「天職一芸~あの日のPoem 8」

今日の「天職人」は、岐阜市の「鵜匠の家女将」。

金華の裾に 篝火ゆれた 天守を翳む 朧月       風折烏帽子 ホウホウと 手縄さばきに 鵜舟駆る    河畔に屈む 影一つ 浴衣姿の 洗い髪         線香花火 燃え尽きた 長良の夏を 愛(お)しむように

長良河畔の旅館、「鵜匠の家すぎ山」の女将を訪ねた。

長良には、宮内庁式部職に任ぜられた鵜匠が六名。これは誰もが知っている、鵜舟を駆る鵜匠だ。ところが実はもう一人、鵜舟には乗らない陸の上の式部職鵜匠がいた。それが女将の最愛のご主人だった。

女将は村上水軍の血を引く、瀬戸内の出身。瀬戸の花嫁さながらに、26歳の年に長良橋を渡り嫁いだ。しかしその七年後、最愛の夫が急逝。二人の幼子を抱え、長男が鵜匠を襲名するまでの間、細腕で陸の上の鵜匠の肩代わりを務めた。

「この川に今まで、どんだけ喜びや哀しみを流したやろか」。茜色に染まった川面を眺めながら、女将がことりと呟いた。

瀬戸内の海から長良川を遡上した女将。ぼくがお逢いした折は、岐阜訛りにもまだぎこちなさが残っていたのが、今でも印象的に思い返されます。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「天職一芸~あの日のPoem 8」」への26件のフィードバック

  1. こんなに近くにいるのに岐阜に来て40年近くになるのに一度も鵜飼いを観に行った事がないです。花火大会の時に遠くからかがり火を観るくらいですね。
    今年はオリンピックついでに海外の方々が多く見えるのではないでしょうか❓️
    一度、浴衣着て鵜飼い船に乗ってみたいものです。

    1. 浴衣姿で川面を渡る川風を感じて、冷酒をキュ~ッとなんて、最高ですよね。

  2. おはようございます。鵜飼屋(旅館)の女将さんのお話ですね。
    女将さんも色々苦労したのですね。
    鮎美味しそうですね。鵜飼の写真と夜景綺麗ですね。
    女将さんは、村上水軍の血を引く方 すごいですね。
    旅館すぎ山さん泊まって見たい宿ですね。写真とブログを、見てそう思いました。

  3. 私も去年、岐阜に住む父方の親戚と長良川へ鵜飼いを見に行きました。
    長良川から見る素敵な夜景と鮎料理は最高ですね

  4. こんにちは
    長良川を眺めての酔っ払いは心惹かれますね。
    私の鮎の塩焼きまで見てしまうとシーズン到来が待ち遠しくなってしまいます。

    すぎ山さんに是非、訪問させていただきたいと思います(≧∇≦)

    1. でも、そう言っちゃー何なんですが、ぼくの本当のお勧めは、長良川鵜飼ではなく、関市小瀬の小瀬鵜飼いです!
      岐阜市長良の鵜飼いは、鵜飼い観光船に乗った川面からも、街の灯りが五月蠅いほどあって、若干興醒めですが、小瀬鵜飼いは街灯りもほとんど無く、漆黒の闇の中を鵜匠が駆る鵜舟の篝火だけが頼りで、とても幽玄な世界観があります。
      観覧船乗り場のお隣の、鵜匠の宿「足立」は、第十七代目の式部職鵜匠の宿で、鮎尽くし三昧もお泊りも出来ますし、鵜飼いが終われば鵜匠が鳥屋へ案内してくれ、鵜の餌遣りも見学させていただけます。

      ぜひ、小瀬にもお出掛けになって見てください。

  5. 「この川に今まで、どんだけ喜びや哀しみを流したやろか…」
    女将さん、母親、妻、女性のいろんな想いや覚悟などを ほんの少しだけ想像することが出来ます。
    そして こういう方に出会って 私も成長したいなぁ〜と思いますね。
    小瀬鵜飼い…月明かりの下 かがり火の灯りだけが川面を漂う 
    華やかさではなく 素朴さが素敵なんでしょうね。遠い遠〜い昔の物語に想いを馳せるのも素敵かも⁈ ( ◠‿◠ )

  6. 岐阜市民生活65年でありながら
    お恥ずかしい話ですが、長良川鵜飼い小瀬鵜飼い見た事がありません!
    生誕65周年記念でいい機会だから、行ってみようかなぁ~!
    まぁ~!ハゲタカに間違えられても「鵜」には間違えられないでしょう!
    くっそぉ~~!

    1. それは非国民ならぬ、非岐阜民ですねぇ。
      ぜひ、姫とお二人で鵜飼いデビューして見て下さいな!

  7. 会社の接待で すぎ山さんに宿泊される方々と一緒に 宿の前から乗船し 鵜飼を観ながら すぎ山さんの料理で宴会をした事がありましたが、途中で焼きたての鮎の塩焼きが船内に届けられ、皆さん喜んでみえました (#^.^#)
    思いがけない お・も・て・な・し は嬉しいですよね ★☆★

    オカダさんオススメの小瀬鵜飼 女性の船頭さんがみえるんでしたよね?

    25日の ほろ酔いライブ again 楽しませて頂き ありがとうございました ♪

    ∴ お願いなんですが ∴
    あの時 初めて披露された 曲
    火曜日の夜のライブで 聴かせて頂けたら嬉しいです。
    よろしくお願いします m(__)m

    1. 小瀬鵜飼いは、女性船頭さんがいらっしゃるんでしたっけ?
      女性鵜匠なら小瀬ではなく、犬山にいらっしゃいますねぇ。

      新古曲「君とDancing!」、お楽しみにお待ちくださいね。

  8. 小瀬鵜飼は、情緒があっていいですね。
    若い頃の職場が関市でしたので、気の合う同僚達と仕事帰りに、お料理屋さんで、お弁当を作ってもらって乗りこみました。派手さはないですが、静かで、ゆかしい感じです。(表現が下手で、すみません。)
    オカダさん、なかなかの大通さんですね!さすが!!

    1. いえいえ、とんでもありません。
      通などとはおこがましいです。
      ただ長良の鵜飼いのように、鵜飼いを食い物にして、寄ってたかって俗化させてゆく、そんなエコノミックな鵜飼いの姿が、ちょっと切なく感じてしまっただけです。

  9. 高校2年の時、第九合唱団に入ったのをきっかけに、市民合唱団に誘われ入ったのはいいのですが、高校生は私だけ、あとはおじさんおばさんの合唱団でした。その時夏の合宿に小瀬に行き、鵜匠さんの宿に泊まりました。名前までは覚えていませんが、鵜を間近で見たのは初めてで、意外とでかい!という印象でした。
    鮎ってほんと、美味しいですよねー
    _:(´ཀ`」

  10. 小瀬鵜飼こそ神秘的だと思う
    あそこはまわり何もないから暗くて篝火がはえるかも
    って
    言っては行ったことない
    犬山は三回いったよ
    ことみちゃん
    結婚して産休していたけど去年復帰したとか…
    僕は犬山派
    たぶん岐阜もあるとおもうけど
    鵜飼い前に遊覧も値段に入り、船頭さんのアドリブがまたいい
    木曽節を披露してくれたり

  11. 小瀬鵜飼は我が家から車で数分走るだけで見に行けるんですよ。確かに!あそこは周りには灯が
    そんなにないので風情があっていいかと思いますよ。そんな私・・・小瀬鵜飼も岐阜の鵜飼もまだ
    舟から見た事がないので一回乗ってみたいですね~ 因みに小瀬鵜飼の鵜匠さんのお一人の方が
    私の高校1年生の時の担任の先生だったんです。怒ると凄く怖い先生でしたけどね~ 懐かし~!
    それと、25日の「ほろ酔いライヴAgain」最高でした!楽しい時間をありがとうございました!

    1. そりゃあ灯台下暗し!
      ミキちゃんがもう少し大きくなったら、ぜひ小瀬鵜飼いに連れて行ってあげたらどうですか?
      ほろ酔いLive Again!お世話になりました。

  12. 地元の友達に聞いたことがありますが・・・
    地元の人って鵜飼いをまともに見たことある人って少ないよって
    そういう私も 高山祭りは仕事で一回 古川祭りも仕事で一回・・・と
    灯台下暗し・・・です

    中々近すぎて行けないものなんですよね

    鵜匠のような妻に
    上手に操られている 鵜のもんたじゃなく
    飛騨もんたでした

    PS

    ほろ酔いLive Again ありがとうございました。
    又 頑張れます^^

    1. 遠路神岡から、ほろ酔いLive Again!にお越しいただき、ありがとうございました。
      世の奥様方は、飛騨もん太さんが仰る通り、見事な手縄さばきの名立たる名鵜匠さんに違いありませんよね。
      でもそれが、家庭円満の秘訣かもしれませんよ!

  13. 鵜飼は、長良川2回と、小瀬鵜飼1回行った事がありますが、やっぱりオカちゃんの言われるように小瀬鵜飼の方が好きですね。
    もう1度行ってみたいです。

    先日、ライブで歌われた歌、全部良かったです。
    「心の扉」が聞けて、最高。
    キリンビールも最高。

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