「転生の追憶」13話

「ボーッと黄昏れてんじゃねぇよ~っ!中高年癒しの楽園ラジオ」FM WATCH 78.5MHz 毎週火曜日15:00~16:00で始まりました‼(※詳しくは、6月19日のブログをご覧ください)※再放送は、毎週火曜日の19:00~20:00です!

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「転生の追憶」13話

「面倒見がいいって言えば、ほらあんたの課に貰われたあのヒョロヒョロっとした青二才。…ほら、なんつったっけ?」

二之前(にのまえ)くんでしょう」

「そうそう。あいつあれでも東大ストレートの超エリートとかって?」

写真は参考

「ちょっと変わってるけどネ」

「美恵ちゃんと同い年だったっけ?」

「私は短大卒入社だから、同い年だけど私のほうが社歴は二年先輩」

「あいつ超お勉強はできたみたいだけど、直ぐに上を見下したように理詰めで迫ってくるって、あっちこっちの部署をたらい回しだったのよ。それを面倒見のいい宮脇課長に、他の部課長連中が寄ってたかって押し付けたらしいじゃない」志津絵はカクテルグラスに付いた口紅を、指先で拭った。

写真は参考

「でも課長は『少々暴れ馬くらいのほうが、飼い馴らしさえすりゃあ名馬になるんだ』っておっしゃってたわ」

写真は参考

「でも宮脇課長なら、本当に乗りこなしちゃうかも」志津絵はボーイを呼び止め、新しいカクテルを注文した。「東大出のあいつさあ、あんたに気があるんじゃない?だって何となくそんな気がするもん」

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「転生の追憶」12話

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「転生の追憶」12話

◆   ◆   ◆

ペニンシュラホテルのタワー棟、最上階のバーラウンジは、国際色豊な喧噪でむせ返っている。英国領の時代が終り、中国に返還されたといえども、香港の夜の華麗さは何一つ変わってはいない。

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窓際の席には、カクテルで祝杯を重ねる美恵と志津絵の姿があった。

数人の男女に囲まれ、窓際のテーブルに一人の日本人がやって来た。

「ねぇちょっと、あれ・・・宮脇課長じゃない?」志津絵は危うくカクテルグラスを放り出しそうに驚いた。

「そう言えば、契約でこっちに来てたんだっけ」美恵は週末の職場での会話を思い返した。

「でもさあ、宮脇課長って、見た目は風采が上がらないけど、あれで結構やり手って役員の間じゃ評判よ」志津絵が秘書課のお局と呼ばれ、若手男性社員から最も恐れられていた由縁だ。

「結構面倒見がいいのよ」美恵は宮脇のテーブルに目をやった。

宮脇は大きな身振りで、英語と広東語を使い分けながら、取引先の外国人たちの笑いを誘っている。

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「転生の追憶」11話

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「転生の追憶」11話

ポーターが龍之介と玲華を伴い、エレベーターホールへとやってきた。二人はソファーで、縮こまったまま息を凝らす。

荘厳な到着音が鳴り響き、エレベーターが開いた。中からロングヘアーのホンコンナーらしきスレンダー美女が飛び出し、ポーターとぶつかった。

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「メイフォアン」エレベーターホールの片隅から突然現われた男が、女の名を叫びながら美女を追って駆け出した。

見覚えのあるスーツとその声。美恵の心臓は、一瞬キュンと小さな悲鳴を上げた。呆然とする美恵。

エレベーターの扉が閉まる瞬間まで、志津絵はソファに身を沈めたまま玲華を盗み見ながら、満面に一人勝ち誇った笑顔をたたえた。

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「転生の追憶」10話

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「転生の追憶」9話

◆   ◆   ◆

九龍インターコンチネンタルホテルは、チムサッチャイ・ウエストの南端に位置する一流ホテルだ。

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ホテル北側の車寄せには、ヨーロッパの高級車がひしめき合って止められている。道路を一本隔てた北側には、旧日本軍が三年八ケ月間に渡って司令部を置いたペニンシュラホテルが、威風堂々とした構えを見せる。

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磨き抜かれた赤御影石のロビーの傍らでは、志津絵と美恵が敵の到着を今や遅しと待ち構えていた。二人はエレベーターホールの前にあるソファーに深々と腰掛け、英字新聞とファッション雑誌を広げ、ページを繰る振りを装いながら正面玄関を見据えている。

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張畑龍之介と妻の玲華は、ホテルリムジンの後部座席から、眼前に広がるチムサッチャイの風景を楽しんでいた。

やがてインターコンチネンタルホテルの車寄せにリムジンが滑り込んだ。(うやうや)しく出迎えるポーターを後に、龍之介は玲華をエスコートしてチェックインカウンターへと向った。

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「勝った!どう見たって、私の方がイケてるわよね!」志津絵が英字新聞を捻り潰した。

「先輩のノーヒットノーラン、完全試合だわ!」美恵はファッション雑誌を放り出し、志津絵と抱き合って歓喜の声を上げた。

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「転生の追憶」9話

出発ロビーに搭乗案内が流れた。

「あれっ?」

イタリア製の見覚えのあるスーツと後姿が、美恵の視界をよぎった。美恵は前方の人だかりを掻き分けようと、思わず身を乗り出した。

写真は参考

「……」美恵はまた射る様な視線を感じ、後ろを振り返った。

「なに、どうかした?」志津絵も釣られて美恵の視線を追う。

「うん、何でもない。何だか誰かに見られてたような気がしたから」

参考

「あんた美人だから…そんなのいちいち気にしてたら、いつだってあっちこっち振向いてなきゃあなんないわよ」

「私じゃなくって、志津絵先輩の美貌に熱い視線が注がれてたのかも」

「まあ、それも十分アリ…かな」

志津絵は心なしか浮かれているようだった。

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「転生の追憶」8話

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「転生の追憶」8話

美恵の携帯が突然鳴り始めた。

参考

義之からのメールである。【急な出張でこれから香港へ。月曜日には戻る。愛してるよ!】の文字と、唇マークの絵文字だ。

参考

「フィアンセから?」志津絵が歩きながら液晶画面を覗き込んだ。

「これから香港へ出張だって」

「何それ?あっ、もしかして二人で示し合わせてるんじゃないの?」

二人はパスポートコントロールを抜け、三十四番ゲート前の待合ロビーに腰掛けた。そして美恵は【どこのホテル?】と、義之にメールを送り返した。

写真は参考

「でも偶然にしちゃあ、ちょっと出来すぎじゃない?いいのよ美恵ちゃん、私なら。気にしなくたって」

「そんなんじゃあないって」

近くで聞き覚えのある悪趣味な着メロが流れた。

「何あれ?誰よあんな着メロ使ってんの?『ちょっとだけよ!』じゃん」

「そ、そうよね。ちょっとダサ過ぎよね」

(あんな着メロ使ってる人って、義之の他にもいるんだ)と、美恵は心で呟いた。

「でもさあ、まあ人それぞれだからね」

再び美恵の着メロが流れた。そこには義之から【九龍インターコンチネンタル】の文字が。

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「転生の追憶」7話

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「転生の追憶」7話

「……」

誰かに見られている、そんな気がした。美恵は誰かの視線を感じ、背後を振り返った。

参考

「まただ…気のせいだといいんだけど」このところよく射る様な視線を感じる。結婚を控えナーバスになってるんだろうかと、美恵は思った。

「美恵ちゃん。ごめん待たせた?」美恵と同じ商社に勤める、一年先輩の佐藤志津絵が肩を叩いた。今回の小旅行は、志津絵の傷心旅行に後輩として付き合うのが目的だ。

二人が勤める商社の跡取り息子に、志津絵は弄ばれ、そしてゴミ屑のように捨てられてしまった。とうてい志津絵の怒りは収まりきらず、取引先の社長令嬢という跡取り息子の妻を、この目でしかと見定めてやろうと考えた。

参考

そこで志津絵は、跡取り息子と社長令嬢がハネムーンに飛び立つ前に、彼等の新婚旅行先に先回りして、美恵と二人して香港で待ち伏せようと考えたのだ。

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「転生の追憶」6話

「悪い。急な仕事で」

まさにお茶菓子に手を伸ばしかけた時、義之が飛び込んで来た。都合が悪くなった時のいつもの癖で、前髪を掻き揚げる振りをしながら。額の片隅にうっすらと楕円の痣が見えた。

参考

「男って何でも仕事って言えば、それで済まされるとでも思ってるのかしら?日曜日だったって言うのに…怪しい奴」

目の前で繰り広げられる一触即発の成田離婚の現場を目撃し、明日の我が身に重なり合う気がして、美恵は忌まわしそうに首を大きく振った。

参考

「もしかして…これがマリッジブルーってやつ?」

離婚騒動が一向に収まりそうもないカップルをやり過ごし、美恵はFカウンターを目指し歩き始めた。

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「転生の追憶」5話

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「転生の追憶」5話

ちょうど一ヶ月前。

美恵と義之は結婚式の衣装合わせのために、ホテルに出掛けた。白無垢の衣装合わせを終え、色内掛けに着替え始めた時だった。

写真は参考

突然オヤジモードの着メロが、義之のポケットから鳴響いた。たしか、チャッチャカチャッチャチャッチャッチャのフレーズ、加藤茶の「ちょっとだけよ!」のメロディーだった。義之は液晶画面を覗き込むと、一言も告げずにそそくさと外へと発った。

写真は参考

今思えば、義之の顔が一瞬強張った気もすると、美恵は思い返した。

参考

ついにそのまま義之は、三十分以上経っても戻らなかった。美恵は衣装合わせの済んだ色内掛けのまま、ホテルの衣装係りが気の毒がって入れてくれたお茶を啜って待ち続けた。どうしても色内掛けのまま、義之と共に記念写真に収まろうと。それは花嫁に許されるささやかな特権であると。

参考

このホテルから嫁いだ何千人の花嫁も、きっとそうしたに違いないはずだ。美恵は花嫁の義務であるかのように、何が何でも衣装合わせの記念に、写真を撮っておこうと決めていた。ホテルの衣装係りは、こうしたトラブルにも慣れているようで、ご丁寧にお茶菓子まで用意していた。

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「なごや『大須下町探偵社』」第71話

大変失礼いたしました。またやっちまったぁー!70話の後に、本来はこの文章が71話でした。しかしぼくのうっかりミスで飛ばしており、前回の71話が72話でした。申し訳ございません。

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ふるなび

「なごや『大須下町探偵社』」第71話

カルロス「わたし無実ヨ!

     なのに奥さん、ゆうべわたしのこと、『この浮気者めっ!』って殴っ

     た!

参考

     何回も、何回もネ!・・・わたしさっぱり判らないヨ。

     だからわたし、奥さんに聞いた。

     何で殴る?

     わたし、いつ浮気した?

     そしたら奥さん言った。

     わたしの荷物片付けてたら、女からのラヴレター見つけたと。

参考

     そしてその手紙に『ずっといつまでも、あなたに抱かれていたい』っ

     て、書いてあったと言った。

     それだけでわたしのこと、浮気してると思って、何度も何度もわたしを

     殴った!」

つぼみ 「それで、喧嘩は収まったの?」

カルロス「わたしその手紙記憶ないネ。

     一体誰からだろうと思って、差出人の名前見たネ。

     ・・・そしたらビックリ!」

拳 太 「で、差出人は?」

ベルーナグルメ

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