「君を手に入れるなら」

あの名作映画、「卒業」はご覧になられましたか?

ダスティン・ホフマン扮するベンジャミンと、キャサリン・ロスの扮する幼馴染エレーン。

言わずと知れたラストシーンは、エレーンと別の男が結婚式を挙げる教会。

エレーンと新郎が、誓いの口づけを交わした場面でベンジャミンが叫ぶ。

「エレーン、エレーン!」。

ベンジャミンへの愛の方が、本物だと気づいたエレーンは、それに答える。

「ベーンッ!」。

エレーンに向かって走るベンジャミンを、阻止しようとするエレーンの両親。

しかし二人は、手に手を取り合って教会を飛び出し、バスへとに飛び乗る。

1968年の封切りですので、ぼくはまだ小学生。ですからリアルタイムで、映画を見たわけではありません。しかし思春期のぼくらは、先輩や友人から聞く「卒業」のラストシーンに、恋も愛も知らぬくせに心震わせた記憶があります。

実際にTVか映画館でのリバイバルで「卒業」を観れたのは、もっと大人になってからだった気がいたします。

しかし「卒業」は、当時のぼくらにとって、大人の恋や愛のバイブルであったことには間違いがありません。

そんな背景があったのでしょう。ぼくの恋心の奥底には、いつもこの曲「君を手に入れるなら」に描いたような、そんな想いが満ち溢れていたようです。

この曲は、CD化されておりませんので、ぼくの拙いギターの弾き語りでお聴きください。

「君を手に入れるなら」

詩・曲・唄/オカダ ミノル

君を手に入れるなら この命の他には

すべてを失っても いいとさえ思ってる心から

君はこれまで生きた この町捨てれば

二度と戻れないと泣いて 立ち止まり振り向く

 気が済むまで 泣き通せばいい 最後の 泪涸れるまで

 そして二人 明日を生きよう 互いに 心を結い上げ

 この世に 確かなものなど どこにも無いはずだから

 ぼくは君を 君はぼくを 決して見失わずに

両手で握れるのは 小さなお結び一つ

だから幸せだって 欲張れば掴み切れないさ

君となら大丈夫 この世の果てまで

一つを二人で分け合い 支え合い生き抜こう

 出逢う時が 遅過ぎたのは 最後の 神様の仕業

 ならば二人 残り時間は 片時も 無駄には出来ない

 たとえ一秒たりとも 君の瞳を見詰め

 君に語り続けるだろう この命の限り

 出逢う時は 遅過ぎたけど 取り戻そう 君と二人して

 だから二人 残り時間を 互いに 足し合えばいいさ

 この世に 確かなものなど どこにも無いはずだけど

 ぼくは君を 君はぼくを 決して見失わずに

 君を手に入れるなら この命の他には

すべてを失っても いいとさえ思ってる心から

1986~7年の年の瀬。初めて一人で、成田空港からユナイテッド・エアでニューヨークに向かった時の事。

搭乗口の辺りで搭乗手続きが始まり、ファーストクラスのパッセンジャーから順に搭乗が始まった時のことです。

ジーンズにラフなシャツ姿の、小柄な男性が目に入ったのです!それはなんと、「卒業」でベンジャミンを演じた、あのダスティン・ホフマンではないですか!

サングラスもせず帽子も被らず、スクリーンで観たそのままの気取らない姿で!

本当に本当に興奮したものです。周りの方々も気付いていたのでしょうが、取り分け騒ぎ立てることも無く、みんな大人の対応でした。

機内ですれ違わないだろうかとも思いはしましたが、彼はファースト、ぼくはエコノミーでしたから、住む世界が違い過ぎました。

ジョン・F・ケネディ空港のターンテーブルで、もう一度ご尊顔を拝せはしないものかとも思いましたが、彼らファーストクラスの方の荷物は、当然プライオリティー・タグが付いていますから、ぼくがエコノミー席からやっとのことターンテーブルに辿り着いた頃には、とっくの昔に空港を出て行かれた後ですから、残念無念!でも、いい想い出になりました!

★毎週「昭和の懐かしいあの逸品」をテーマに、昭和の懐かしい小物なんぞを取り上げ、そんな小物に関する思い出話やらをコメント欄に掲示いただき、そのコメントに感じ入るものがあった皆々様からも、自由にコメントを掲示していただくと言うものです。残念ながらさすがに、リクエスト曲をお掛けすることはもう出来ませんが…(笑)

今夜の「昭和の懐かしいあの逸品」は、「継ぎ接ぎだらけの手編みの手袋」。ぼくの子供の頃は、そんなに簡単に手袋など買ってもらえず、お父ちゃんやお母ちゃんの穴の開いたセーターを解いて、それを継ぎ足し継ぎ足ししながら、母が夜なべ仕事で編んでくれた手編みの手袋でした。しかも五本指の開いた立派なものではなく、首から一本の毛糸で吊るす「ミトン」タイプのものでした。おまけに継ぎ足した毛糸ですから、左右対称ではなく、色も違えば太さもまちまち。それでも、顔に近付けると、お父ちゃんやお母ちゃんの匂いがするようで、心までポッカポカになった覚えがあります。皆さんは、いかがでしたか?初めての手袋って?

今回はそんな、『継ぎ接ぎだらけの手編みの手袋』に関する、皆様からの思い出話のコメント、お待ちしております。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「君を手に入れるなら」」への16件のフィードバック

  1. 今晩は。
    私は、名作映画「卒業」見ていません。
    オカダミノルさん 空港でダスティン・ホフマンを、見たのですね。(ダスティン・ホフマンを、見れて良かったですね。)良い偶然ですね。
    昨日12/9(月)動画(君を手に入れるなら 弾き語り)を、見ました。
    弾き語り良かったです。私は、動画を、見れて嬉しかったです。
    君を手に入れるなら 歌詞が良いですね。良い曲ですね。
    私は、継ぎ接ぎだらけの手編み手袋は、親から作って貰った事有りません。
    初めての手袋は、店(ホームセンター等)で、買って貰った手袋ですね。

  2. 手編みのミトン 息子がお腹にいる時に編みました ☆
    5月生まれなので 毛糸ではなかったんですが ホワイトとレモンイエロー のしましま模様 (*^_^*)

    一番初めの手編みのミトンは 中学生の時 姉に教えて貰いながら、自分用に 薄いピンクの毛糸で作りましたが 左右形の違う いびつなミトンでした 〰️
    (´д`|||)

    その後何度も何度も練習して 当時付き合っていた男子にも編んだような ~ (*^ー^)ノ♪

    1. 左右非対称なミトン!可愛いじゃないですか!
      ハートさんは編み棒を毛糸に絡め、ずっと彼の事を考えながら編んでおられたんでしょうね!
      素敵な青春の一ページですねぇ。

  3. オカダさんは、若いころから外国へ行ったりして、海外の文化などをいろいろと吸収されてきて、生きかたがおしゃれですね★
    それに、お料理も発想がユニークで、おしゃれです!
    そんな風に、なかなか思いつかないです。
    「君を手に入れるなら」は、ゆったりとした曲調ですが、歌詞は力強く引き付けられます。
    手袋は、作ってもらってないですが、母が手編みで編んでくれたものは、赤い模様入りのマフラー、腹巻き、ベレー帽、カーディガン、襟にリボンにして結べるボンボンがついた白いセーターなどがあります。
    一部のものは、宝物としてしまってあります。
    「ほろ酔いライブin 大黒」まで残り4日となりました。
    オカダさんの弾き語りが聴けるのが楽しみです!

    1. お母様は編み物や手芸がお得意だったんですねぇ。
      今も宝物に大切にお持ちでいらっしゃるのも、とっても素敵ですねぇ。
      ぼくも娘が小学生の頃、見よう見真似で編んでくれた、小さく細いマフラーを宝物にしまってあります。
      編み物って、編んだ方の匂いがするようで、良いものですね。
      Liveでお目に掛かれますことを、愉しみにしております。

  4. 「両手で握れるのは小さなお結び一つだけ~h」そうですね。両手の中にある今の幸せにな想いに感謝ですね。フフフ(#^.^#)
    昭和の……お母ちゃんが編んでくれましたよ。糸が古いし弱いから次の時季までもたなくて何回か毛糸の色が替わりました。雪遊びで冷たくなってなかなか乾かないけど一つしかないのでその手袋もって又、次の日も遊びに行ったものでした。
    そんなお母ちゃん見てたからなのか編み物大好きになり、プレゼント作ったり、自分に作ったり楽しんでます。

    1. ヒロちゃんのお母様も手袋編んでくれましたか!
      お母ちゃんの温もりが感じられ、冷たさなんてなんのその!でしたよね。

  5. 大人の恋や愛についてのバイブル…
    おませさんだったというより 元々ロマンチストなんですね⁈
    『君を手に入れるなら』
    曲調も歌詞もしっとり大人…
    やっぱりロマンチストですよ(笑)
    ♪ ぼくは君を 君はぼくを 決して見失わずに♪
    この歌詞好きなんですよね〜
    昨夜は この曲を聴きながら囁かれながら 夢の中…だったみたいです( ◠‿◠ )

    1. 「君を手に入れるなら」をそんな風にお聴きいただけ、こそばゆい限りですが、嬉しいお言葉、ありがとうございます。

  6. 映画「卒業」大好きな映画です!結婚式場から扉に十字架で鍵をかけてバスに飛び乗った二人が最後に見せた真剣な表情は「さあ、これからどうしようか?」という気持ちだったのかも知れませんが、その後を描かないのもまたイイですよね。続編不可能な映画!S&Gの名曲も場面を彩っていました。

  7. こんにちは
    「君を手に入れるなら」アップありがとうございます。
    歌詞にあるような直向き想いに憧れてしまいます。
    映画「卒業」は見たことあるような無いような曖昧な記憶ですがタイトルだけはしっかりと私の頭には存在しています。

    お題の手編みの手袋は手にしたことはないです。手編みだと小学生の頃に手編みのマフラーを貰って恥ずかしくて母にあげてしまいました。
    小学生の頃は私、モテモテだったのです(//∇//)

    1. まあ、何と言う事!
      女子からプレゼントされたマフラーを、よりにもよってお母様に差し上げちゃいましたか・・・。

  8. おはようございます。
    私の祖母は、父の靴下を、継ぎ接ぎしていました。(色違いの生地を、使っていました。)
    勿体ないって考えで、やっていたかも知れません。
    手袋じゃなくってすいません。
    私は、継ぎ接ぎした靴下を、見た事有ります。

  9. 手袋の思い出は、お母さんが5本指の手袋を毛糸で編んでくれた事です。
    その手袋をはめて、毎日雪合戦して遊びました。
    手袋を落として無くさないよう、左右の手袋が紐で繋げてありました。

    いよいよライブが間近になってきましたね。
    私も毎日ドキドキしています。

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