「近江商人発祥地の日野町紀行③」

長閑な古い街並みを歩いてゆくと、ありましたありました!

この「近江日野商人館」です。

9月の下旬でしたが、先客はたったの3人。

「密」を案ずることも無く、見学させていただくことに!

すると玄関の上り框にはこんな下駄が!

何とその名も「用心下駄」とか。

そう言えば昔、新聞の連載「長良川母情」の取材でお邪魔したお宅にも、玄関口に身罷られたご主人が生前履いていらっしゃったという革靴が、こんな感じで置いてありました。

取材先のお宅は大きなお屋敷で、ご主人が身罷られた後、年老いた奥様だけの独り暮らし。

厄介なセールスとかがやって来た時に、独り暮らしと悟られないためにと、ご主人があたかも奥の間に居るかのように、革靴を置いていると仰っておられたのを思い出しました。

なるほどなるほど!

入り口ではこんな時代がかった金看板が、大仰に出迎えてくれます。

近江商人が商った物の一つは、こちらの400年以上の歴史を刻む「日野椀」とか。

当時の行商の輸送手段と言えば、馬か牛、それに人が担うしか手立てがありませんから、この日野椀や薬など、軽いものでなければ、とても全国各地を行脚できませんものね。

ここ近江の地は、さすがに漆器の八大産地の一つとのことで、非常に刳り物が盛んで、木地師さんたちが沢山いたそうです。

木地師さんたちは、刳り物の材料となる木を求め、全国各地へとここ近江から流れて行かれたとか。

以前「天職一芸」の取材でお逢いした、中津川市の生地師さんのご先祖様も、近江から良質な材木を求め中津川にたどり着いたと仰っていたのを思い出しました。

コロナ対策の施された帳場が、入館料をお支払いする場所です。

写真で見るとまるで蝋人形かと見紛うばかりのオジチャンが、優しい近江言葉で説明して下さいました。

貴族や武家の歴史館は煌びやかな物ですが、商人の歴史館はぼくのような庶民目線に非常に近いため、興味津々です!

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「近江商人発祥地の日野町紀行③」」への15件のフィードバック

  1. おはようございます。

    近江商人発祥地の日野町紀行③を、見ました。

    ・昔は、用心下駄を、玄関に置いて置いたのですね。独り暮らしと思われない様に、旦那さんの下駄(履き物 革靴)を、置いたのですね。私は、知りませんでした。勉強になりました。

    ・金看板色々有りますね。

    ・日野椀綺麗ですね。

  2. たまには自分にご褒美をあげなきゃね。いいお誕生日を過ごされましたなぁ⤴️

    1. なんせもうこの年ですから、バースデーケーキよりも、キリン一番搾りと近江ホルモン、そして人気の少ない町歩き!
      こんな贅沢なご褒美は、年に一度くらい許されてもいいですよねぇ。

  3. 400年以上の歴史の日野椀は 木のぬくもりも伝わってきそうです。
    伝統の継続は大変な事ですね。
    勉強になります。

    1. お椀ってやっぱり刳り物が一番手にしっくり来ますものねぇ。
      どんなにそっくりに出来ていても、プラスチックは・・・。

  4. 「用心下駄」わかるわ〜。
    中学生の頃 夜中に泥棒に入られて以来 とにかく怖がりになってしまい 玄関を出る時 誰もいないのに「行って来ま〜す」って言ってみたり セールスの電話があった時も「あっ!火を止めといて〜」って 恰も私以外の誰かがいるように言ったりして…(大笑)
    一人で外を歩く時も どこか張り詰めている私です(笑)

    1. ぼくは子どもの頃、毎朝ランドセルを背負って「行ってきま~す」と玄関を出る時、お母ちゃんから「男には7人の敵がいるから、気を付けるんだよ!」と言われ続けていたのを思い出しました。
      お母ちゃんはどこでそんな迷信を仕入れたものでしょう?
      もしかして「七人の侍」の焼き直しだったのでしょうか?

      1. オカダさん家のお母ちゃん凄いですね。うちでも「男には7人の敵がいる」そう聞かされた時は男の人は大変やなぁ〜と思いながら
        「今日もおらんかったよ」と報告している時がありましたよ。ドラマじゃないから怪しい人が怪しい服装で出てくるわけないですよね。

        12月1日は幸せの日だったのかなぁ〜
        アオちゃんベイビーさ〜ん
        12月ですよ。
        オカダさんに つんつん して聞いてみてくださいね。

        1. 12月1日が幸せの日???
          ツンツンされたら、くすぐったいじゃないですかぁ!

  5. なんだかゆっくりと安心して旅行気分を味わっています。とりあえず美容院にでも行きたくなって来ました。

    1. 美容院に行くだけでも、女性の方は気分がとっても解れるんでしょうね!

  6. 写真に写っているおじちゃん、この場にピッタリですね。僕も写真から察すると、このお方、蝋人形と言われても疑問を呈しません。能登川に仕事でよく行ってました。近江鉄道に揺られて行ってみたいです。

    1. 近江鉄道のあのなんとも言えぬゆっくり感と、車窓を横切る風景にも癒されますよねぇ。

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