「いよいよ年が明ければ、幻想的なあの飛騨古川三寺まいりです!」

飛騨古川の白壁土蔵が立ち並ぶ瀬戸川沿いでは、1月15日の夜、着物姿の娘御達が列をなし、紅白の和蝋燭を燈し、一心に両の手を合わせ、良縁が訪れますようにと祈ります。

三寺まいりは、親鸞聖人の遺徳を偲び、町の中心部にある「円光寺」「真宗寺」「本光寺」の三つのお寺を巡りお参りをする習わしにちなみます。

明治・大正の頃。飛騨から野麦峠を越え信州へと、糸引きの出稼ぎに行っていた年頃の女工さんらも帰省し、1月15日の三寺まいりの夜、着飾っては巡拝されていたそうです。

この風物詩は、「嫁を見立ての三寺まいり」とまで、飛騨古川の小唄に唄われるほどの、飛騨地方の一大歳時記となりました。その小唄にもあるように、この三寺まいりがやがて若い男女の出会いの場となり、「縁結びのお参り」と言われるようになっていったそうです。

紅白の和蝋燭には、ちゃんと意味があるのです。まずは良縁を願い、その年は白い和蝋燭を燈し、三寺で良縁を祈ります。そしてその願いが叶い、良縁に恵まれたら翌年、紅い和蝋燭を燈し三寺を巡りお礼参りをするのです。

「千の和灯り」「千の祈り」「千の恋」。雪の降る瀬戸川沿いに灯る和蝋燭と、着物姿で一心に手を合わせる娘御達の姿は、威勢のいいお囃子や掛け声もない、静かな静かな「祈り」の祭典なのです。

そう言えばぼくは、これでも一応、肩書もメディアへの露出も、何もかも失いましたが、「飛騨市観光大使」を今でも拝命させていただいております。

飛騨市の都竹市長の粋な計らいに、心から感謝するばかりです。微力ながらいついつまでも、ぼくは「三寺まいり」を唄い続け、飛騨市の観光PRのお役に立ちたいと思っています。

ご奇特なファンの方からご提供いただいた、飛騨市観光大使の委嘱状を飛騨市の都竹市長さんから、受け取らせていただいた委嘱式のスナップショットです。

これが「飛騨市観光大使」を委嘱いただいた時の、記念のスナップです。

この後、三寺の一つでもあります「円光寺」さんの本堂をお借りし、ぼくの楽曲「三寺まいり」を披露させていただきました。

ご奇特なファンの方からご提供いただいた、ミニ・ライブのスナップショットです。

右側のギターリストは、飛騨古川町出身で今尚在住の、生粋の「古川やんちゃ」の倉野君です。倉野君と二人で、まったりと演奏したあの日を思い出します。

今日はまず、ぼく一人の弾き語りで、「三寺まいり」をお聴きください。

「三寺まいり」

詩・曲・歌/オカダ ミノル

瀬戸川に 明りが燈る  雪闇浮かぶ 白壁土蔵

 千の和灯り 千の恋  千の祈り 白い雪

飛騨古川 三寺まいり  娘御たちの 願い叶えや

瀬戸川に 灯篭流し  お七夜(しちや)様に 掌を合わす

  千の和灯り 千の恋  千の祈り 白い雪

寒の古川 三寺まいり  娘御たちに 縁紡げや

 嫁を見立ての 寺詣り  小唄も囃す 白い息

飛騨古川 三寺まいり  娘御たちの 願い届けや

雪の降る夜は、不思議な物でそれほど寒さを感じないから、不思議でなりません。

雪は穢れを覆い尽くし、人々の静かな祈りの声さえ消し去り、祈りや願いを吸い込んで天まで運んでくれるかの様でもあります。

全国各地の数ある祭礼の中でも、とても女性的な静かでしとやかな「三寺まいり」。

ぜひ一度は飛騨市古川町の「三寺まいり」を、ご自身の五感で感じて見て下さい。

続いては、バンドアレンジされたCDの音源で、「三寺まいり」をお聴きください。2コーラス後の半音転調してからの間奏は、トランペットの音が雪の夜を巧みに表現してくれていて、ぼくにとってもとてもお気に入りの1曲です。

★毎週「昭和の懐かしいあの逸品」をテーマに、昭和の懐かしい小物なんぞを取り上げ、そんな小物に関する思い出話やらをコメント欄に掲示いただき、そのコメントに感じ入るものがあった皆々様からも、自由にコメントを掲示していただくと言うものです。残念ながらさすがに、リクエスト曲をお掛けすることはもう出来ませんが…(笑)

今夜の「昭和の懐かしいあの逸品」は、「大掃除の特権~障子破り!」。ぼくが小学生の頃、年末の大掃除と言うと、何よりの楽しみがありました。それは「障子破り!」でした。大掃除の朝は、父が庭先で障子の張替えを始めるため、その直前に年に一度だけ、誰の目も気にせず、障子を思いっ切り破らせてもらえたのです。もうこれが愉しみで愉しみで!思いっ切り障子紙を拳骨で破ろうが、指先を舐めてTVの時代劇さながらに、女湯の障子に見立てて覗き穴を空けようが、一切お構いなし!普段だったらそれこそお母ちゃんが仁王立ちで待ち構え、こっぴどく怒られるのが相場でも、大掃除の日だけは「助かるわ」と逆に褒められる始末。まめだった父は、障子の張替えや襖の張替えなど、何でもかでも器用にこなしたと言うのに、倅のぼくは・・・トホホです。

今回はそんな、『大掃除の特権~障子破り!』に関する、皆様からの思い出話のコメント、お待ちしております。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「いよいよ年が明ければ、幻想的なあの飛騨古川三寺まいりです!」」への19件のフィードバック

  1. 今晩は。三寺まいりの由来が分かりやすく書いていますね。
    赤と白蝋燭意味が有るのですね。勉強になりました。
    貴重なスナップ(オカダミノルさんが飛騨市観光大使任命式の写真,円光寺のコンサートの写真)を、見せて頂き有難うございます。
    1月15日三寺まいりですね。私は、三寺まいりバスツアーは、行けるか分かりません。
    三寺まいり好きな曲です。歌詞が良いですね。曲を、聞くと三寺まいりのイメージが、出来ます。
    昨日12/23(月) 動画(三寺まいり 弾き語り)を、見ました。
    素晴らしかったです。 オカダミノルさんの弾き語り素敵でした。
    12/14(土)ほろ酔いlive大黒で、三寺まいりを、歌っている場面を、思い出しました。
    動画を、見れて良かったです。
    私は、嬉しいかったです。

    今日12/24(火)三寺まいりのCDの音源を、聞きました。 良かったです。ブログで、三寺まいりを、聞けるのは有難いです。

    トランペットの音で雪の夜を巧みに表現したのですね。

    「大掃除の特権 障子破り」
    私は、やった事有りません。
    考えて見ました。 記憶に、ないですね。
    親から掃除するから障子破って良いよって言われた事は、ないです。

  2. 「ほろ酔いライブin 大黒」でオカダさん手作りの「柚子ピール」が美味しかったので、作ってみました♪
    家の木になっている柚子15こを使いました★
    中の白い綿を取るのに少々手間がかかりました!
    オカダさんのレシピを参考にしながら作りました!
    出来上がった「柚子ピール」を家族に食べてもらいましたが、特に娘が「美味しい!食べだしたら止まらない!」と喜んでくれました★
    オカダさんのレシピに感謝です♪
    本当に、手作りって良いですね!
    子どものころ、障子の張り替えのお手伝いをしたことがありました。
    大人になってからは、四苦八苦して襖の張り替えをしました!
    最後に、たっぷりの霧吹きをしておくと綺麗に仕上がりました★

    1. そうでしたか!普通の柚子ですと、獅子柚子と違って沢山の分量が必要ですものね。
      美味しさのためには、手がかかるものですね。
      でもお嬢様の「美味しい」の一言で、それまでの労苦が報われますよね。

      障子や襖の張替えの後、霧吹きをすると、障子紙が乾きながらピーンと張り詰めてくれるんですものね。
      家のお父ちゃんは、襖ではなく障子でしたが、アルマイトの薬缶から口に含んだ水で、口を尖らせて霧吹きをしていたものです。、

  3. 冬の雪深いの中で幻想的で厳かな「さん寺参り」には1度は行って見たいですね。昔、昔に行っていたら良かったかな(笑)今年は雪、大丈夫かな?雪不足くが響かなければいいのですが。

    昭和の一品「障子破り」やりましたよ。私は年2回ほどできましたよ。盆と正月に。盆に張る障子の白は少し薄く紙が透けて絵柄が有ったような記憶が有ります。正月の障子は白の色が濃く紙に厚みが有ったような感じがしました。両親が旅立ち田舎の家も古くなり障子は張り替えられること無く黄色くなってますよ。

    1. やっぱり「三寺まいり」に雪は不可欠ですものねぇ。
      暖冬の雪不足と言われていますから、ちょっと心配です。

      そうですか!障子破り、盆暮れに出来たなんて、羨ましい!

  4. 雪の降る 静かな厳かな中 手を合わせる娘さん達のず〜っと後ろのほうでいいので 私も手を合わせたい心境です。
    良縁の意味合いが違いますけどね(笑)
    先日の決戦の日 私はある決断をした事を伝え 泣いてひたすら頭を下げ続け そして 決心は変わらない事を伝えました。翌日渋々認められました。
    その日の事がトラウマになってしまい 今は笑えなくなって涙しか…
    でも 前を向いて…
    「 願い 届けや ♪ 」

    1. あらあら、なにやら大変そうですね!
      願い続けることが、いつの日かの現実を引き寄せることになる気がします。

  5. 今は障子のある家庭は、少ないんでしょうね~。我が家の仏間は、今も障子に襖ですよ。毎年張替る事は出来ませんが、新しくなると、気持ち良いですよね。
    ぼちぼち掃除しながら、お正月の準備してま~す。

  6. この写真の円光寺でのライブ、バスツアーに参加して体験しました!岡田さんの正面、我々の背後にご本尊が鎮座されていましたね。酒蔵巡りや家具店での散策など盛りだくさんのバスツアーでした。次回のバスツアーに参加できないのがクヤシイ~!

    1. そうでしたそうでした!
      本物の多治見の高木さんの背後霊のように、ご本尊様が鎮座ましましておられましたね!
      また皆々様とご一緒に、どこかバスツアーと洒落込みましょう!

  7. 2018年 1月15日三寺まいりも雪の無い とっても暖かい日でしたね ♪
    オカダさんの飛騨市観光大使の任命式や巨大蝋燭への点火式にも参加させて頂いてから、もう2年が経つんですね (*^.^*)
    飛騨もんたさんのポン菓子との出会いもこの日でしたね ~ ∴
    イタリア~ンな味が私は大好きで、キリン一番搾りのお供には最高でした!

    昭和の一品 ※ 障子張り変え ※
    実家では毎年 年末に 沢山の張り替えをしていたので 私も姉と二人で キャーキャー言いながら 次つぎと破っていました。

    我が家でも 一昨年 私一人で 4枚 張り替えを初めて試みました
    息子家族が帰って来ると 和室にぎゅうぎゅうにお布団を敷いて川の字に 寝ているので 元気な孫が寝返りをした時に 穴が (・・;)
    張り替えには 丈夫な和紙にしたんですが、直ぐに穴があき あちこち 飾り紙で隠しています
    何時まで もつかしら 〰️〰️ (ノ_・,)

  8. こんばんは
    三寺参りありがとうございます^_^
    曲を聴き比べが出来るなんて贅沢なクリスマスプレゼントまでありがとうございます(^^)

    縁結び^ – ^
    素敵ですね。
    私は未だに独身なので三寺参りであやかりたいものです。

    障子破りは楽しかった思い出があります。
    何でも大切にしなきゃダメ!と言われ続けていた中での破壊は快感だった憶えがあります。
    今では、障子の張り替えが面倒になって障子破りにため息が出てしまいます。

    1. 家の障子は、大掃除の頃は、台所の油染みやら、父の煙草のヤニで黄ばんでいたのを思い出します。

  9. 大掃除の障子やぶりやりましたね~
    やりすぎて紙だけじゃなく中ざんまで折って
    大目玉!!!!!

    1. そうそう、障子の桟に挟まれた横子も竪子も細いから、そりゃ折れちゃいますよね。

  10. あーあ。
    三寺まいりの旅行に行きたかったな。
    泪泪泪

    障子貼りは、外へ障子を持って行き、お姉ちゃんと2人で破り、障子貼りも2人でお父さんの手伝いをしました。
    今はガラスばっかりでつまらないな。

    1. 障子って見えそうで見えないながら、ちゃんとお日様の日差しを届けてくれる、スグレモノでもありますね。

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