「ギヤマンの欠片(かけら)」No.16

「ボーッと黄昏れてんじゃねぇよ~っ!中高年癒しの楽園ラジオ」7月4日(火)からFM WATCH 78.5MHz 毎週火曜日15:00~16:00で始まります‼(※詳しくは、6月19日のブログをご覧ください)

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まずはぼくの楽曲「花筏」をお聴きいただきつつ、物語の世界をお訪ねいただければこの上なく幸せです。

「ギヤマンの欠片(かけら)」No.16

高遠藩江戸上屋敷の廊下には、血相を変えおろおろと慌てふためく惣兵衛がいた。

写真は参考

奥座敷から一部屋ずつ障子戸を開け放ち、中を確認して次の間へと移って行く。

「おお、定安。そっちはどうじゃった?」

中間部屋から馳せ戻った定安に、惣兵衛が問うた。

「父上、やはりどこにも若君の姿は見当たりませぬ。もしかするとまた市中へ、一人で出掛けられたのでは?」

「仮にそうであったにせよ、若君お一人でいったい何処へ?」

惣兵衛と定安の元へと、老いた中間が駆け寄って来た。

参考資料

「恐れながら申し上げます。先程使いから戻ります時、不忍池の辺を通りました。そこで若様そっくりな町人を見かけまして。でも、七つ八つの娘子も一緒でしたので、まさか若様とは思いもよらず…。それにしても良く似ているお方だなあと、そう思って戻って参りました。すると定安様が、若のお姿が見えぬと、慌てておいででしたので、もしやと思い…」

中間は惣兵衛の前で、申し訳なさ気に何度も頭を下げた。

参考

「定安、早う着替えじゃ。直ちに不忍池へ参るぞ!」

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.15

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.15

「して、佐渡のお山の組頭から、例の荷は届いたのか?」

参考資料

信州伊那谷の高遠城に近い役宅で、城代家老の高崎兵部は、盆栽の松の枝に剪定鋏を入れながら、傍らに寄り添う勘定奉行の西部頼近に囁いた。

写真は参考

「昨日、三峰川(ほとり)の細工小屋へと、滞りなく運び入れましてござります」

写真は参考

「大義であった。だが、くれぐれも家中の者どもには、気取(けど)られるではないぞ」

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.14

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.14

「いったい何処へ雲隠れしちまったのか、生きているやら、それとも死んじまっているのやら…」

写真は参考

志乃は辰吉が、姿をくらました経緯を、涙ながらに訴えた。

「それからですよ。この子が言葉も、声までも失っちまったのは…。でもそれがたった今、初めてお坊ちゃまに向かって、クスリと声を上げて笑ったんです」

志乃は、溢れる涙を拭おうともせず、喜八郎を見詰め、何度も何度も頭を下げた。

「番頭さん、ようござんしょう。そのギヤマン、確かにお引き受けいたします。きっとこのお藤だって『おっかさん。このギヤマン、何とか元通りにして上げよう』って、そう心の中で叫んでる気がします」

写真は参考

そう言って志乃が見やると、お藤も嬉しそうな顔で、何度も何度もうなづいた。

お藤の父親の失踪に、己が屋敷の何かが絡んでいるとでもいうのか。

いずれにせよ何事かがあって、親子が離れ離れになったのだ。

(いたいけ)気なお藤の姿を目の当たりにし、喜八郎は己に何が出来るであろうと思った。

何事も無ければ、言葉を失うことも無かったはずのお藤が、喜八郎にはどうにも不憫でならなかった。

生まれてこの方、安穏と生きて来た己に比ぶれば、まだ幼子のお藤が、どんなに辛い想いであったことか。

喜八郎は生まれてこの方、一度たりとも抱いたことのない、お藤への不思議な感情に弄ばれている気がした。

写真は参考

ふとお藤に目をやると、愉しげに次から次へと、ギヤマンの欠片を手にしては、大きな眼を見開き、まるで欠片一つ一つの声に、耳を傾けているようでもあった。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.13

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.13

お藤の膝頭の前には、ギヤマンの欠片が既に五片ほど繋ぎ合わされていた。

小さな欠片同士が、寸分の狂いも無く、隣り合わせに並んでいる。

写真は参考

「その隣は、この欠片ではないか?」

喜八郎はお藤の脇に坐し、幾つかの欠片の中から、一欠片を摘み上げ、お藤の目線の先へと翳した。

写真は参考

お藤は畳から目を上げ、喜八郎を見詰めながら、ニコリと微笑んだ。

そして喜八郎に、欠片を宛がうよう目で促す。

「なんと。わたしには、ぴたりと合わさるようにしか、見えぬというのに…。しかしどう向きを変えてみたところで、合わぬものは…合わぬか……」

喜八郎が手こずる姿を見詰め、お藤がクスリと声を上げて笑った。

写真は参考

「お藤!お前、今…」

志乃は急に、咽ぶように泣き崩れた。

「この子は不憫な子でございましてな…。今年の桜が咲き始めた頃、うちの人が高遠藩の江戸上屋敷に、絵皿をお届けに上がったんですよ。ですがね、そしたらそれっきり、パッタリ戻らなくなっちまって…」

喜八郎は思わず絶句し、惣兵衛と定安の顔を窺った。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.12

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.12

「こ、これは!」

志乃は、純白の絹織物の上に広がる、バラバラに砕け散ったギヤマンを見詰め、思わず息を潜めた。

傍らのお藤は、身を乗り出すように、西日を浴び様々な色の光を放つ、ギヤマンの美しさに、魅入られた様に呆然と眺めている。

写真は参考

二人にとっては、それが初めて目にするギヤマンだった。

怪しく(なま)めく光が、お藤の顔に照り返り、煌めいている。

「私は深川の船宿、信濃屋の番頭で惣兵衛と申します。こちらは喜八郎お坊ちゃまで、これは手代の定安にございます。当家にとってこのギヤマンは、初代が遺された家宝でござりました。何とか金接ぎで、元通りとまでは行かぬまでも、元の姿に近付けては、もらえませぬか」

写真は参考

様々な色の光を放つギヤマンの欠片を、お藤は愛おしそうに手に取り、無言のまま語りかけているかのようだ。

「こんな大層な代物を、お預かりしましても…。それにここまで砕けちまっちゃあ、とてもあたしの手には、負えそうにゃありませんって」

志乃はギヤマンの欠片を見詰めたまま、重い溜め息を吐いた。

「たとえ御代がいかほどになろうが、仕上がりまで、どれだけの時を要したとしても。何とかそこを曲げて、お引き受け下さらぬか」

惣兵衛は、志乃の正面へとにじり寄り、今にも額を畳に、擦り付けんばかりだ。

「爺、あれを!」

喜八郎の声の先へと、惣兵衛は目を這わせた。

写真は参考

「ああっ!」

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「それにしてもあの子は、たいそうな腕前じゃのう」

参考

突然子らの人垣の向こうから、しわがれた声がした。

「爺、あの娘か?」

参考

傍らで喜八郎が、惣兵衛に小声で尋ねた。

「こやつが、市中の噂話を聞きつけまして。神田明神町の辺に、欠片合わせの神童がいるという、子どもたちの噂話を。どうせ子供騙しであろうとは思いましたが、今や藁をも縋る想いでもあります故、何より一度我が目で確かめるべきかと、若君をお連れした次第にござります」

惣兵衛の傍らで定安がうなづいた。

参考

「江戸中の金接ぎ師が、悉く姿を消してしまっている以上、いっそ最後の頼みに、あの娘にこれを託してみてはいかがでござりましょう」

お藤を取り囲む子らの背越しで、惣兵衛が喜八郎に耳打ちした。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.10

今日これから、約4年振りとなる飛騨古川へと参ります。7月4日からスタートする新番組の打ち合わせと、都竹市長様とお逢いするためです。ワイドビューの車窓から4年振りの飛騨路を満喫して来ようと思っています。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.10

辰吉が姿を消して早七カ月。

葉を落とした川原の柳が、本格的な冬の到来を告げていた。

土手で遊ぶ、童らの笑い声が聞こえる。

参考資料

土手の土を板切れで掘り返し、(かわ)(らけ)探しに夢中になっているのだ。

その中に、お藤ら少女の姿もあった。

「お藤ちゃんったら、ほんとに凄いわ!だってもう三つ目よ」

少女たちはお藤を取り囲み、土器の欠片をいとも簡単に繋ぎ合わせてゆく、その巧みな手つきを、不思議そうな顔で見つめている。

写真は参考

少年たちまでもが何事かと覗き込み、お藤の手つきの器用さに、舌を巻いているようだ。

「かなわねぇな、お藤にゃ。なあ、どうしたらそんな具合に、上手いこと欠片と欠片を繋ぎ合わせられんだ」

一番年嵩のいった童が、寡黙にせっせと手を動かす、お藤に向かって尋ねた。

写真は参考

「って、言ってみたって、お藤は答えちゃくれねぇもんな」

童らは互いに顔を見合わせた。

「しょうがないじゃない。だってお藤ちゃんは、あの日からずっと、言葉を失っちゃってるんだもの」

お藤の傍らで、さっきから一番親身になって、世話を焼いているお千代が、ことりとつぶやいた。

お藤と同じ長屋に住むお千代は、幼い頃から姉妹同様に育った仲だ。

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番組直通メールは、785@fm-watch.jp

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もちろんパーソナリティーは、このぼくオカダミノルが務めさせていただきます。

主なコーナーは、『飛騨市Weekend Info』『これがワッチの自分遺産やぁ!』『オカダミノルの癒しの楽園Song』『Showa folk 癒しの名曲リクエストコーナー』です。

まず『飛騨市Weekend Info』では、飛騨市観光プロモーション大使でもあるこのぼくオカダミノルが、飛騨市の方々と電話を繋ぎ、週末の「飛騨市Weekend Info」を紹介。

きつね火まつり

週末のイベント情報やら、そのイベントに携わる市民の横顔、そして飛騨市のソウルフードから特産品情報など、一味違う飛騨市情報をお届けいたします。

起こし太鼓
三寺まいり

続いての『これがワッチの自分遺産やぁ!』は、番組をお聴きの中高年のリスナーさんが、これまで歩んでこられた人生の中で見付け出した「自分遺産」を自慢していただくコーナーです。

まさに自分が自分のために遺したい自分遺産でも、ご家族や友人に遺したいと思われている自分遺産でもなんでもごされ。

7月4日初回放送でお話しするぼくの自分遺産の母子手帳です。

例えば「これまでの人生の中で決して忘れられない思い出」や、「子どもの頃から肌身離さず持ち続けている宝物」、「最愛のペット」やら「未だ忘れられない在りし日の母の言葉」や、「奇跡のような出来事」まで、リスナーさんの自慢噺をご紹介。

7月4日初回放送でお話しするぼくの自分遺産の母子手帳です。

そしてもちろん、リスナーさんからのリクエスト曲も受け付けちゃいます。

そして次の『オカダミノルの癒しの楽園Song』は、リスナーさんからのお便りをご紹介しつつ、ぼくのオリジナル曲の中から毎週1曲お聴きいただきます。

もちろんリスナーさんからのリクエストも大歓迎です。

最後のコーナーは、『 Showa folk癒しの名曲リクエストコーナー』です。

番組をお聴きの中高年のリスナーさんが、青春真っただ中だったそんな頃を大いに振り返っていただこうというコーナーです。

写真は参考

未だどうしても忘れられず、心の中にズッシリと残っている、そんな思い出深い昭和時代のフォークソングや、ニューミュージックなんて呼ばれていた頃の名曲リクエストをお寄せいただき、当時のリスナーさんのエピソードを交えながらご紹介してまいります。

現在、7月4日の番組スタートに合わせ、皆々様からのメッセージやリクエストを大募集中です。

メッセージやリクエストの宛先は、785@fm-watch.jpです。

皆々様のお力添えで盛り上げていただけ、皆々様にお楽しみいただける番組がお届けできるよう、頑張りすぎずに楽しみながら頑張ろうと思います。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.9

いよいよ明日6月19日(月)のブログで、ぼくから緊急発表があります!是非ともご覧くださいネ‼まぁ、それほどの仰天ニュースじゃないですが(汗)

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仕舞屋が並ぶ、鴬谷の稲荷長屋。

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障子戸には、切子細工と書かれている。

写真は参考

石室惣兵衛が総領の定安は、商家の手代の(なり)で、割れたギヤマンの入った桐箱を抱え、心なしか肩を落とすように、切子細工の職人宅を後にした。

写真は参考

「若君、やはり切子職人には、割れたギヤマンを修復することなど、所詮無理なようでござりまするなあ」

木枯らしに揺れる枯れ柳の下で、寒そうに佇む喜八郎と惣兵衛の元へと駆け寄り、定安は事の次第を告げた。

写真は参考

三人はここ半年近く、商人に身をやつし屋敷を抜け出しては、割れたギヤマンの修復を手掛けてくれる職人探しにやっきになっていた。

「これで江戸市中で、腕利きとされる切子職人や金接ぎ師には、すべて当たりを付けたこととなりまするなあ。残すは、神田明神町の金接ぎ師一軒だけが頼り」

惣兵衛は胸元に忍ばせた、一枚の紙片を広げ溜め息を漏らした。

参考資料

「だがそれとて、あてにはならぬ。何せ腕利きと呼ばれる金接ぎ職人は、どうしたものか皆一様に、この江戸から忽然と姿を消してしまったと言うではないか。それはいったい何故じゃ」

喜八郎が不思議そうに両名に問うた。

「若君。実はそれがしも、その件がどうにもひっかかっておりまして、いま手の者に探らせておるところです」

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.8

6月19日(月)のブログで、ぼくから緊急発表があります!是非ともご覧くださいネ‼

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「なぁに、お届け物もこの通り、無事のようだ。ご隠居さんがこうも深々と、頭を下げられたとあっちゃあ、しかたねぇや。でもなあ、てめえら。お武家様気取りで、分不相応な言葉なんか使ってやがると、その内に袋叩きにされちまうぞ。よっく覚えとけ!」

辰吉は、呆然と立ち尽くす小僧と手代を、叱り飛ばした。

「申し遅れました。手前は深川で船宿を営みます、信濃屋の番頭、惣兵衛と申します。こちらは喜八お坊ちゃま、そして手代の定安にございます。此度は、不快な思いをお掛けいたしました」

写真は参考

再び惣兵衛が、頭を垂れようとするのを辰吉が遮り「こっちも気がみじけぇんで、ちょいと言葉が過ぎちまった。申し訳ねぇ。あっしは、神田明神町の金接ぎ職人、辰吉でさ。じゃあ、あっしはまだ、お届け物が残ってますんでこれで」

「私たちも、先を急ぎますので。ではこれにて」

武家屋敷に囲まれた脇道に、惣兵衛と喜八郎が連れ立ち先を行き、少し遅れて定安が後を追う。

写真は参考

辰吉が脇門から振り返ると、手代も辰吉同様、純白の絹織物に包まれた、大きな箱を大事そうに抱えていた。

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