「ボーッと黄昏れてんじゃねぇよ~っ!中高年癒しの楽園ラジオ」7月4日(火)からFM WATCH 78.5MHz 毎週火曜日15:00~16:00で始まります‼(※詳しくは、6月19日のブログをご覧ください)

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まずはぼくの楽曲「花筏」をお聴きいただきつつ、物語の世界をお訪ねいただければこの上なく幸せです。
「ギヤマンの欠片(かけら)」No.16
◆
高遠藩江戸上屋敷の廊下には、血相を変えおろおろと慌てふためく惣兵衛がいた。

奥座敷から一部屋ずつ障子戸を開け放ち、中を確認して次の間へと移って行く。
「おお、定安。そっちはどうじゃった?」
中間部屋から馳せ戻った定安に、惣兵衛が問うた。
「父上、やはりどこにも若君の姿は見当たりませぬ。もしかするとまた市中へ、一人で出掛けられたのでは?」
「仮にそうであったにせよ、若君お一人でいったい何処へ?」
惣兵衛と定安の元へと、老いた中間が駆け寄って来た。

「恐れながら申し上げます。先程使いから戻ります時、不忍池の辺を通りました。そこで若様そっくりな町人を見かけまして。でも、七つ八つの娘子も一緒でしたので、まさか若様とは思いもよらず…。それにしても良く似ているお方だなあと、そう思って戻って参りました。すると定安様が、若のお姿が見えぬと、慌てておいででしたので、もしやと思い…」
中間は惣兵衛の前で、申し訳なさ気に何度も頭を下げた。

「定安、早う着替えじゃ。直ちに不忍池へ参るぞ!」
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