*この「二度目のハネムーン」は、リサイタルやライブの折に、何度かぼくの曲「もしも生まれ代われたなら」を唄う前に、朗読をさせていただいた作品です。
こんな通夜は、最初で最後に違いない―
頭合わせに並んだ二つの棺。
目を閉じそっと手を合わせた。
色取り取りの花が楽園を模る祭壇。

呆然と見上げれば、色褪せた想い出が走馬灯のように駆け巡る。
その刹那、にこやかな二つの遺影が、滲んで消えた。
先日、第二の両親と慕った夫婦が旅立った。
夫のコーチャと妻のヤッチャン。
親しみを込め、誰からもそう呼ばれた、戦前生まれの夫婦だ。
大病の後遺症と闘い続ける妻を夫が支え、晩年病に臥した夫を妻は案じ続けた。
10月末のこと。
入院中のコーチャの容態が急変。
自宅療養中だったヤッチャンは「お父さん一人で逝かせられん」と、床に臥しながらうわ言の様に繰り返した。
程なく、ヤッチャンまでもが危篤状態に。
図らずも救急搬送先は、コーチャと同じ病院だった。
病室こそ違えども、同じ屋根の下、意識が戻ると真っ先に、互いの容態を気遣い合ったという。
生死の境で行きつ戻りつを繰り返す二人。
奇跡的に二人が容態を持ち直した一瞬。
まるで待っていたかのように、看護士たちは二人をストレッチャーで連れ出し、病棟の通路へと向かった。
そしてすれ違い様、二人の手と手を取り、しっかと握り締めさせたのだ。
おぼろげに霞む混濁した意識。
もう互いに言葉を交わすことも叶わぬ。
だが半世紀を連れ添った二人は、その手の温もりと、脈打つ波動だけで、互いの心を十分に受け取ったことだろう。
いつもせっかちだったコーチャ。
たったの24時間で、おっとり者のヤッチャンが、後を追うように逝った。

折しも今日は、いい夫婦の日。
今頃はどうせ二人して、天国で二度目のハネムーンとでも、洒落込んでいることだろう。
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こんな事があるんですね。
どちらからともなく寄り添っての最期。
本当に仲の良いご夫妻だったんでしょうね。
きっときっと羨ましいぐらいの二人の生活が始まってますよ( ◠‿◠ )
ぼくが若い頃、バイトに行くと、奥さんのヤッチャンがインスタントコーヒーと厚切りのバタートーストを、毎朝ご主人のコーチャの分と一緒に振舞ってくれたものでした。
ライブの時には オカダさんの優しい声でお二人のお話しを聞かせてもらっていましたが、本当に運命の糸で繋がっていたお二人なんだな〜 って思いました
(。♡‿♡。)
オカダさんもこんなにも素敵なご夫妻やご家族と運命の出合いをされ ❤
私も まだ 運命の人と赤い糸で繋がっていたら 第2の人生 幸せになれるかしら ( ◜‿◝ )♡
第2の人生への扉は、若い頃とは違って、もう少しの勇気を出して「これだ!」と感じたその時に、アクセルを思いっきりフルスロットルに踏み込んでもいいのかも知れませんよねぇ。
もしも生まれ変われたら・・
って考えると・・
誰しも人生は一度なのに二度の人生送る事が出来るんでしょう!
なんか?夢が溢れてウキウキ楽しくなるねぇ!
でもさ~ぁ⤴
考えてみると健康で普通に暮らして行けるのが一番かもねぇ!
人間、上観ても下観てもキリがないからさぁ!
前にも言ったけど・・
絶対に!ライブハウス♬はやるよぉ!
確かに確かに仰る通り!
夢はどんだけ見たって、誰に迷惑をかけるわけじゃありませんしねぇ。
自分の最期は自分では決められないのが世の常ですが、ご夫婦でたくさんの徳を積まれたのでしょうね。
念ずれば夢叶うを現実にしたような気がします。
ぼくも念じ続けなきゃ!