「なごや『大須下町探偵社』」第53話

「ボーッと黄昏れてんじゃねぇよ~っ!中高年癒しの楽園ラジオ」FM WATCH 78.5MHz 毎週火曜日15:00~16:00で始まりました‼(※詳しくは、6月19日のブログをご覧ください)

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「なごや『大須下町探偵社』」第53話

57 ブラジリアン・カフェ「サンパウロ」の店先                  

写真は参考

     オープンカフェもどきのテーブル席に腰掛け、手帳を広げ考え込んでい

     るつぼみ。

写真は参考

     店の奥からドリンクをトレーに載せ、カルロスがやって来る。

     ドリンクをつぼみのテーブルに置きながら。

カルロス「つぼみ、なにか忙しそうね」

     つぼみの正面の席に座り込むカルロス。

つぼみ 「そうなのよ。昨日高山から戻ったばかりなのに、今から調査で、今度は

     一宮よ!」

カルロス「高山、出張?

     ・・・ショチョーさんと二人っきりでか?

     まずいよ!それッ!

     向こうで何にもなかったか?」

つぼみ 「あるわけないジャン!

     わたしが・・・所長と・・・?

     あっ、ねぇそうそうマスター!

     マスターってさあ、うちの所長とはもう長い付き合いなの?」

カルロス「わたし、ここでこの店始めて13年よ。

     ショチョーさんが、このビルの二階で事務所オープンしたは、たぶん10

     年くらい前だったかなぁ。

     ショチョーさん、探偵始める前は、普通のサラリーマンだった」

     急に小声になって。

参考

カルロス「わたしに聞いたって、絶対言わないか?つぼみ?」

つぼみ 「もちろんよ!」

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「なごや『大須下町探偵社』」第52話

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皆様にご来場いただき、盛況の中ほろ酔いLiveで心地よく歌わせていただきました。ありがとうございました。

ほろ酔いLiveより

「なごや『大須下町探偵社』」第52話

     拳太は、縁側から座敷に入って、敷かれている布団に潜り込もうとして

     いる。

写真は参考

     慌てて拳太を制止し、控えの間に押しやるつぼみ。

つぼみ 「所長!その布団は、私のです!

     所長のはそっち!

     そっちの布団でさっさと静かにお休みください!」

写真は参考

拳 太 「ちょ、ちょっと待てって!

     何で俺がこんなむさ苦しい、控えの間なんかで寝なきゃあいけないんだ

     よ!」

つぼみ 「言っときますけど、私はまだ嫁入り前なんです!

     それなのに、所長と同じ部屋で、しかも布団を並べて寝るなんて考えら

     れません!

     全くデリカシーの欠片もないんだからっ!

     それに・・・、もしもの事が起こったら、一体全体どうやって責任取っ

     てくれるって言うんですか?」

     言い終えると同時に、控えの間の襖をピシャリと閉めるつぼみ。

参考

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「なごや『大須下町探偵社』」第51話

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「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 Autumn in C♭」、昨日開催させていただきました!!! ご来場、誠にありがとうございました。次回も近い内に、C♭Liveを開催する予定です!

昨日のC♭Liveより(みっくんパパさんのご提供)

「なごや『大須下町探偵社』」第51話

拳 太 「例え不倫だと周りに蔑まれようが、それを承知で男女の一線を越え、互

     いに愛し合う情熱的な愛もあれば・・・。

     逆に、抱きしめたくなるほど愛しくても、相手を愛するがゆえに、互い

     の感情を押し殺そうとする自制愛だってあるさ。

     どっちにせよ、本人にすれば純愛なんだろうなぁ。

写真は参考

     でも・・・、もし吉沢たちがその自制愛だったとしたら・・・こいつぁ

     殊の外厄介だ!」

つぼみ 「殊の外厄介って?」

拳 太 「単なる浮気なら、時間が経てば自然に風化することだって、十分にあり

     得る。

     しかし、純愛に陥っていたとしたら・・・。

参考

     それも自制愛だとしたら、心はそう簡単に元の鞘へと収まらない。

     俺は、今までそんな不器用な男と女を、何人も何人も見て来た」

つぼみ 「そんな事、奥さんが知ったら、一体どう思うんだろう?」

拳 太 「つぼみ、それよりも名古屋に戻ったら、吉沢と北里の過去を洗ってみる

     必要があるな!」

つぼみ 「何だか私も、吉沢と北里の関係に興味が湧いてきちゃった!」

拳 太 「(大きなあくび)ふぁ~あ・・・。疲れた疲れた。

参考

     さあ、寝るとするかぁ!」

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「なごや『大須下町探偵社』」第50話

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「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 Autumn in C♭」本日開催!!! 


「なごや『大須下町探偵社』」第50話

55 ホテル風月館 拳太とつぼみの部屋                      

写真は参考

     部屋の中には、布団が二揃えピタリと隣り合わせに敷かれている。

     その一揃えを控えの間に引き摺り出すつぼみ。

写真は参考

     拳太は腕組みをして、縁側から窓の外をじっと眺めている。

拳 太 「(独り言)どうもあの二人の様子からして、不倫関係らしき匂いが感じら

     れないんだよなぁ・・・」

     控えの間に布団を敷き直したつぼみが、縁側にやって来て、冷蔵庫から

     ビールを取り出し、拳太にグラスを持たせビールを注ぐ。

写真は参考

つぼみ 「(真顔で)ええっ!不倫に匂いなんてあるんですか?」

拳 太 「匂いって言うか・・・まぁ、一種の勘とでも言うか・・・」

つぼみ 「じゃあ、もし不倫じゃないとしたら・・・?」


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「なごや『大須下町探偵社』」第49話

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「なごや『大須下町探偵社』」第49話

54 夜間通用口                                

写真は参考

     夜間通用口に続く廊下の掛け時計が、深夜1時を指している。

     拳太とつぼみは、連れ立って夜間通用口から外へ出ようとしている。

     その後から、良介と北里母子が見送りに来ている。

良 介 「奥様、本当にありがとうございました。

     明日の朝、私はツアーの添乗でホテルを早く発ってしまいますので、ま

     たこのお礼は、名古屋に戻ってから、改めてさせていただきます」

     良介と北里母子三人が、深々と頭を下げる。

     その声に振り向いた拳太とつぼみ。

     つぼみは、戸惑いながらも、釣られて深々とお辞儀をする。

参考

つぼみ 「実紀ちゃん、早く良くなるといいですねぇ」

拳 太 「では、私たちはこれで失礼いたします」

 姉  「お姉ちゃん!ありがとう!」

     拳太とつぼみは、闇の中に消える。


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「なごや『大須下町探偵社』」第48話

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「なごや『大須下町探偵社』」第48話

     つぼみは、一体何がどうなっているのか見当もつかず、頓珍漢な様子。

     ふと立ち止まり、三人の方を振り向き、丁重な姿勢で話し始める拳太。

参考

拳 太 「あっ、これは大変失礼いたしました。

     私、コレの夫で西河原と申します。

     私たち温泉旅行で、ホテル風月館に泊まっているのですが、先ほど些細

     な事で夫婦喧嘩をしちゃいましてねぇ。

参考

     そしたらこいつが逆ギレして、プイッとホテルを出て行ってしまったん

     です。

     しばらく待っては見たものの、一向に帰って来る気配もなくって。

     それで気が付いたんです。

     なんせこいつ、とんでもない方向音痴でしてねぇ。

参考

     もしかしたら道に迷って、町のあちこちを彷徨っているんじゃないかと

     思い、必死になって探し回っていたところだったんです。

     そしたらこの病院で道を尋ねようと入ったものの、今度は出口が分から

     なくなったと、私の携帯に電話が入ったんです。

     なっ、なっ!」

     つぼみの同意を強引に求める拳太。

     拳太の横顔を睨み付けるつぼみ。

参考

つぼみ 「(小声で)何よ人の事、コレとかこいつとか!

     誰が方向音痴よ!ったく!」

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「なごや『大須下町探偵社』」第47話

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「なごや『大須下町探偵社』」第47話

53 病室前デイルーム    

写真は参考

     デイルームと病室の前の廊下を、落ち着かない様子で行ったり来たりし

     ている拳太。

参考

     病室のドアが開き、久美と姉、良介とつぼみが話しながら出て来る。

     慌てて自販機の陰に身を隠す拳太。

良 介 「そうでしたか。

     すっかりお世話になり、何とお礼を申し上げてよいやら・・・。

     ところであなたは、この土地の方ですか?」

つぼみ 「・・・・・」

     自販機の陰から姿を現し、つぼみの言葉を遮るように、横からいきなり

     飛び出し、つぼみの肩を抱き寄せ、良介たちからつぼみを遠ざけようと

     する拳太。

参考

拳 太 「何だよ~ッ、つぼみ~ッ。

     ず~っとあちこち探し回ってたんだよ、ぼくは。

     そりゃあさっきはさぁ、ぼくが悪かったよ!

参考

     でも、なにもホテルから突然出ていかなくったっていいでしょう(猫なで

     声)」


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「なごや『大須下町探偵社』」第46話

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52 病室内                                  

参考

     ドアが開き、飛び込んで来る久美と良介。

     久美はベッドの脇に寄り添い、泣き崩れながら実紀の小さな手を握り締

     める。

     その光景を呆然と見詰める良介。

     再びドアが開き、駆け込んでくる姉。

参考

 姉  「お母さん~ん!」

     今まで堪えていた涙が溢れ出し、久美の胸に飛び込む。

     その後から、つぼみがおどおどとしながら、病室に入って来る。

参考

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「なごや『大須下町探偵社』」第45話

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50 病室前デイルーム   

写真は参考

     つぼみの膝枕で眠っていた姉が、久美と良介の靴音で目を覚まし、二人

     に気付く。

 姉  「あっ・・・お母さん!」

     そう呟いたと同時に、久美を追って病室へ飛び込んで行く。

参考

     つぼみも慌てて後を追う。

51 廊下の向こう                                

     必死の形相で廊下を駆けて来る拳太。

参考

     病室に消え入ろうとするつぼみの後ろ姿に向かって。

拳 太 「(小声で)おお~いっ、待てよ!つぼみ~っ!」


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「なごや『大須下町探偵社』」第44話

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「なごや『大須下町探偵社』」第44話

48 病室前のデイルーム                             

     病室の前にあるデイルーム。

写真は参考

     照明も消え、自動販売機の明かりだけが、ぼんやりと周りを照らしてい

     る。

     長椅子には、つぼみと姉。

     姉は疲れ切り、つぼみの膝枕で眠っている。

参考

つぼみ 「(急な展開で、どうしたものか分からない様子)こんな場合、どうすれば

     いいんだろう?・・・これじゃあ、調査どころじゃあ・・・」

     廊下の向こうから足音が聞こえる。

写真は参考

     身を乗り出すように、足音の方を窺うつぼみ。

49 病室の入り口                               

写真は参考

     久美と良介が駆けつける。

     ドアのノックもせず、病室に飛び込む二人。


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