさ)が始まった。

参考資料

たちまち東西を分つ、歴史の舞台に躍り出た地である。

合戦初日の9月15日付、徳川家康の書状には、「関ヶ原」でなく「濃州山中」と、記されているとか。

しかもこの「山中」は、「山の中」という意にあらず「山中村」という地名と記されていたそうだ。

また、合戦当初は南北朝時代の古戦場「青野原」や、「青野カ原」と記した文献も存在するとか。

いずれが真実かは、歴史学者に委ねるとしても、誰も見たことの無い、太古の浪漫とは、そうした曖昧さがあるから、たまらなく面白い。

ぼくにとっての戦国浪漫とは、信長公が本能寺で明智勢に討たれるまでを指す。

参考資料

だから特段、秀吉や家康には、何の魅力も感じない。

参考資料
参考資料

神がもし三英傑の誰かと、一度だけ逢わせてやろうと仰ったなら、ぼくは何の迷いもなく、信長公と答えるはずだ。

参考資料

歴史家や小説家が描く信長像は、どれ程資料を読み解き、想像を巡らせようと、所詮虚像に過ぎない。

果たして信長公は450年前、岐阜城の天守からどんな未来を眺めておられたのだろう。

写真は参考

志半ばで、明智に討たれなければ、何処へこの国を導こうとされておられたのか。

卓越した世界観を持っていた信長公が、もし現代の岐阜におられたなら、今を生きる私たちに、一体何を語り掛けてくれるだろう。

まかり間違っても、黄泉の国に()()す信長公にお逢いすることなど、到底叶わぬ夢。

しかしそう思うだけでも、妙に心がときめく。

秋の夜長、岐阜城の天守から月でも眺め、信長公と問わず語りを愉しむのも一興。

写真は参考

450年前には岐阜の地で、信長公もきっと同じ月を、ご覧になっていたはずだから。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「昭和がらくた文庫83話(2017.10.26新聞掲載)~「古(いにしえ)の戦国浪漫」」への6件のフィードバック

  1. こうしてみると、
    戦国時代は岐阜の美濃って日本の中心だったのかも知れない?
    もしタイムマシンがあったら織田信長にそ~ぉっと耳打ちしたいねぇ!
    本能寺には気を付けろ!
    麒麟にやられるよぉ!
    ・・とねぇ!
    でもさ~ぁ⤴
    明智さんは明智さんで良い人だったんだねぇ!
    どちらにしても、本人に会った訳ではないから
    いくら落武者でも
    何とも言えないねぇ・・

    1. 何だか浪漫がありますよねぇ。
      誰かが綴った歴史小説や歴史書が本当なのか?
      タイムマシンで歴史を遡り、その瞬間に立ち会ってみたいものです。

  2. 以前、主人公が戦国時代にタイムスリップしちゃうっていうドラマがありましたが、オカダさんも信長様に会えるのならタイムスリップしてみたいのかしら•̀.̫•́✧

    1. それって「足ガール」とかですか?
      ぼくも録画して楽しみに見ていました。

  3. ロマンティック〜♡
    お城から見える景色は今と違えども 確かに城内で物語が繰り広がれて 幾度となく壮大な景色を見てたんですもんね。
    私もTV『アシガール』見てたけど 彼女のように タイムスリップして大切な人を守る為に走れるかなぁ〜。
    浪漫ですね( ◠‿◠ )

    1. TV『アシガール』の主人公の女優さんの、なんとも自然体な演技にぼくもすっかり魅了されてしまいました。

なごやン へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です