7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.46

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

「みんな、動かないで!」。

透き通るような声が岬の突端に響き渡った。

ほんの束の間、場の緊張感がほぐれていった。

二本足で立ち上りかけた熊は、前足をゆっくりと地面に下ろした。

写真は参考

今にも裕也と基喜に飛び掛ろうとしていた、トラの後足の筋肉も緊張を和らげた。

「こっ、木乃葉!なっ、なんでお前・・・」。

基喜が目を白黒させながら叫んだ。

「みんな、大きな声を出しちゃ駄目!この子達はサーカス団の猛獣なの。だから嚇かしたりしなければきっと大丈夫」。

「多分この子達は、お腹を空かしておるんじゃよ。ようし、ようし、おとなしくするんじゃぞ。今、何か食い物を探してやるからのう」。

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「おじいちゃん、そう言えばコンチャンあんパン持ってた」。

木乃葉はバックパックから、大急ぎであんパンを取り出した。

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「おじいちゃんは、トラさんに。コンチャンは熊さんに」。

木乃葉と老人は、熊とトラを刺激しないようにゆっくりと一歩ずつ近付いて行った。

そして二人は、ゆっくりと片手であんパンを差し出し、熊とトラの鼻先に向かって弓なりに放った。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.45

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

※昨日は突然PCのご機嫌が悪くなり、アップ出来ませんでした。

ガルルッ、ガルルルルルーッ

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熊は牙を剥き出しにし、鼻先に皺を寄せながら威嚇を始めた。

そして実に器用に二本足で立ち上がろうとしている。

写真は参考

「おっ、お兄ちゃん。あっ、あっちで何かが光った!」。

裕也の背中にしがみ付いていた基喜が叫んだ。

ガルルルゥー、ガルルルゥー、ガサガサガサッ

「エエッ?」。

慌てて裕也が振り返った。

後ろの薮から猫の目のように光る二つの光が、瞬時に飛び出してきた。

ガルルルゥー、ガルルルゥー

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「ウッワーッ!とっ、父さんどうしよう!こっちからは、ト、トラが・・・!」。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.44

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

ガサガサガサッ

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薮を切り開く音が聞え、モッくんパパが息を切らせて戻って来た。

熊が美代の顔をペロペロと舐め続けている。

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モッくんパパは、目の前の状況が全く飲み込めず、呆然と立ち尽くした。

「ギィヤーッ!くっ、熊だーッ!」。

モッくんパパの大声に、美代は尻餅をついて振り返った。

裕也と基喜が、薮の中から立ち上がった。

とっさにモッくんパパは美代に駆け寄り抱き上げた。

「とっ、父さん。はっ、早く逃げて!」。

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四つん這いの熊の真正面に、立ちはだかる格好で立ち尽したモッくんパパと、熊の背後から大声を上げた裕也の声は、熊を極度に刺激してしまう結果となった。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.43

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

「あれれっ?キャハ?可愛いッ!どうしてこんな所に、こんな大きな熊さんのぬいぐるみさんがあるんでしゅか?」。

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美代は興味津々で、しゃがみ込んだまま熊の正面に向き直った。

「パパーッ!熊さんのぬいぐるみ見ちゅけたじょー!」。

美代は薮の中に向かって奇声を上げた。

「何だか生きてるみたいでしゅねぇ。アレッ!」。

四つん這いの姿勢の熊が一歩前に進み出た。熊の長い舌が、美代の頬に伸びた。

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「アレレーッ!熊さんがミオのホッペ舐め舐めしたよ!キャハーッ、くすぐったいじょー」。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.42

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

ギィーコ、ギィーコ、ギィーコ

バッターン

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ギィー ィー ィー コ・・・

「ねえ、パパ」。

「シーッ」。

「大きいニイチャンもモトキも、どこに隠れちゃったんでしゅか」。

写真は参考

「この薮の中かもしれないなあ。ちょっと美代ちゃんはここで待っててね。パパが薮の奥まで行って見てくるから」。

「ウン、平気。ミオここで待ってる」。

美代はその場にしゃがみ込み、薮の中に入って行くパパの姿を見送った。

黒く大きな影が、美代の直ぐ真後ろへと忍び寄っていた。

ガルル、ガルル

写真は参考

「あれっ?」。

美代は後ろを振り返った。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.41

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

「大きいニイチャーン、モトキーッ」。

「こらっ美代。そんな大きな声出したら、裕也と基喜にばれちゃうでしょう。シーッ」。

モッくんパパと美代の声が、軋み音と唸り声のする二つの方向とは全く違う方向から聞こえてきた。

「ってことは・・・父さんがバイクに乗ってたんじゃない」。

「じゃあお兄ちゃん、あの唸り声も父さんじゃ・・・ない」。

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裕也と基喜は、思わず不気味そうに、顔を見つめあったまま身動きが出来なくなってしまった。

ギィーコ、ギィーコ、ギィーコ

参考

軋み音は、裕也と基喜が潜む茂みの手前で進行方向を変えた。

「バイクが父さんの声のする方に回った」。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.40

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

ギィーコ、ギィーコ、ギィーコ

「あっあの音」。

ギィーコ、ギィーコ、ギィーコ

「オレのバイク」。

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基喜が呟いた。

「そうか、父さんもう酔っ払ってたから、歩いて探すのが面倒で、お前のマウンテンバイクに乗ってんだぜ」。

裕也は自信たっぷりに基喜に告げた。

ガルルルゥー、ガルルルゥー

ガルルルゥー、ガルルルゥー

写真は参考

「なっ、なんだあの声」。

裕也はバイクの音とは反対を向いてつぶやいた。

「どうせ父さんがオレ達を、驚かせようと思って唸ってんだろう」。

「ば、馬鹿。父さんはバイクに乗ってんだろう。だったら唸り声とは反対のあっちじゃないか」。

ギィーコ、ギィーコ、ギィーコ

ガルルルゥー、ガルルルゥー

バイクのチェーンの軋み音と、不気味な唸り声が徐々に二人に近づいて来た。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.39

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

ガサガサ、ガサガサ、ザザザザザーッ

「ウッ・・・」。

岬の突端。

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立入禁止の柵を乗り越えた茂みに、身を潜めていた裕也が小さな声を漏らし、大きな身体をさらに畳み込んだ。

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既に鬼役のモッくんパパと美代が、間近に迫っていると裕也は感じた。

「シーッ!」。

茂みの草の間から、基喜が顔を覗かせた。

「なっ、なんだ基喜か・・・」。

「エヘヘ。びっくりした?」。

「馬鹿野郎!脅かすなよ」。

「エヘヘ。鬼に見付かったかと思った?」。

「うるせえ。お前こそなんでこっちに来んだ、もっと別の場所に隠れろよ!ほらっ、さっさとあっちへ行けよ!」。

「だってオレは、最初っからここに隠れるつもりだったんだもん。それなのにお兄ちゃんがここへ来ちゃったんじゃんか」。

「あっ、そうか。とかなんとか言っちゃって、本当はお前、怖くてしょうがないんだ。それで俺の後、付いて来たんだろう」。

「へっ、ちがうわいッ」。

「怖いなら怖いって正直に言ったらどうだ。そしたらここに匿ってやったっていいんだぜ」。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.38

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

「あっ、お巡りさん。あなたご家族は?」。

パトカーに向かおうとした警察官の背中に向かって、パパは言葉を投げかけた。

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「わ、わし?」。

「ええ」。

「家はかかあと、子らは上が男で下が女、それにじいさんの5人や」。

「だったらこの私の気持ちも、わかっていただけますよね」。

「・・・もしわしがあんたで、娘が岬へ・・・だったら・・・。あんたと同じ事ゆうたやろな」。

そう言い残すと、警察官は道路を封鎖して止まるパトカーに乗り込んだ。

「一応わしも職務ですからゆうときますが、署の確認を取るまで、危険ですんでこっから先へは進まんといてな。一応、ご協力のお願いはしときましたんでな・・・」。

警察官は徐にハンドルに手をかけた。

「どうもこの場所は無線の状態が良くないんで、電波の届きそうな場所へ移動しますわ」。

パトカーの運転席の窓から身を乗り出してそう告げ、警察官はパトカーのアクセルに足を掛けた。

「ああそれから、それから。余分なことかも知れんけど、さっき言い忘れてもうたが・・・。ここいらには、わし一人しか警官おりませんで、・・・まあ後は、よろしゅうたのみますわ」。

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パトカーはタイヤを軋ませながら、岬と逆方向に向かって走り去った。

「ねぇ、パパ。あのお巡りさんが言ってたこと、あれどういう意味?」。

「こういうことさ!」。

「エエッ!」 。

パパの車もタイヤを軋ませ、岬へと続く一本道を突き進んで行った。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.37

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

「あれっ、検問だ」。

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「なんで?こんな山の中の一本道で」。

「何か大事件でも・・・」。

「ちょっとあなた。それよそれッ!明日の朝刊に載るはずの?」。

フロントガラスの正面で回転するパトカーの赤色灯が、パパとママの不安を一層かきたてた。

「すんませんなあ。こっから先は、通行止めなんさ!」。

パパが運転席の窓を開けると、中年の警察官の声が飛び込んできた。

「なっ、なにかあったんですか?」。

不安げにパパが尋ねた。

「なんでもなあ、サーカス団の熊と虎が、移動中に脱走しよったみたいで、この先の岬の方へ逃げ込んでしまったようなんさ。それで今し、岬に続くこの道を封鎖して、猛獣の捕獲にあたることになったんさ」。

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「娘が、娘が岬のキャンプ場に向かったんです。何とか、何とかここを通していただけませんか?」。

ママが運転席に身を乗り出す格好で警察官に迫った。

「そう言われてもなあ。この先は非情に危険やしなあ・・・。それにさ、道路封鎖は県警からの命令なんさ・・・わし一人の一存では・・・ちょっと、なんぼなんでもなあ・・・」。

警察官はしどろもどろと口篭った。

「じゃあ、何とか県警に確認を取って下さい。お願いします。大至急!娘の、一人娘の大切な命が掛かってるんです!」。

パパは車から降りて警察官に向かって深々と頭を下げ続けた。

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「困ったなあ・・・。じゃあ、ちょっと無線で署に指示を仰ぎますんで、そこで待っとってもらえますやろか」。

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