「TVクルーと皆でシェアディナー」

まずは、定番のフィッシュ&チップスです。これもスタンダードですが、盛り付け一つで随分お洒落になるものです。

20数年ぶりに南島の最南端から30kmほど海峡を渡った島「スチュワート・アイランド」で発見された、カカポの雌の雛鳥「HOKI(マオリ語で「復活」の意。全国の小学生からの公募で決まった名前です)」。ぼくは若鳥に成長したHokiと、北島と南島の間のクック海峡に浮かぶ、カカポリザーブである「モード・アイランド」のカカポリウムで、3度逢うことが出来たものですた。その時出逢ったのが、Hokiが雛鳥から大人になるまで、献身的に保護し続けていた保護官の「ギディオン・クリモ」でした。ギディオンとは一緒に、島内に仕掛けた天敵の罠をチェックしたり、モード・アイランドに放たれているHoki以外のカカポ達の、フィーディングステーションを巡り、ナッツを何粒食べたとか、ハチミツ入りの水をどれだけ飲んでいるか、またリンゴやクマラ(サツマイモ)を何切れ食べたかを、克明に記録して回る巡回に付き合ったものです。

ギディオンは田舎育ちで、子どもの頃からニュージーランド・ネイティブな鳥たちの保護官になりたいと、ボランティアでDepartment of Conservation(自然保護省)の様々な活動に参加していたそうです。そしてハイスクールを卒業すると、保護官として採用され、やがてカカポの救世主となるHokiの飼育担当となったのです。ある日ギディオンと他愛ない話をしていた時の事。田舎育ちだったので、ウエリントンやオークランドで、いつかフィッシュ&チップスを食べるのが、若い頃からの夢だったと照れ臭そうに笑った顔が、とても印象的でした。そんなピュアな男だからこそ、絶対に死なせてはならない、全国民が注目していたHokiの担当になれたことが、彼の最大の誇りでもあったのです。

たしかぼくの拙い記憶では、1992年に3羽生まれたカカポの雛の内、たった1羽だけ生き残り、その後多くの子を成し、目覚ましいカカポ復活劇の原動力となったのが、そのHokiです。

それから10年。Hokiの10歳の誕生日を祝い、首都ウエリントンでお祝いのパーティーが開催され、当時のNZヘレン・クラーク首相からギディオンに感謝状が贈られたそうです。

何だか以来、フィッシュ&チップスを目にすると、ギディオンの顔が浮かんでなりません。

これが若き日のぼくと、Hokiです。

続いては、NZ名産ムール貝の、白ワイン&ブルーチーズ蒸しです。ぼくはモード・アイランドに渡るためのハブロックの港にあった、「マッセルボーイ」と言うシーフードレストランで食べた味が忘れられず、これまでにもご奇特な方からいただいた、広島の岩ガキを殻ごと大鍋に入れ、1ℓ入りの安物白ワインを丸ごと使って、そこにブルーチーズを加えて、煮立てて食べたものです。これがまた白ワインにピッタリ!

こちらはシーフード・グラタン。これも美味しかったものです。

こちらはガーリックとブラックペッパーのシュリンプソテー。ヨーグルトマヨネーズ風味のディップソースが、これまた絶品でした!

お腹も一杯で外に出ると、こんな黄金色のTASOGAREでした!

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「TVクルーと皆でシェアディナー」」への7件のフィードバック

  1. おはようございます。
    (景色)黄昏綺麗ですね。(料理)シーフードグラタン,ムール貝のワイン蒸し,フィッシュチップス,ガーリックのソテー美味しそうですね。
    フィッシュ&チップス盛り付けで、お洒落に、見えますね。盛り付け綺麗ですね。
    カカポ(Hoki)可愛いですね。オカダミノルさんの若い時の写真が、見れて良かったです。私は、牡蠣 どんな調理(生,煮る,蒸す,焼く)方法しても苦手です。

  2. どれもこれも美味しそう!
    今度!「オカダミノルと行くグルメバスツアー」なんて良いなぁ~!
    でもってぇ
    黄昏時にはオカダさんのライブで「プッハァ~」だぁ!
    おぉ~っと!呑めんかったぁ!

  3. 保護官の優しい眼差し、Hoki の成長や若かりし頃の夢を語っている時の輝いている表情が目に浮かびます。
    続けていくことの大変さや難しさの中 きっと夢を原動力にして頑張ってこられたんでしょうね。
    そして それが認められたなんて…
    素敵!

    1. 素敵じゃないですか!
      ところがこの国だったら、ギディオンの献身的な保護活動を、国会議員や官僚たちが、まるで自分の手柄のようにする、そんな下賤な国になり果ててしまったのではないでしょうか?
      昨今のニュースが象徴している気がいたします。
      でもどこにも逃げ場がない以上、残念なこの国で暮らすしか、もはや選択しさえ失ってしまったのかも知れません。
      頑張れ!ギディオン!永遠に!

  4. こんにちは
    どれもこれも美味しそうで垂涎してしまいます。
    オカダさんの料理の腕のルーツの一部になっているのでしょうか。

    カカポは今もギディオンに守られているのでしょうか。
    優しいギディオンに守られたカカポもきっと優しいことだと夢想してしまいます。

    1. ギディオンとはしばらく音信が途絶えてしまっていますが、彼の事ですからきっと今でもどこかの、カカポ専用の島で保護活動を続けていると思います。

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