「天職一芸~あの日のPoem 7」

今日の「天職人」は、愛知県七宝町の、「七宝焼き釉挿し職人」。

一雨毎に 紅深めゆく 鎮守の森の 紫陽花よ      軒の戸板で 白透(しろす)けはぜた 梅雨の束の間 天日干し                         瑠璃玻璃瑪瑙(るりはりめのう) 七宝荘厳(しちほうしょうごん) 日がな一日 釉を挿す            尾張遠島 業人の里 貴(あて)やかなりし 紫紺釉(しこんゆう)

明治元(1868)年創業の、七宝焼き窯元に、丸喜軒四代目の釉挿し職人、林さんを訪ねた。

七宝焼きは分業制。極薄銅板を操る素地職人。極薄の銀線を植え込む、線付け職人。下絵の輪郭を模る、銀線と銀線の細かな隙間に、針ホセと言う錐(きり)の先が針のように細い道具で、極彩色の釉薬を挿す、釉挿し職人の手を経て、緻密な図柄が焼き付けられる。

写真は参考です。

「葉っぱ一枚にしたって、一枚一枚色が違う。陽にようあたるとこは、明るい緑だし、奥まったところは陰に隠れて黒ずんで見えるし」と、林さんが釉薬の入った引き出しを開けた。すると例えば緑一色とは言っても、黄葉、青葉、錆葉、萩葉、桜葉色と分かれている。それを釉挿し職人は、己が目を頼りに見事に使い分けるのだ。

仕上がりまでには約三か月。気の遠くなるような緻密な作業が、これでもかと言う程、繰り返されるのです。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「天職一芸~あの日のPoem 7」」への8件のフィードバック

  1. おはようございます。
    今日は、七宝焼き釉挿し職人の林さんの話ですね。
    七宝焼は、分業制だったのですね。知りませんでした。作品が完成する迄に、3ヶ月かかるのですね。時間がかかりますね。壺の絵柄細かくって繊細で綺麗ですね。
    確か学生の時に七宝焼を、作った事が、有ります。授業の時です。形は、丸か四角です。大きさは、小さい物です。銅板を、使っていました。記憶に有ります。

  2. おはよう御座います
    分業だとそれぞれ責任重大ですね。釉挿しの方も焼き上がりまでドキドキして見守っていたのでしょうか⁈

    七宝焼の分業制は心を繋いで形を現しだと作品なんですね。正に日本人の心、ここにあり!かと感じてしまいます。こういった心を繋ぐ文化や民族性がいつまでも続いて欲しいと願うばかりです。

    追伸
    この場をお借りして恐縮ですが、昨日はほろ酔いライブAGAINにさせていただきありがとうございました。オカダさん、スタッフの方々、本当にありがとうございます。
    ハートフルなオカダフリークの方々とも触れられて今も心地よく余韻を感じています。
    またの機会が訪れることを願うばかりです。

    1. 七宝焼きに限らず、日本の伝統産業の多くには、職人から職人へと、襷が繋がれる駅伝のような、技に技が覆いかぶさって、雪だるま式になって完成を見るものもおおいですよね。

      昨日はご来場、誠にありがとうございました。

  3. 日本古来の物は ひとりの職人さんがコツコツと仕上げていく作品もあれば 分業制みたいな様式で造られる作品もあるんですよね。
    でも これも結局 素地職人さんみたいに1つの物造りに特化された一人の職人さんの技であり 作品でもある…
    とにかく 何かに没頭して研究して作り上げる姿は 息を呑むぐらい惹かれますよね!
    写真の作品も もの凄く艶やかで奥行きが感じられて…
    「百人の天職一芸」に書かれてた ”生きているような艶かしい貴やかさを宿す”
    の表現がピッタリです!( ◠‿◠ )

    1. 同じ美しい美術品でも、その製作過程を知ると、よりその美しさにも深みが感じられるものですよね。

  4. あー、
    お疲れ様でした~
    ぼくはちょっとさがしものを求めて栄に行ってたから土曜日いけませんでした。すみません

    1月27日はぼくの誕生日
    遅かったかな~
    うなちゃんが土曜日楽しかったって言ってました
    恥ずかしがりやのわたしですがまた一年楽しみましょう

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