「なごや『大須下町探偵社』」第4話

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「なごや『大須下町探偵社』」第4話

11 二階 なごや「大須下町探偵社」の入り口ドアの前               

つぼみ 「どうぞ、お先に」

写真は参考

冬 美 「(不愛想に)あら、そう・・・」

     ドアをノックし、事務所の中へと消え入る二人。

12 事務所内                                  

     机に背を向け、窓枠に足を乗せ、煙草を吹かしている拳太の背中に向か

     って。

冬 美 「すいません、遅くなりまして・・・」

拳 太 「ちょっとあんた!本当にやる気あんの?ええっ?」

     背中を向けたままで呟き、振り向く拳太。

     短くなった煙草を、机の上の灰皿で揉み消し、ゆつくりと顔をあげなが

     ら。

写真は参考

拳 太 「初っ端の面接から遅刻?あ~あ、いい気なもんだねぇ。まだまだ失業率

     も結構高いってぇご時世。あんたの代わりなんて、掃いて捨てるほどい

     るんだぜ!」

冬 美 「面接・・・?遅刻・・・?掃いて・・・捨てる・・・?」

     冬美の背中越しに、恐る恐る顔を覗かせるつぼみ。

つぼみ 「そ、それって、わたしです」

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「なごや『大須下町探偵社』」第3話

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「なごや『大須下町探偵社』」第3話

10 なごや「大須下町探偵社」の事務所が入る、雑居ビル一階。ブラジリアン・カフェ「サンパウロ」の店先                                 

     店先のテーブル。ビールの空き瓶や空き皿を片付けている「サンパウ

     ロ」の日系三世の店主、カルロス・山形(58)。

写真は参考

     冬美が手にした地図と、アーケード上部の探偵社の看板、つぼみが手に

     した求人誌と探偵社の看板。

写真は参考

     地図に気を取られる冬美と、看板に気を取られるさぼみが、「サンパウ

     ロ」店先でぶつかる。

カルロス「コニチワ!いらっしゃい!」

写真は参考

     二人を客と勘違いするカルロス。

     カルロスの言葉が全く耳に入っていない二人。

つぼみ 「あっねごめんなさい」

     咄嗟に身を正し深々と頭を下げるつぼみ。

冬 美 「(不愛想に)いいえ・・・」

     つぼみが顔を上げ、二人とも驚く。

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「なごや『大須下町探偵社』」第2話

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「なごや『大須下町探偵社』」第2話

7 なごや「大須下町探偵社」の事務所内                      

     大胆にカップラーメンをガッツク、所長の西河原拳太(38)。

写真は参考

拳 太 「しっかし、おっせーなぁ」

     ラーメンをすすりながら、窓から大須商店街を見下ろす。

     鳴り物入りのチンドン屋が、特売大売出しの宣伝口上を口に通り過ぎ

     る。

写真は参考

     その後を子どもたちが茶化しながら追う。

8 大須演芸場前                                 

写真は参考

地図のメモを広げ、すれ違う若者に道を尋ねる冬美。

9 身代わり不動前                                   

写真は参考

     求人誌を広げ、お参り帰りの老婆に道を尋ねるつぼみ。

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新シリーズがスタート!こんなTVドラマが出来たらいいなぁと、25~6年ほど前にぼくが書いた、大須商店街が舞台の、なぁ~んちゃってTVドラマの脚本「なごや『大須下町探偵社』」です!

はてさて、一体どんな展開となりますことやら・・・。

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「なごや『大須下町探偵社』」第1話

写真は参考

1 バスの車中                                  

     前方のドアむが自動で閉まり、バスが走り出そうとしている。

写真は参考

2 バス停                                    

     走り出そうとするバスのドアに駆け寄り、必死でドアを叩く鷺沼つぼみ

     (27)。

3 バスの車内                                  

     運転手がつぼみに気付き、慌ててブレーキを踏み、ドアを開ける。

つぼみ 「(息せき切らせている)すいません。このバス大須観音に止まります

     か?」

運転手 「ああっ、止まるよ」

     バスに乗り込み、吊革につかまって腕時計を見詰めるつぼみ。

つぼみ 「あああ~っ、遅刻だぁ・・・」

4 走るバスの車中                                

     吊革につかまったまま、じっと窓の上の広告を睨み付けている、吉沢冬

     美(33)。

写真は参考

     広告には、「真心一番の熱血スタッフが、あなたの悩みを解消!迅速・

     親切・低料金。なごや「大須下町探偵社」の派手で品の無いデザイン

     に、誇張気味の文字が躍る。

     バスの案内放送が流れる。

放 送 「次は、大須観音、大須観音です。お降りの方は、最寄りのブザーでお知

     らせ下さい」

     ブザーのボタンに手を伸ばす冬美。

写真は参考

     同時に冬美の手の上から、ボタンを押そうとするつぼみ。

つぼみ 「あらっ、ごめんなさい」

     深々と頭を下げるつぼみ。小脇に求人誌を抱えている。

冬 美 「(不愛想に、思い詰めた表情)いっ、いぇ・・・」

5 車窓を横切る大須観音                             

     西南側から本堂と仁王門の全景━━━

写真は参考

6 大須観音バス停                                

     バスから冬美とつぼみが、順に降りて来る。

     冬美は、握り締めた地図を見ながら右へと歩き出す。

写真は参考

     つぼみは、求人誌を開き、大きく赤色のマジックで丸印を付けた、大須

     下町探偵社の地図を見ながら、一旦右へと駆け出し、ふと立ち止まり再

     び地図を見て、左へ向かって走り出す。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.47(最終話)

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まずはぼくの楽曲「花筏」をお聴きいただきつつ、物語の世界をお訪ねいただければこの上なく幸せです。

「ギヤマンの欠片(かけら)」No.47(最終話)

「口ばかりが達者で、すぐに人の顔色を伺い何かと(へつら)う。ひとたび出世のためとあらば、憚りなく何人をも平気で欺く。少なくとも七年前は、そんな輩ばかりだったではないか。何かと言えば、当時の重臣どもは、『左様な前例はござりませぬ』『いかに藩校で成績優秀と言えど、家柄も家格も下級の者を、そのような要職に抜擢させるなど以ての外』と、こればかりであったではないか。故に余は、亡き父の四十九日の法要を済ませると、すぐさま烏帽子親をそちの親父殿である爺と定めた。そして元服を終え、亡き父上の家督を受け継ぎ、将軍家より正式に七代藩主を安堵された。なにゆえそれほど、余が事を急いたかは、そちには十分わかっておろう。藩主急死に伴う藩存亡の危機にありながらも、旧態然とした重臣どもは己の保身ばかり。まったく領民の暮らしを慮ろうとする者など、唯の一人もおらなかったではないか。だから何よりもまず、藩内部の人心を一新し、領民のためとなる藩政改革が急務であると決意した。何より定安、そちが一番余の側で、支えてくれておったのだから、今更言うまでもあるまいか。今宵はいささか、酔うたのやも知れぬ」

「殿、夜風はお体にさわりますよ」

いつの間にか藤が、侍女を連れてやって来ていた。

参考

藤が喜八郎の肩に、そっと羽織を掛けた。

写真は参考

「わたくしの欠片合わせは、精々が土器やギヤマン相手のこと。しかし、人心の欠片合わせともなりますと、もはや殿の右に出る者などおりますまい」

写真は参考

月明かりに浮んだ城内の(おう)(うん)(きょう)。橋の下に広がる淡い桜の花筏。伊那谷を緩やかに渡る、春の穏やかな風を受け、いつまでも揺蕩っていた。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.46

この猛暑酷暑のせいでしょうか?一昨日に引き続きPCの具合が悪く、ついに昨日突然ダウンしてしまい、今朝から新しいPC環境の整備に奔走し、先ほどやっと復旧することができました。まいった、まいったな1日でした。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.46

「高崎らを死罪に処すは容易きこと。されど余は、高崎らが死を持って罪を償うより、生きて尚生き恥を晒し、罪を(そそ)ぎ続ける事こそ、あ奴の(あがな)いだと思うたまでよ」

二人はしばし盃を干しながら、伊那谷にぽっかり浮かんだ朧月を眺めた。

写真は参考

「定安。お主、今何を考えておった?」

「いや、それがしは。ああっ、殿こそ…もしや!」

「左様。お主と恐らく一緒よ。この欠けたギヤマンの壺を抱え、途方に暮れておった、遠い若き日のことよ」

写真は参考

「しかし七年なぞ、あっと言う間のことでござりましたなあ」

「余はあの(いた)(いけ)な、口も利けぬお藤から、口が利けぬからこそ多くの事を教えられた。それは、(かわ)(らけ)の欠片だろうが、ギヤマンの欠片だろうと、ましてや生身の人間どもであろうが、まったく同じだという事よ。それぞれに強かな私利私欲に満ちた思惑を持って巣食う、我が藩そのものも、まったくもって一緒だったという事だ。土器やギヤマンの欠片とて、隣り合わせに合わさる物は、二つと他にない。藩の要職に就く者とて、土器やギヤマンの欠片同様ではないか。家柄や家格だけが何よりも最優先され、何代にも渡ってそれら要職の座を(ほしいまま)とした。要職に就かんとする者の、資質も才能など関係もなく。隣りに合わさるべき欠片が、どれでも良いわけではないのと同じく、藩の要職にあっても同様。その者でなければ勤まらぬ理由が、必ず存在するはずだと、お藤が欠けたギヤマンの壺を繋ぐことで、その(ことわり)を余に気付かせてくれたのだ」

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.45

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.45

高遠城から見下ろす伊那谷は、どこまでも深い闇が垂れ込めている。

写真は参考

「なあ、定安よ。結局、国元を追われざるを得なくなった高崎は、今頃どうしておろうのう?」

「風の噂によれば、越後へと落ち延びた後、帰農したとか。そして勘定奉行の西部は、頼りにしていた高崎の失脚がよほど堪えたのか、一気に呆けてしまい、甲斐の国境へと落ち延びたものの、先頃息を引き取ったとやら」

「まあ、それも仕方あるまい。そもそも佐渡の組頭と結託し、江戸の金接ぎ職人を密かに掻き集め、がらくたのような骨董の焼き物に金接ぎを施し、各地の俄か成金らに売り捌いて、私腹を肥やしておったその報いよ」

「そればかりか、そうして集めた資金を元に、先代の重臣らを抱き込み、その謀略が発覚するのを恐れ、藩医に命じ先代に一服盛って薬殺を図った大罪人」

写真は参考

喜八郎の盃に、小姓が酒を満たした。

写真は参考

「しかし殿は、その大罪人たちを追い詰めようともなさらなかった。いやそればかりか、主犯の高崎と西部を罷免追放、家禄召し上げだけと言う、何とも温情あるご沙汰を下されました。恐れながら、殿のあの時の真意とは?」

定安は一息に杯を乾した。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.44

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.44

「しかし御尊父殿。このギヤマンの酒壺は、元の姿よりも、金接ぎを施していただいてからの方が、より趣を増したように思われますなあ」

写真は参考

「お殿様。これは、あっしの右に出る者など無い、華のお江戸は神田明神町、金接ぎ職人辰吉の、一世一代の大仕事でございました。とは言え、その大半は、お藤、あっいけねぇ!その、お方様あっての物種でございますからして…」

資料

「まさか、あのお藤が、喜八っつぁん、あらやだ、あんたどうしよう!どうにも頼家様だなんて、今さら中々呼べなくってねェ。つい昔なじみの喜八っつぁんって呼んじまうんさ。それでもって、家のお藤を頼家様がご正室にお迎えくださるなんて、わたしゃあまだ夢のようでねぇ」

「おとっつぁん、おっかさん!」

お方様が町人言葉で、二人をいなした。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.43

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.43

三峰川の桜が川面に映り、まるで花筏を浮かべているようだ。

写真は参考

「殿、まずは一献」

駒ケ岳に陰り入ろうとする西日が、酒壺を照らし出した。

写真は参考

この世のものとは思えぬ、馨しい屈折する様々な光が、川床に設けた宴の席に飛び交う。

写真は参考

「今宵はそちも一緒に、ささ、嗜むが良いではないか」

美しい光を放つ酒壺から、殿が切子の盃に酒を満たした。

写真は参考

「いえ殿、わたくしは…」

「お方様、殿もそうおっしゃっておられますので、どうか今宵だけは」

「ご家老殿。そなたまで、そのように」

家老は酒壺を殿から受け取り、酒席の客人に注いで回った。

写真は参考

「何を仰せになられますか。今宵は、亡き殿の七回忌にござりまするぞ。上様の特別なお許しを得て、こうしてお方様も我が領地への出府をお許しいただいたのですから。さあ、三峰川の桜を、こよなく愛でられた亡き殿を、皆でゆるりと忍びましょうぞ。ささ、先代の殿がお亡くなりになられ、若殿が晴れて元服されるのを待ち、出家されたとはいえ、高翔院殿今宵だけは先代の殿を偲び、ささ一献。そしてお方様のお父上お母上殿も」

「これこれ定安よ。そちの父、惣兵衛を忘るるではないぞ」

参考

「いやいや殿、この老いぼれ爺には、もったいのうござりまする」

宴の席の一堂が、晴れやかな顔で笑った。

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.42

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「ギヤマンの欠片(かけら)」No.42

急峻な山々に囲まれた高遠の地を、いくども真っ白な雪が覆い尽くした。

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人の世の欲と、罪穢れも、すべてを真白く染め抜く様に。

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やがて雪解け水の音と共に、伊那谷は一面若葉色一色に染まりゆく。

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天竜川の川面が真夏の太陽を照り返し、谷間(たにあい)の短い夏が過ぎると、山々の頂から木々が色付き、秋が麓へと降りて来る。

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そんな平穏な営みが、何度と無く巡って行った。

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