今日の「天職人」は、津市栄町の「底付師(そこづけし)」。(平成23年5月28日毎日新聞掲載)
正月前の店先は 紳士淑女の行列で 足の踏み場も無い騒ぎ 父は革靴底付師 仕立てスーツの紳士でも 「まずは足型とりまひょか」 爪先の出た靴下に 照れ臭そうな苦笑い
津市栄町で昭和29(1954)年創業のミツバト靴店。二代目底付師の小林薫さんを訪ねた。

「昔は盆暮れの前んなると、勤め人らで店ん中がごった返して。給料の2倍もするオーダー靴の時代やったで、皆6回払いの月賦でしたな。今しみたいに、七面倒くさいローンの申込用紙なんて、そんなもんあらせん。ただ名前と勤め先だけ聞いてそんでよし。それでも皆きちんと、毎月欠かさず代金持って来てくれよった。今思うとええ時代やったわ」。
店の一番奥まった小さな作業場。
58年間座り続ける椅子から、薫さんが表通りを眺めやり懐かしげにつぶやいた。

薫さんは昭和14年、4人兄弟の長男として誕生。
中学卒業の年、父が独立しミツバト靴店を開業。
「ミツバトとは舶来革の名称やさ。こんな風に、革の裏面に3羽の鳩のマークが付いとるやろ」。
卒業と同時に、父に付いて底付師の修業を始めた。
「子どもの頃から、父の仕事を見とって興味があったでな」。
靴職人は、靴底に甲革を取り付けて仕上げる底付師と、甲革をミシン掛けする甲革師とに別れる。

「甲革師になった一つ下の弟が生きとった頃は、二人してよおけ拵えたもんやさ」。

しかし昭和40年代も半ばに差し掛かり、大量生産大量消費の時代が訪れると、徐々にオーダー靴の注文も減少。
「昔の靴は革がええで、量産品と比べたらその分重たいんや。それに量産で革靴も安なったで、何十年と修理して履くもんらも少のうなったでな」。
オーダー靴の作業は、足の採寸に始まる。

「踵や踝までの高さも、人によって違うで、踝に革が当らんようにな」。
紙型を作り、革を裁断し甲革師がミシン掛け。

次に木型にノセコと呼ぶ革を被せ、甲の厚さを調整しながら型出し。
その上から甲革を被せ、鰐と呼ぶ鰐口をした工具で引き伸ばし、吊り込み釘で仮止め。
次に靴の先端部に先芯、踵にツキカタ(芯)を磐石糊で糊付け。
そして輪げさと呼ぶ革紐の輪の一端を踵で押さえ、反対の一端で膝の上に中底、甲革、細革を固定。
松脂を塗り蝋を引いた麻糸の両端に、緩やかに曲がった大くけ針を2本取り付け、中底、甲革、細革に掬い針で穴を開け、交互に締め上げ縫い絞る。
「麻糸に松脂を塗るで、ナイロンなんかとちごて革と摩擦して、ギシル(抜ける)ことも無い」。
そして本底と細革を出し針で縫い上げ、踵を縫い付ける。
「後は1週間から10日、糊が乾けば完成やさ」。
最盛期は、2日で3足を仕上げたと言う。
昭和37年に秋田美人のユキさんと結ばれ、男子を授かった。
「息子が小学校へ入る時、革靴作って履かしたったけど…。本革が重いゆうてな、それっきりや」。
靴を見れば何時作ったか、何度修理したかもすべてお見通し。
「後は、仕事しながら死ぬだけや」。
熟達の底板師が、あっけらかんと笑い飛ばした。
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外反母趾なので、靴選びは慎重です。足に合わない靴は、履く気がしなくなっちゃいますからね。
ぼくもネットで安く買ったスニーカーが、ちょっとサイズが小さくってきついんです。
でも勿体ないからって、足を一回り小さくしながら履いたりしています。
しかし長時間はとても無理です。
我が家の家訓
「安物の靴は買うな」でしす。
どうしても安い靴って○国産
信用出来ないし「靴ずれしやすく底面がすぐ剥がれる」
一番思い出すのが韓国旅行へ行った時に、どしゃ降りの雨で
靴の替えなんて持ってなかったので・・翌朝起きてビックリ⤴
国産じゃぁ~考えられない!靴底がベロン⤴ベロン⤴
韓国で「MADE IN JAPAN」靴買いました。
安心!安心!
韓国まで行って、「MADE IN JAPAN」の靴を買うなんて、落ち武者殿も豪気ですねぇ。
ぼくもインドの田舎町のバザールで、革製のサンダルを娘の土産にと買って帰ったのは良いものの、家についてサンダルを取り出してビックリ!
茶色の牛革のサンダルがなぜか青色に!
そうなんです!
サンダル全体を青カビが覆っちゃって大変でした。
❖ オーダーは憧れ ❖
私の足は 甲が低く厚みが無いので、日本のメーカーさんの靴では難しいですよ! と 何度か靴屋さんに言われた事かあるので、疲れない 包み込まれるようなぴったりな靴を履いてみたいな〜 と 思っていますが 、、、
お値段が 〰〰〰 •́ ‿ ,•̀
でも いつか いつか きっと
おしゃれしてお出かけできるうちに❣️
最近は ヒールの靴や革靴を履く事が少なくなり、靴擦れして バンドエイドを貼る事も無くなりました〜 ( ◜‿◝ )
写真のハイカットの茶色の靴はオカダさんのですよね ♥(◍•ᴗ•◍)❤
『おしゃれは足元から』ですよ ね〜
残念ながら写真にある、ハイカットの茶色の靴はぼくのじゃありません。
でも確かに『おしゃれは足元から』って言われますよねぇ。
それと『足元を見られる』とも。
だから靴は良いものを履けって、何処かの八卦見の方が仰ってました。
ぼくは万年スニーカーだから、これじゃあダメかぁ。
オーダーメイドの靴 憧れる〜( ◠‿◠ )
まるでシンデレラのガラスの靴を履いたかのように 幸せな気分になれそう♡
息子達が成人式の時 革靴を購入したけど それ以来 履く機会がなく…
お蔵入りになりそう(泣)
確かに靴って、その時のファッションによって、ずいぶん変わりますよね。
ぼくもそれほど革靴は持ってませんが、もちろん革靴を履く機会そのものが減っちゃってますから、箱に入ったまま眠りっぱなしですねぇ。
「天職一芸〜あの日のpoem 419」
「底付師」
自分の足にピッタリあう靴とは
なんとも贅沢ですね。
駅の近くに足にあう手作り靴屋さんがあったので帰りにながめてから帰ってました。
ぼくもそんな贅沢なオーダーシュースなんて、一度も履いたことがありません。
でもきっと履き心地は足に優しいんでしょうねぇ。
それにしても色んな職人さんがみえるものですねえ!それでこの社会が成り立っている、、、。
そうなんですって!
世の中自分の知らない事ばかり!
世の中の全てを知るなんて、神業としか考えられませんよねぇ。