オンブバッタの在りし日の「肥後にゃん」
2年前の丁度こんな頃でした。
スーパーで購入した、熊本産の無農薬生産されたハーブリーフの袋の中から、まだこの写真よりは遥かに小さく緑色の体をした、オンブバッタが葉っぱに引っ付いて現れたのです。
まさかそうとは知らず、購入したハーブリーフの袋を開け、さっと水洗いして皿に盛り付け、さあハーブリーフサラダでもいただきましょうと、ドレッシングを振り掛けたところ、何やらゴソッと動くではありませんか!
それがオンブバッタの「肥後にゃん」との出逢いでした。
ぼくは慌てて肥後にゃんの背中を掴み、もしも肥後にゃんの目にでもドレッシングが掛かって、沁みたりでもしたら大変だと水洗いし、ベランダの鉢植えの葉っぱにそっと止まらせておいてあげました。
しばらくはそのまま、すっかり肥後にゃんの事も忘れておりました。
ところがある夜の事、部屋の出窓の所に肥後ニャンがいるではありませんか。
しかしオンブバッタの餌も分からぬため、慌ててネットで調べたり、小皿に水を用意したりしたものです。
翌日にはさっそく、ネットで調べた肥後にゃんの好物かも知れないと言う、シソの葉とセロリの葉付きをスーパーで調達し、スティックサラダのように水に活けて置いておきました。
そしてそれからは毎晩、仕事から戻るといの一番に、出窓の所へと赴き、肥後にゃんの姿を探したものです。
小さなコロコロとした糞が散らかっているのと、葉っぱに齧った後を見つけると、ホッと胸を撫で下ろしたものです。
それからしばらくして、いつまでも「オンブバッタ」のままではと思い付き、熊本から遥々名古屋までやって来てくれたのだからと、「肥後にゃん」と何の捻りも無く命名。
肥後にゃんとの共同生活は、11月の末頃まで続きました。
今にして思えば、この写真のように、体の色は既に枯葉色に変色しており、肥後にゃんの寿命も残りわずかになっていたのかも知れません。
いつものように、「ただいま!肥後にゃん」と出窓に向かうと、棚の上に体を横たえピクリともしません。それが肥後にゃんとの、切ないお別れでした。
鉢植えの蘭の水苔を褥代わりに、肥後にゃんの亡骸を包み込み、深い眠りからもしかしたら春になったら目覚めてくれはせぬかと、夢物語を描きながら献杯したものです。
新しいルームメイトのジャンピングスパイダーです。
それ以来、今年の夏の終わりに、確かに肥後にゃんの定位置だった観葉植物の辺りから、「チリチリチリ」と小さな虫の鳴き声を聞いたものの、その姿を確かめることも無く、いつしか鳴き声も聞こえなくなっていました。
そして昨日、出窓の鉢植えの傍で、ジャンピングスパイダー君を発見。しかし正直、ジャンピングスパイダー君と勝手に呼んでは見たものの、雌雄はぼくにゃあ分かりません。
でもこのジャンピングスパイダー君が、新たなわが家の仲間となりました。
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