いよいよ明日6月19日(月)のブログで、ぼくから緊急発表があります!是非ともご覧くださいネ‼まぁ、それほどの仰天ニュースじゃないですが(汗)
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まずはぼくの楽曲「花筏」をお聴きいただきつつ、物語の世界をお訪ねいただければこの上なく幸せです。
「ギヤマンの欠片(かけら)」No.9
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仕舞屋が並ぶ、鴬谷の稲荷長屋。

障子戸には、切子細工と書かれている。

石室惣兵衛が総領の定安は、商家の手代の形で、割れたギヤマンの入った桐箱を抱え、心なしか肩を落とすように、切子細工の職人宅を後にした。

「若君、やはり切子職人には、割れたギヤマンを修復することなど、所詮無理なようでござりまするなあ」
木枯らしに揺れる枯れ柳の下で、寒そうに佇む喜八郎と惣兵衛の元へと駆け寄り、定安は事の次第を告げた。

三人はここ半年近く、商人に身をやつし屋敷を抜け出しては、割れたギヤマンの修復を手掛けてくれる職人探しにやっきになっていた。
「これで江戸市中で、腕利きとされる切子職人や金接ぎ師には、すべて当たりを付けたこととなりまするなあ。残すは、神田明神町の金接ぎ師一軒だけが頼り」
惣兵衛は胸元に忍ばせた、一枚の紙片を広げ溜め息を漏らした。

「だがそれとて、あてにはならぬ。何せ腕利きと呼ばれる金接ぎ職人は、どうしたものか皆一様に、この江戸から忽然と姿を消してしまったと言うではないか。それはいったい何故じゃ」
喜八郎が不思議そうに両名に問うた。
「若君。実はそれがしも、その件がどうにもひっかかっておりまして、いま手の者に探らせておるところです」
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