7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.59 最終話

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」無事に終了いたしました。誠にありがとうございました。

「ねぇモッくん。モッくんのおじいちゃんやおばあちゃんは?」。

「パパの方のおじいちゃんもおばあちゃんももう死んじゃたから、ママの方にしかいないよ」。

「ねぇモッくん。死んだおじいちゃんやおばあちゃんってさあ、モッくんに逢いに来たことある?」。

写真は参考

「なんだよ急に変なこと言い出しやがって」。

「ねぇねぇまじめに答えて」。

「うーん・・・そうだなあ、そう言われて見れば、ケンカで負けそうになった時なんか『おじいちゃん、おばあちゃん助けて!』って心の中で叫んだことあるけど、・・・そうするとなんか不思議に、急に強くなった気がするんだよなあ」。

「ふーん」。

「で、なんなんだよ」。

「ううん。ちょっと聞いて見たかっただけ」。

「変な奴だなあ、お前って」。

「あのさあモッくん、明日の事ってやっぱりわかっちゃいけないんだね。わからないから『ああ明日どんな日なんだろう。早く明日が来ないかなあ。明日が待ち遠しいなあ』って思えるんだね」。

写真は参考

「あーあなんだか、わっけわかんねぇなお前って」。

「いいの、いいの。わけわかんない方が、いいことだってこの世にはちゃんとあるってこと!」。

「あーあ、あったまいってぇー!」。

(完)

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.58

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」無事に終了いたしました。誠にありがとうございました。

「木乃葉、これっ」。

「エエッ?・・・モッくん、これってもしかしてカブトじゃん。・・・エエッいいの?」。

写真は参考

「だってこの前、約束しただろう」。

「うっ、うん」。

大人たちの酔っ払った笑い声が遠くに聞こえる。

キャンプ場の外れの芝生の上で、木乃葉も基喜も大の字になって空を見上げた。

写真は参考

さっきまでの雷雲は遠く北の空に移動し、満天の星たちが辺り一面に広がっている。

「でもさあ、なんでお前ここまで来たんだ?しかもたった一人でだろう?オレびっくりしたよ。さっき」。

「エッ、一人?」。

「ああ。さっきお前『動かないで』って突然現われるんだもん」。

『じゃあ、モッくんにはおじいちゃんの姿は見えなかったんだ・・・』

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.57

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」無事に終了いたしました。誠にありがとうございました。

「お手柄だったんだって?コンチャン」。

「あれっ?パパ、ママ?でも・・・どうしてここに?」。

「パパとママも、コンチャンと一緒に、モッくんたちのキャンプの仲間に入れてもらおうと思って」。

「なんだかさっきから騒がしくって眠れないんだけど・・・ねえ、パパ?なんかあったの?」。

モッくんママがボサボサヘアーで眠そうにやって来た。

参考

「なにをのん気な。お前何にも知らなかったのかよ!」。

美代を肩車したモッくんパパが大声で笑った。

「そ、それに・・・なんでコンチャン家のみんなまでここにいるのよ?」。

「まあそんなことどうだっていいじゃないか!さあ、もう一度今から、キャンプファイヤーの宴会をやりなおすぞ!おおいっ基喜、ビールだビール!」。

写真は参考

モッくんパパは大声でまくし立てた。

「おおいっモトキ!ビールだビール!ワーイワーイ、コンチャンとイッチョニキャンプ(・)イヤーだじょう!」。

写真は参考

肩車の美代もパパを真似奇声を発した。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.56

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」無事に終了いたしました。誠にありがとうございました。

砦岬キャンプ場の入口は、深夜とは思えぬほど騒然としていた。

赤色灯を回転させる警察車両や救急車、それに猛獣の応急処置に駆け付けた獣医の車。

写真は参考

「木乃葉ちゃん、さっきはありがとう」。

麻美がサーカス団のトラックの窓から、木乃葉に手を差し出した。木乃葉も真新しい包帯の巻かれた腕を上げ、握手に応えた。

写真は参考

「今度ティグの赤ちゃんが生まれたら、連絡するから絶対見に来いよな」。

卓磨も木乃葉に別れを告げた。

「うん、絶対!」。

「本当に木乃葉ちゃんの勇気に感謝だよ。テディもティグも、今日から木乃葉ちゃんのお友達だからね」。

満は木乃葉に向かって手を振った。

「ほっ、本当?」。

「本当よ!だつて命の恩人なんだもの」。

写真は参考

麻美の頬を涙がつたった。

サーカス団のトラックは、真っ赤なテールライトを左右にゆったりと揺らしながら、闇の向こう側へと消えて行った。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.55

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」無事に終了いたしました。誠にありがとうございました。

「あれっ?おじいちゃん・・・」。

木乃葉は一瞬白い煙を上げた、崖っぷちの老木を見詰めた。

写真は参考

さっきまでその場所にいたはずの老人の姿が消えていた。

「ああっ、ゴモラン」。

老人が姿を消した草むらには、ポーチに取り付けられていたぬいぐるみのキーホルダーだけが転がっていた。

『よくやったぞ、コンチャン!なかなか、立派じゃった。熊もトラも、わしら人間も、この世に生を受けた者たちの、命の重さはみんな一緒なんじゃ。わしはもう帰らねばならん。またいつか、コンチャンに逢いにいくからのう』

写真は参考

木乃葉がゴモランを握り締めると、どこからともなく老人の声が聞こえた。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.54

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」無事に終了いたしました。誠にありがとうございました。

ピカッ!バリバリバリッ!

ドッカーン!

写真は参考

「うわっ、つ、ついに落ちたぞ!」。

「ねぇ、パパあそこよ!ほらっ」。

写真は参考

砦岬キャンプ場の突端の老木から、白い煙が立ち昇って闇夜の彼方へと消えて行った。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.53

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」無事に終了いたしました。誠にありがとうございました。

強面の刑事の拳銃の先から、わずかに煙が立ち昇った。

写真は参考

「南無阿弥陀仏!」。

老人は天を仰いで何やら一言呟いた。

ヘリの上空を覆っていた雷雲から、轟音と共に稲妻が走った。

ピカッ!バリバリバリッ!

写真は参考

ドッカーン!

「キャーッ!」。

写真は参考

強面の刑事の拳銃から発せられた弾丸は、稲妻の逆鱗に触れたように打ち据えられ、熊の直前で砕け散った。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.52

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」無事に終了いたしました。誠にありがとうございました。

「待って!もうこれ以上撃たないで!」。

木乃葉は、両腕を真っ直ぐ水平に伸ばし両足を開き、「大」の人文字のような格好で、狙撃班の銃口の前に立ちはだかった。

写真は参考

「コンチャンの腕の傷は、ママにお薬塗ってもらえば、直ぐに治っちゃうよ。でも、熊さんやトラさんの心にできた傷は、もう治らなくなっちゃうんだよ。もう人間のこと、誰も信じられなくなっちゃうんだよ」。

ライフルの銃口が下げられた。

木乃葉の前にもう一つの影が立ちはだかった。

「お願いです。どうか熊のテディもトラのティグも助けてやってください。トラのティグのお腹には、赤ちゃんがいるんです。ですから、どうか命だけは!」。

写真は参考

麻美は狙撃班の前にひざま付いた。

「そうか!熊のテディは、トラのティグのお腹に赤ちゃんがいるって知ってたんだ。だからあんパンだって自分は食べないでティグにあげてたんだ」。

「大」の字の状態で立ちはだかる木乃葉の真横に、熊が仁王立ちのまま歩を進めてきた。

写真は参考

パンパーン

乾いた銃声がヘリのエンジン音を切り裂いた。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.51

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」無事に終了いたしました。誠にありがとうございました。

その瞬間、木乃葉は老人を庇おうと、熊が振り下ろす右前足をかいくぐり、腹部目掛けて突進した。

熊は右前足を振り下ろしながら、バランスを崩しヨロヨロと一歩後退。

しかし熊の前足の長く鋭い爪は、腹部に体当たりしたあと、背中を丸めてうずくまる木乃葉の二の腕をかすめた。

写真は参考

サーチライトが鮮血に染まる木乃葉の腕を映し出した。

写真は参考

パンパン、パン

強面の刑事が、熊とトラに向かって拳銃の引き金を3回引いた。

写真は参考

2発の弾は外れた。

しかし残りの1発が熊の右後足を貫通した。

グッグゥワーツ

熊とトラは怒りの矛先を刑事に向けた。

再び仁王立ちになった熊は、トラを背後に従える状態で向きを変え、鮮血を流しながら強面の刑事に向かってノッシノッシと歩き始めた。

写真は参考

狙撃班のライフルが、一斉に熊へと照準を向けた。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

ありがとうございました!おかげ様で感謝感謝の「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」となりました。

昨日は清々しい天気で、とても気持ちよく3年ぶりにLiveを開催させていただくことが出来ました。

まずはご来場いただいた皆々様に、心より感謝を申し上げると共に、KIRIN BEER PRESENT’Sと冠して特別協賛を賜りました、KIRIN BEER岐阜支店様に心よりの御礼をこのブログ上ではありますが申し上げます。

岐阜の皆様は元より、神戸や長野そして愛知からも足をお運びいただきましたこと、心より感謝感謝ばかりです。

途中、「ふたりの長良川」では、レコーディングエンジニアの和田さんが飛び入りで、ボサノバギターリストとして参加下さり、華を添えていただけました。

本当に皆々様のお力添えあっての物種、3年ぶりの感無量なLiveとなりました。

そして会場をご提供くださいました「C♭」さんにも、並々ならぬお世話をお掛けしてしまいましたが、マスターが「また近い内にぜひやりましょう」と言って下さいましたので、お調子者のぼくとしてはマスターのお言葉に甘えて、そう遠くはない日に再度Liveを開きたいと思っています。

今回諸事情でお目に掛ることの出来なかった皆々様にも、再びお逢いしたいと思っております。

どうかそれまで今しばしお待ちください。

本当に本当に、何から何までありがとうございました。

                             オカダ ミノル拝

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。