今日の「天職人」は、三重県久居市の、「味噌蔵人」。
一斉下校のサヨナラ ぼくは畦道の先を競った 白い息 赤い頬 遠い日 土曜の昼下がり お帰りの声 茶の間から 母は七輪の土鍋を開けた オジヤの焦げ 味噌の香 在りし日 母の面影
三重県久居市の味噌傳(みそでん)こと、辻岡醸造に七代目蔵人、辻岡傳治(でんじ)さんを訪ねた。

味噌傳は、明和2(1765)年創業。末っ子として生を受けた傳治さんは、大学進学の夏に終戦を迎えた。本来七代目傳治を継承するはずの兄は、戦争の犠牲となって散った。傳治さんは大学を出ると、大蔵省の醸造試験所に学び、二十三歳になった昭和25(1950)年に帰郷。その前年には、味噌醤油の自由クーポン制が導入され、翌年には自由販売の時代へと激変する、戦後の混乱の渦中であった。
昭和27(1952)年、海山町出身の公子さんと見合いを終えると、六代目は安堵したように急逝。涙の乾く間もなく七代目傳治を襲名し、その年の暮れ所帯を持った。「まだ二十五歳の若造やったで、本当大変やったさ。でも一つだけええこともあったわ。代々傳治を名乗って来たで、印鑑変えんでええし、そのまま使こうたったんさ」と、傳治さんは懐かし気に振り返った。隣で八代目の孝明さんが目を細めた。孝明さんは三人の姉に囲まれて育ったこれまた末っ子。味噌蔵を守る住み込みの蔵人たちと共に、学生時代から仕込みを学んだ。「味噌は敏感やさ。樽の配置や風の通り、それに温度と湿度の具合によって微妙に違(ちご)てくるんさ」。

百年以上使い込まれた、四.六トンの味噌樽が所狭しと並ぶ蔵には、有線放送の艶歌が流れる。「ええ歌聴かせてやると、ええ味に育つんやさ」。傳治さんがボリュームを上げた。
「これ、お口に合いますやろか?」と、公子さんが熱い茶を入れなおし、傳治さんがお袋の味と絶賛する柚干(ゆべし)が供された。柚子皮と味噌の芳香、胡桃と胡麻が絶妙な食感を醸す。

大地の恵みたちが大自然の時を纏い、見事に紡ぎ合い、馥郁たる味わいを織り成し、口の中に弾けた。
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おはようございます。味噌屋さんのお話ですね。 昭和2年創業の老舗の味噌屋さんのですね。
私は、味噌好きです。
後を継ぐはずのお兄さんが戦争で、亡くなったから辻岡さん大変でしたね。
手作り味噌ですね。 色が赤味噌みたいですね。
お料理に使ったら美味しいでしょうね。
立派な味噌樽ですね。大事に使っていいるのですね。樽を、作る職人さんが必要ですね。
味噌に良い音楽を、聞かせると良いのですね。良い曲ってクラシック系の曲なのかな?穏やかな曲かな?
ゆべし美味しそうですね。
お味噌も樽も呼吸してますからね!
生き物…だから 職人さんも丁寧に接してるんでしょうね( ◠‿◠ )
艶歌を聴かせると「ええ味に育つんやさ」
確かに 牛やニワトリやビニールハウス栽培時などに音楽を聴かせると良い結果が出るらしいですから。
それにしても「柚干」惹かれます〜(笑)
柚子、味噌、胡桃、胡麻 私の大好きなものばかりなんだもん( ◠‿◠ )
お取り寄せしようかな⁈
ぼくがお邪魔したときは、お茶請けにお出しくださいましたが、熱々の炊き立てご飯のお供としても美味しい筈です!
味噌絡みと言う事で
そう言えば、最近「お前の唄は味噌が腐る」なんて事を言わなくなったような・・・
それに「音痴」とかも死語になったのか?言わなくなったような・・・
カラオケが普及したせいで、皆さんとても上手で
下手なアイドル歌手よりも上手いかも?
「オカダミノルのほろ酔いカラオケ大会」なんてのも面白いかも・・?
カラオケ大会、賛成賛成!
「オカダミノル *ほろ酔いカラオケ大会 」ですか ~ 私も 賛成 賛成 ♪♪♪
1年位前 岡崎の味噌蔵見学に行ってびっくりしたのは 味噌樽の上に1メートルくらい 20センチ位の石が見事に積まれていました
地震が来たらどうなるの? と 友達と話しながら見上げていました!
見学中に頂いたお味噌汁が 滅茶苦茶 美味しかったので 同じお味噌を買い 作ってみたんですが ??? 何でだろう?
何度作っても 同じ味にはなりませんでした ・・・(;´Д`)
寒い日は 酒粕と生姜を入れたお味噌を作りますよ (#^.^#)
岡崎の角久ですかねぇ。
あの味噌樽の上の石は、もう何百年と使われ続けているみたいですよね。
おはようございます。
オカダミノルほろ酔いカラオケ大会 私も賛成です。 カラオケ聞くのも良いですね。 私は、歌は音痴です。
私の姉の嫁ぎ先が、おじいさんの時代まで各務原で味噌とたまりを作っていました。
今でも味噌樽が有るんですよ。
義理のお兄さんは
「絶対にこれだけは売らない。」
と豪語しています。
だから、食事の味噌汁やたまり等の味は、かなり煩いですよ。
味噌蔵の中にも、味噌樽の中にも、そこにはその醸造元の菌が棲み続けているんじゃないでしょうか?