7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.32

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

コンビニの周辺には、警察車両と機動隊のバスが赤色灯を点灯させ、物々しい警戒態勢が敷かれた。

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猛獣車の檻を検証していた、如何にも強面の刑事が、3人に詰め寄ってきた。

「ホラッ、檻の鍵が圧し折れて、この通り荷台に転がってたよ」。

強面の刑事が白手袋に包まれた掌を開き、圧し折れた南京錠の破片を示した。

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「熊と虎を輸送するにしちゃあ、貧弱すぎる檻だし、鍵もこんな安物の南京錠だ。別に猛獣なんかじゃなくたって、こんな赤子騙しじゃあ、逃げ出してあったりめぇだぜ」。

刑事は大仰に顔をしかめながら話を続けた。

「ウッワーッ!それにしても何とも獣臭ぇなあ、まったく!おいっ、何とかならねえのかよ!俺は大嫌いなんだよ、このションベン臭ぇ獣の匂いが」。

刑事は腹立たしげに、トラックの後輪を蹴り上げた。

「しかし、いくらドサ回りのサーカス団とはいえ、こんなずさんな檻と鍵じゃあ、管理不行き届きもいいところだぜ。これで罪もねぇ一般市民が巻き添えになって食い殺されちまったりしたら、犯罪だよ、犯罪!」。

「ど、ドサ回りだ・・・!」。

満は刑事を睨み付けた。

「じゃあ違うとでも言うのかよう!熊だの虎だのに、くっだらねぇ芸教え込んで、そいつを見世物に年寄り子供からあこぎに銭ふんだくってんだろうよ」。

「くだらない芸じゃないわ!」。

麻美が満の前に割って入った。

「おっ、なんだいお嬢ちゃん、いきり立っちゃって。そんな仏頂面じゃあ、せっかくの美人も台無しだぜ」。

「熊のテディは、自転車だって、一輪車だってちゃんと乗りこなせるわ!それに虎のティグは、とっても勇敢で火の輪くぐりだったら誰にも負けないわ!」。

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「そうだよ!お姉ちゃんの言う通りだいっ!」。

卓磨も前に進み出て、麻美の手をしっかり握り締めながら刑事を睨み付けた。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.31

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

とても残念ながら、お客様にもそれぞれご事情があり、2席キャンセルが生じました。もしお出掛けになろうかなってお考えの方がまだおいででしたら、ぜひご参加いただければ幸です。お問い合わせは、メールで、herakozu@yahoo.co.jp「オカダミノルほろ酔いLive 2023」係までお気軽に! Liveの詳細は、3月16日のブログをご参照願います。

グッ、ググーッ 

「父ちゃん、もうお腹ペコペコで死んじゃうよ!」。

トラックの中で卓磨が暴れ出した。

「こらっ、卓磨!こんな所で暴れたら、危ないだろうが!」。

満は卓磨の頭を小突いた。

「痛いっ」。

「ねえおじさん、あそこの明かりコンビニじゃあないかしら」。

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「やったあ!コンビニだ!父ちゃんおにぎり買って、おにぎり!」。

「仕方ねぇなあ、まったく」。

満はコンビニの駐車場にトラックを滑り込ませ、麻美と卓磨を連れコンビニに駆け込んでいった。

「こんなに一杯買っちゃって、一体全体誰が食べるって言うのよ?」。

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「そりゃあオイラに決まってらあ!だって沢山食べて、早く大きくなって、お姉ちゃんみたいな猛獣使いにならなくっちゃ!」。

大きく膨らんだコンビニ袋をぶら下げて、卓磨と麻美がふざけながらトラックに戻って来た。

「たっ、大変だ!」。

一足先に店を出て、トラックの檻を確認に行った満が大声を張り上げた。

卓磨と麻美は、慌ててトラックの後部へと駆け寄った。

「ああっ!」。

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卓磨も麻美も、もぬけの殻となった檻を見詰めたまま絶句した。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.30

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

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ビッビーッ、ビビビビー

後方からけたたましいクラクションが鳴り響き、木乃葉と老人の直ぐ後ろに軽自動車が止まった。

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「いゃあ、やっと追いついた」。

「あれっ?」。

オーバーヒートを起こしたバスの運転手だった。

「あれからあんたら二人のことが、気んなって気んなってしょうがのうて、会社へ戻ってから着替えて、それで大急ぎで追いかけて来たんさ」。

「へぇー」。

木乃葉は不思議そうに運転手を見上げた。

「それはそうと、おじいさんだいぶしんどそうやなあ」。

「うん、そうみたい。急にグッタリしちゃって・・・ウッ、ウッウェーン」。

今まで自分がしっかりしないとと、張り詰めていた緊張が一気に解け、木乃葉の頬を涙が伝い落ちていった。

「お嬢ちゃん。もう大丈夫だよ、心配しなくても。今からおじさんの車で、おじいちゃんを病院に連れて行くから」。

「いっ、いっやあ、びょ、病院へなぞ、行かぬとも大丈夫じゃ」。

グッタリとうつ伏せていた老人が、捻り出す様な低い声を吐き出し、顔を上げてそうつぶやいた。

「わっ、わしの鞄の中に・・・」。

木乃葉はセカンドポーチのファスナーを開け、老人に差し出した。

老人は中から、小さな丸い漆塗りの漆器を取り出し、上蓋を一捻りして開けた。

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老人は漆器の中から、細かい薬草のような物を一摘みし、口の中に放り込んだ。

『「あっ、まただ。まるでチーン、チーンする時のお仏壇と同じ匂いみたい」』

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木乃葉は心の中でつぶやいた。

ポーチのキーホルダーが、チリチリンと小さな音色を響かせた。

運転手は、不思議そうに老人の姿を見つめていた。

見る見る間に、老人の顔に生気が蘇って来た。

「さあ、もう大丈夫じゃ。心配かけて済まなんだなコンチャン」。

老人はヒョイッと立ち上がった。

「えらいよう効く薬でんなあ」。

「まあ、一種の漢方薬みたいなもんや」。

「さあ、それじゃあ私の車で、砦岬までお送りしますわ」。

「ええっ、本当に乗せていってくれるの?」。

「ああ勿論ですとも。だって終点までのバス代、前払いでもろたまんまだしなあ。まあバスが軽自動車に変わったと思って、さあさ乗った乗った」。

軽自動車はヘッドライトに映し出された、砦岬へ続く一本道をひた走って行った。

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「ねぇおじいちゃん。今何時?」。

「今はなあ・・・8時40分じゃ」。

「ねぇねぇ運転手さん。ここから後、何分くらいかかるの?」。

「もうここからやったら、5分程でじきに着きますやろ」。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.29

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クゥワッ クゥワックック

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ギィェー!ギィェーッ!

「おじいちゃん何だろう、あの気味の悪い鳴き声」。

木乃葉は、砦岬へ続く坂道の頂上から、老人を振り返った。

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「はあ、はあ、はあ、はあ・・・。た、多分陽が暮れ出したから、と、鳥たちも晩御飯なんじゃろう。そ、それで腹を空かせ、母鳥の帰りを待ち侘びる雛鳥達が鳴いておるんじゃ」。

「ねぇねえ、おじいちゃん。ものすごく苦しそうだけど、ここらでちょっと休もうか?」。

「いっ、いやっ、わ、わしなら大丈・・・」。

老人は肩で大きく息を付いたと同時に、ひざま付いたまま地面に突っ伏してしまった。

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「ちょっ、ちょっと、おじいちゃん!」。

木乃葉は慌てて老人の傍らに駆け寄り、なんとか抱き起こそうと必死になった。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.28

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「うっめー!このカレー最高!特にオレが皮を剥いたジャガイモが最高だぜ!」。

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「うっめー!このカレーシャイコウ!特にオレがカバをムイタにんちゃんがシャイコウだじぇい!」。

「基喜てめえ、この馬鹿野郎!そんな言葉使いをすると、ミヨが真似するだろう!」。

裕也は基喜の頭に、空になったペツトボトルのパンチを振り下ろした。

「だめでちゅよ、ミヨちゃん。モッ君の真似してお話すると男の子になっちゃいまちゅよ!ミヨちゃんは、男の子になっちゃってもいいでちゅか?」。

「イヤッ!ミオは女の子だもん!モトキの真似もうしないもん」。

裕也は美代の前にしゃがみ込んで、優しく言い含めた。

「やっぱオレのジャガイモが一番うめえー!」。

「基喜っ!お前まだそんなこと言ってんのかよ!それはお前のジャガイモじゃなくって、お兄ちゃんの味付けが最高なんだろう!ちゃんと言い直せよ!」。

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「味付けったって、お兄ちゃんカレー粉入れただけじゃん!」。

「何だとこの野郎!待てっ!」。

さっと逃げ出そうとした基喜の足首を、裕也が振り向き様に手を伸ばして掴んだ。

基喜はカレーを持ったまま、前のめりにつんのめってしまった。

「ウワッ!・・・やったなー!」。

Tシャツの胸元から顔まで、カレーまみれになった基喜が立ち上がり、地面の砂を掴んで裕也に向かって投げつけ、飛び掛っていった。

「裕也!基喜!二人とも、いい加減にしろ!」。

モッくんママの一喝で二人は無言のまま固まった。

「本当にお前等は!キャンプに来た時ぐらい仲良くできんのか!」。

モッくんパパの罵声に、二人は縮こまった。

「だって、だってお兄ちゃんが・・・・」。

「お前が素直じゃないんじゃんか!」。

「裕也も裕也なら基喜も基喜。喧嘩は両成敗!いいな!」。

モッくんパパは、二人の頭に特大のゲンコツを見舞いながら呟いた。

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ガツッン!ガツッン!

「はいっ、これでお仕舞い!はいっ、二人ともちゃんと握手してゴメンネは?」。

モッくんママがそう促すと、二人は渋々握手を取り交わし、小声で「ゴメン」と囁きあった。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.27

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「ねぇねぇ父ちゃん、こんな大きなトラック運転出来るの?」。

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満と助手席の麻美に挟まれた状態で座る卓磨が、怪訝そうに父親の顔を覗き込んだ。

「バカな事いっちゃいけねーや!父ちゃんに不可能なんてないのさ!」。

「ちょっ、ちょっとおじさん。赤信号!ああっ!」。

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キキーッ!ズズズズズーッドガン!

「とっ、父ちゃん。いっ、今の、なっ、何の音?」。

「なっ、何かに、ぶ、ぶつかっちゃった?」。

卓磨も麻美も顔をうつ伏せたまま呟いた。

「いっ、いや、何にもぶつかっちゃいねぇ。・・・なっ、なあに後ろの熊と虎の檻が、急ブレーキの反動で運転席の後ろ側にぶつかった音だ」。

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「ふぅーっ!」。

卓磨と麻美は顔を上げ見詰め合った。

「まっ、まあこんな事も・・・たまにゃああるさ!大丈夫、大丈夫」。

「本当かなあ・・・」。

卓磨と麻美は手を握り合ったまま、溜息をついた。

「ねぇ父ちゃん、檻大丈夫かなあ?」。

「大丈夫、大丈夫!いくらおめえ、虎に熊ったって、鉄の檻はぶち壊せめえ」。

「まあ、いざとなりゃあ、麻美お姉ちゃんもいることだし。ネッ」。

「さあ、先を急ごう!みんなに随分置いてかれてちまったし」。

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再び猛獣車は夕暮れを追いかけるように、鳥羽方面へ向かって走り去って行った。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.26

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「おおいっ、みんな!ちょっと聞いとくれ!」。

お腹の大きく突き出した団長が、大声を張り上げた。

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衣装を着替えたり、大道具や小道具の撤収を始めていた団員の手が止まった。

「これから今夜中に和歌山の勝浦に移動するんだが、猛獣車担当の貫太郎が急に盲腸炎を引き起こして、入院しちまったんだ。だから悪いんだが、代わりに古木、おめえが運転してっちゃくれねぇだろうか?」。

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「ああ、俺はかまわねぇぜ、団長!」。

卓磨の父、古木満が答えた。

「そうか、すまねぇなあ」。

「じゃ、じゃあぼくも父ちゃんと一緒に乗って行く!あっ、だったら・・・ねぇ麻美お姉ちゃんも一緒に、ネッネッ」。

卓磨は麻美に駆け寄り、麻美の両手を握り締めた。

「まっ、いいだろう。麻美はタッ君の母親代わりみてえなものだもんなあ」。

団長は卓磨の頭を軽く小突いた。

「さあ、卓磨も麻美もとっとと乗った乗った!」。

満は、卓磨と麻美を助手席に乗り込ませ、トラックの後部へと回っていった。

「古木さん、熊と虎の檻、施錠確認しました」。

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「本当だろうな、ケン。おめえの言う事はあてになんねぇからなあ?」。

「大丈夫ですって。もう年季が入ったオンボロの檻ですが、鍵だけは新品を2個ずつ使ってしっかり施錠しておきましたから」。

「ところで、こいつらの餌は?」。

「ああ、餌ならこの荷台の一番後ろの段ボール箱の中に入れてあります。でもショーの前に少し与えておきましたから、これは勝浦に着いてからでも大丈夫だと思います」。

「さあ、みんなに遅れないように出発だー!」。

満は運転席でシートベルトを締めながら気勢を上げた。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.25

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「お疲れさ~ん」。

「お疲れ様でした!」。

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サーカス団のテント劇場に続く入り口から、色鮮やかなステージ衣装を身に付けた、出演者達が一斉に戻って来た。

「やっぱ麻美お姉ちゃんが、ピカイチ!」。

「それってどういう風にピカイチってこと?」。

「そっ、そりやあ、ピカイチ綺麗ってことだよ!」。

「ほ・ん・とうかな?」。

「本当さ!ぼくも早く大きくなって、絶対お姉ちゃんみたいな猛獣使いになるんだもん!」。

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古木卓磨は、サーカス団の新米美人猛獣使いの坂田麻美を眺め上げた。

「猛獣使いになるんだったら、タッ君ももう少し、せめてお姉ちゃんぐらい背が高くならないと」。

「う、う~ん。じゃあ後何回お正月が来たら、お姉ちゃんぐらいになれるかなあ?」。

卓磨はしきりに指折り数え始めた。

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「そうねぇ。私が今中3で、165㎝、タッ君は小3で130㎝でしょう。でもタッ君は男の子だから、頑張れば中学生になったらお姉ちゃんより背が高くなっちゃうかもよ」。

「ほっ、本当に?」。

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7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.24

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「それにしたって、木乃葉が一人で英虞湾までどうやって行くってんだい?」。

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「だって、ここに置いてあった貯金箱も持ち出してるみたいよ」。

「じゃあモッくんのお母さんの携帯に電話して聞いてみたらどうだ?」。

「うん。私も同じ事考えたんだけど、・・・だって何て言うのよ?まさか『もしかしたらお宅の家族に危険が迫っているかも知れなくって、木乃葉がそれを知らせようとそっちに一人で行っちゃったみたいなの。もし木乃葉がそっちに着いたら教えてネ』とでも言うの?そんなのそれこそ信じて貰えないわよ!」。

「そりゃあそうだ。じゃあこうしていてもしょうがないから、とにかく俺達も英虞湾に向かうとするか?」。

「そうね。でも万が一入れ違いになって、コンチャンが戻って来てもいいように、バアさんに留守番頼んどくわ!」。

ママは近所に住む実家の母に電話を入れた。

なるべく手短に、余分な心配をさせないよう、見事な段取りで留守番役を引き受けさせた。

チーン・チーン

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パパは仏壇に向かって手を合わせた。

「お袋、親父。何とかお盆に間に合わせて戻れたけど、さっき聞いての通り、木乃葉の身の上に緊急事態が発生しちゃったんだ。本当なら今夜、送り火焚いて送ってやんなきゃあいけないけど、今日はもしかすると戻れないかも知れないから、まあもう一日下界で楽しんでってよ!なあ」。

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「さあ、パパ。急いで急いで!」。

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「何なんだろう?そのコンチャンの重大な何かって?・・・やっぱりあなた警察に届けた方が?」。

「まあ落ち着けよ。警察に届けたって、誰も相手になんてしてくれっこないよ。うちの娘が明日の新聞を見て、重大な何かが起こるのを何とか阻止しようとして、家を出たまま未だ帰らないんですが・・・とでも言うのか?」。

「何かを阻止・・・」。

「そうだ!きっと木乃葉にとって、よっぽど重大な何かが起こるんだ。だから木乃葉は今日の内に何とかすれば、その重大な何かを阻止できると思った!・・・なあ、そうは考えられないだろうか?」。

パパとママは、重大な何かに結びつく手掛かりが見付からないかと、木乃葉の勉強部屋を探し回った。

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「ちょ、ちょっと、あなたこれッ!」。

オモチャ箱をひっくり返しては、手掛かりを探しているパパが振り返った。

「これこれ、ここ見て!」。

「何だこれって、去年行ったスペイン村のパンフレットじゃないか」。

「ここんとこよ、ほら」。

パンフレットの裏側のアクセスマップの一箇所を、ママは指差した。

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「英虞湾の部分が色鉛筆で囲まれている・・・」。

「そうなのよ。それも学校の連絡帳の上に、その部分が広げられてたのよ!」。

「でもまたなんで英虞湾なんだろう?」。

「それがね、英虞湾の砦岬のキャンプ場に、今日からモッくん家がキャンプに行ってるらしいのよ。私もねぇ、さっきモッくんのお母さんからメールが入って知ったの」。

「じゃあ、英虞湾のキャンプ場でモッくん家に何かが起こる?しかも明日の社会面に載るような重大な出来事が?」。

「そうよあなた。きっとそうよ。だってモッくんは、コンチャンの一番のお友達なんだもの。絶対に間違いないわ!」。

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