「金糸雀」

弾き語り「金糸雀」

金糸雀(かなりあ)

詩・曲・歌/オカダ ミノル

枯葉の散る音に気付き 目覚めた朝は涙曇り

あなたはまだ夢の続きの中 こっそり抜け出すわたしを許してね

  わたしは金糸雀あなたの心の 隙間から今飛び立つの

   忘れないわあなたのこと もう誰をも愛さない

小さなクラブPianoにもたれ 唄うわたしを無理に連れ出し

「やめろ君にこんな暮らし 似合わない」といきなり抱き寄せた

  あなたはやすらぐ時を与えて かわりに唄を取り上げた

  わたしは金糸雀幸せな暮らしの 隙間から今飛び立つの

  わたしは金糸雀恋など語れぬ 小さく哀れな唄うたい

  愛されても応えることさえ 出来ないわたしは金糸雀

まずは、ぼくの拙い弾き語りの「金糸雀」をお聴きいただきました。

続いては、CDの「金糸雀」をお聴きいただければ幸です

上のPlayで再生できない場合は、青い文字の「金糸雀」をクリック願います。

昭和の昔のクラブやスナックには、店の中に白いグランドピアノとかが置かれ、先生と呼ばれるピアニストの方の演奏で、ジャズの歌姫とかが、気怠そうにグラスを片手に、歌ってくれていたものです。

そんなぼくにとっては憧れのような光景を、歌姫を主人公に描いた作品、それが「金糸雀」です。

あるプロダクションに籍を置いていた頃、この「金糸雀」のデモ・レコーディングをしたことがありました。

今を遡る40年ほど前の事です。

当時のレコーディング機材は、もちろんアナログ時代ですから、アンペックスの24chレコーダーに収録していただいた覚えがあります。とは言え、当時としては、アンペックスの24chレコーダーと言えば、ライブ・レコーディングなどでも使われるほど、高価なものでした。なんせ24chのテープの幅が、4.5cmくらいもあった気がしています。

ところで今日は10月の8日。来週の15日は、岐阜県関市の「小瀬鵜飼い」の鵜飼い締めの日です。

小瀬鵜飼い「足立陽一郎鵜匠」

もう随分昔から、大変懇意にさせていただいている、岐阜県関市の小瀬鵜飼い、鵜匠の足立陽一郎さんと、そのお母様である「鵜の家 足立」の女将。

今年も天候不順の大雨もあり、小瀬の鵜飼いもさぞや大変だったのではないかと思います。

古の伝統漁法を今も連綿と守る鵜飼い。昭和の昔には、サバほどの大きさのある鮎も揚がったとか。岐阜には長良川の観光鵜飼いもありますが、ぼくは川の周りにネオンサインやビルやマンションの灯りが溢れる、長良川の観光鵜飼いよりも、漆黒の闇に鵜舟の篝火が川面に揺れる、幽玄とした小瀬鵜飼いの方が、断然に好きです。鵜匠も3人しかおらず、観覧船の数も少ないため、より時代絵巻の中から浮き出たような、風折烏帽子(かざおれえぼし)に腰蓑(こしみの)姿の鵜匠の姿に、瞬きすら忘れ食い入るように見入ってしまう程です。

間もなく鵜飼い締めを迎える10月中旬ともなれば、川面を渡る風もひんやりとして、観覧船の中で熱燗をゆっくりと傾けて見たいものです。

篝火に驚いた鮎を鵜が今まさに狙っています。

漆黒の闇の中、篝火に照らし出される鵜匠の手縄(たなわ)捌きには、目を見張るものがあります。

これは鵜籠です。

鵜匠が鳥屋(とや)から鵜舟まで、漁に連れ出す鵜をこの鵜籠に入れ、運んでゆくものです。

この鵜籠。良く見ると真ん中に間仕切りがされています。この間仕切りを境に、2羽ずつ計4羽が一度に運べるものです。ところがその2羽ずつのペアリングが、鵜匠の大切な大切な仕事でもあるのです。鵜を見誤ってうっかり別のペアを片側の間仕切りの中にいれてしまうと、鵜は鋭い嘴で突き合い殺してしまうこともあるそうです。ですから鵜匠は、何十羽もいる鵜の顔形を記憶し、さらにどの鵜とどの鵜をペアに組ませるかを、日頃から観察しなくてはならないのです。これは必ずしも雌雄と言う組み合わせだけではなく、共に行動させるに相応しい相方を選別するのです。鵜匠は、その鵜と鵜の相方を「ひと語らい」と呼びます。間仕切りの中に入れられた2羽の鵜は、まるで語らい合うかのように、互いに小声で鳴交わすからだそうです。

漁の後水浴びをして、羽繕いをする鵜。

鵜匠は、自らの漁の相方を務める鵜を、誰よりも知り尽くし、互いの信頼関係の上に、手縄を捌くものなのだと、ひどくその「ひと語らい」と言う、鵜匠ならではの呼び方に感心したものです。

またのんびりと小瀬鵜飼いに出向き、川面を揺蕩う船の上で、風流と洒落込んでみたいものです。

★Happy Birthday(まさこさん、豆キャットさん)

★ここで新企画のご提案です。深夜放送では、毎週特集のテーマを決めて、昔話の思い出話をメッセージとしてお書きいただき、リクエストいただいておりましたが、今ではそうはまいりません。

そこで毎週「昭和の懐かしいあの逸品」をテーマに、昭和の懐かしい小物なんぞを取り上げ、そんな小物に関する思い出話やらをコメント欄に掲示いただき、そのコメントに感じ入るものがあった皆々様からも、自由にコメントを掲示していただくと言うものです。残念ながらさすがに、リクエスト曲をお掛けすることはもう出来ませんが…(笑)

今週の「昭和の懐かしいあの逸品」は、「一升瓶入り濃縮ジュース」。台所の流し台の下の棚に、一升瓶に入った濃縮ジュースのアップルやオレンジなんてぇのがあったものです。ところがお母ちゃんが作ってくれると、シャビッシャビ。お母ちゃんの居ぬ間に、濃縮ジュースの原液を思いっきり濃くして、盗み呑んだ思い出があります。しかし敵もさるもの。どうも原液の減りが早いと感づいたのか、お母ちゃんはジュースを作った後、原液の残りの量が分かるように、一升瓶にマジックで線を引いていたものです。『一升瓶入り濃縮ジュース』に関する皆様からの思い出話のコメント、お待ちしております。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「金糸雀」」への18件のフィードバック

  1. 今晩は。
    金糸雀好きな歌です。金糸雀は、憧れの歌姫を主人公にして書いたのですね。
    昔の音楽の録音は、大変ですね。テープとレコーダー等道具を沢山使ってやっていたのですね。多重録音とは違うのですか?
    私は、一升瓶入り濃縮ジュース知りませんでした。(分かりません。)カルピスの原液みたいに、薄めて飲むのかな?市販の紙パックに入っている濃縮ジュースや駄菓子屋さんにあったジュースの味の粉とは違うのですか?。味が濃いのですか?
    今日10/8(火)が関市の小瀬鵜飼の日なんですね。10/15鵜飼締めなのですね。 夜の鵜飼良いですね。綺麗ですね。私は、鵜飼を実際に見た事有りません。

  2. 今晩は。まさこさん,豆キャットさんお誕生日おめでとうございます。オカダミノルさんの動画(ユーチューブ)誕生日と金糸雀を、見ました。動画(ユーチューブ)を、見れて嬉しいかったです(良かったです)。オカダミノルさん元気で良かったです。CDの音源版の金糸雀も聞きました。
    オカダミノルさんの歌を、聞けて良かったです。 有難うございました。

  3. 小瀬鵜飼い…
    観覧船の中で熱燗を傾けながらなんて 風流ですよね〜。まるで タイムスリップしたかのよう…
    伝統を受け継いでいくからこそ いつの時代にも出会う事が出来る。心から尊敬してしまいます。
    鵜の2羽ずつのペアリングに興味が湧きました。日頃からの観察…まして相性までなんて。でも 出会った2羽の鵜の語らい ちょっぴり聴いてみたいものです。

    さて 「昭和の懐かしいあの逸品」ですが 「一升瓶入りのジュース」我が家には無かったような気がします。瓶に入ったカルピスならありました。我が家も薄めて飲んでましたね。時々こっそり台所に行って 原液を入れて 味を濃〜くして満足気に飲んでたのを思い出しました(^。^)
    懐かし〜い

    ps. ♪ 金糸雀 まったり うっとり 聴かせていただきました。やっぱり素敵です❣️

    1. 「ひと語らい」の話を聞いて、「そうだよな。鵜だって人間同様、合う合わないってことがあるんだ」と、妙に納得させられた思いがしたものです。
      どんな生き物にもある、当然の感情何だと・・・。そりゃあそうですよね。

      化粧っ気の無い、スッピンの「金糸雀」でしたが、ありがとうございます。

  4. 久しぶりに金糸雀を聴きました。お気に入りの曲がありそれを中心にオカダさんの曲を聴いていました。こんど静かなところでゆっくり「金糸雀」聴き直します。写メは見ないので悪しから(((^^;)

  5. わたしゃ~岐阜に生まれて64年になりますが、恥ずかしながら、尾瀬鵜飼、長良川鵜飼、
    一度も舟に乗船して見た事が有りません。
    車で橋を渡る時にチラッと、遠巻きに観ましたが、そんなの観たとは言いませんねぇ!
    それでも、本物の岐阜県民か!岐阜市民か!と!誰かに?「ツッコ」まれそうです。
    「一升瓶の濃縮ジュース」
    私も夢ちゃんと一緒で「カルピス」しか覚えがないです。
    カルピスと言えば当時のコマーシャルで「カルピスは初恋の味~♪」なんて流れてましたけど・・・
    初恋と書いて「淡い恋」ロマンチックやなぁ~
    あ~~ぁ!あの日に帰りたい!

    1. ええっ?
      ぼくよりも、もう少しキャリアのある昭和人のくせに、一升瓶入り濃縮ジュースをご存知ありませんですか?
      ぼくの子供の頃に過ごした地域だけだったのかなあ?

  6. オカチャンこんにちわ。
    昨晩から何度も金糸雀聴かせていただいてます。歌姫が居るクラブや、ピアノが有るのバーなんかは行ったこと無いもんですから凄く憧れが、今でも有るんですけどね。
    紅の豚のジーナみたいな感じですか?
    オカチャンのオススメの店があるなら教えて下さい。
    鵜飼いですが、長良川の観光鵜飼いしか行ったことないです。確かにあの明るい所での鵜飼いでは、…のような感じでもういいかなと思いましたね。
    さて今日のテーマ
    濃縮ジュース
    これは、子供の頃は無かったように思いますが、ビンのカルピスなら確かに原液を多めに入れて、少し飲んでは水をたし、飲んでましたね(笑)
    後、駄菓子屋で粉のジュースを勝手水で溶かして飲んでましたよ!
    本日は東京なんですよね。良い出会いがあると信じてます

    1. 一度機会があれば、ぜひ小瀬鵜飼いもご堪能あれ!
      「これぞ鵜飼いだ!」と唸ってしまうと思います。

      濃縮ジュースは、たけちゃんの世代には、もう姿を消していたのでしょうね。
      駄菓子屋の粉末ジュースは、粉末をそのまま口に放り込み、唾で溶かして口中グチュグチュにして、舌を真っから染めた覚えがありました。

      東京は、それなりに大変良い「お出逢い」がありました。

  7. 金糸雀(カナリア)♪
    オカダさんのオリジナル曲、みんな好きだけど
    金糸雀♪は特に大好き♡
    あたしの心もウットリ

    1. でたな!
      この「落ち武者」!って、なんだかこのフレーズも久しぶりです(笑)

  8. 私も去年の9月に長良川の鵜飼いを見に行きました。
    長良川は水が綺麗だから屋形船から見る景色は最高ですね。

    1. そうでしたか!
      次回機会があれば、ぜひ関の小瀬鵜飼いにもお出掛けください!
      これまた長良川観光鵜飼いとは、一味も二味も異なって見える筈ですから。

  9. 今週は動画のアップに続きカナリアのCDの音源が入りオカダさんのブログもパワーアップしてきましたね。以前のラジオの深夜番組をコンパクトにしたようです。小瀬鵜飼いについても闇夜の篝火の写真も美しく添えられ語りも凄いと感心します
    旅をされ石割桜からパワーをもらわれ、オカダさんからみなぎる力を感じます!

    1. いやーっ、ただただ照れ臭い限りです。
      が、有難いお言葉に、ただただ感謝です!

  10. こんばんは。小瀬鵜飼・・・私の家から車で10分足らずのところで、鵜飼開きの日には花火があがるので我が家のベランダから見えるんです(勿論小さくですけどね)それで、鵜匠さんの中のお一人
    の方が私が高校の時の担任の先生だったんです。日体大出で怒ると凄く怖い先生でしたね(笑)そんな近くに住みながらまだ小瀬鵜飼ってゆっくり見た事がないんです~

    1. そんなもので、近いとついつい後回しにしてしまうってことありますあります。

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