「転生の追憶」37話

「ボーッと黄昏れてんじゃねぇよ~っ!中高年癒しの楽園ラジオ」FM WATCH 78.5MHz 毎週火曜日15:00~16:00で始まりました‼(※詳しくは、6月19日のブログをご覧ください)※再放送は、毎週火曜日の19:00~20:00です!

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「転生の追憶」37話 

「結婚が決って、課長に辞表を出した日の夜、家に帰ったら切手もない封書が届いてたの。

参考

『結婚は破談にしろ。お前が不幸になる』とだけ、パソコンで書かれてた。もちろん差出人名もない、名無しの権兵衛さんから。

最初は誰かの悪戯だろうって思うようにしたわ。でもそれから自宅に無言電話が掛かるようになって…。お母さんが気味悪がってNTTに相談して、悪戯電話撃退サービスとかいうのを始めて、どうにか収まったようなの。

参考

やれやれって思ってたら、今度は私の携帯に。

しかも会社のビルを出た途端、直ぐに電話が鳴るわけ。ワンギリじゃないから、着信ボタン押すまで何回も何回も呼び出すし。非通知にしたりとか色々対策もしたけど、敵もさる者でプリペイドの携帯からかけて来たり、公衆電話からだったりと。

写真は参考

それでここ半年で三回も携帯の番号変えたんだから」


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「転生の追憶」36話

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「転生の追憶」36話 

◆   ◆   ◆

香港島の南側に広がる海岸線。その中央にあるスタンレー・マーケット。

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ジャンクショップの一角は、観光客達の喧噪に包まれ、人いきれで気温まで吊り上げているようだ。

写真は参考

宮脇は憔悴しきっている美恵を伴い、映画『慕情』の舞台となったスタンレー・ビーチを漫ろ歩いた。

写真は参考

「あのメイファンって名のトランスジェンダーと、付き合ってたんだ…」美恵は自分の中で、一つ一つ区切りを付けるようにつぶやいた。

「『日本に一緒に帰ろう!そしてもう一度やりなおそう、二人で…』って…。じゃあやっぱり脅迫状や無言電話も、あのメイファンって男女(おとこおんな)の仕業?…」

参考

「なんだい、穏やかじゃないなあ」


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「転生の追憶」35話

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「転生の追憶」35話 

◆   ◆   ◆

写真は参考

チムサッチャイの雑踏から車で十五分ほど。入り江の小さな漁港は、レイユームーンと呼ばれ、海鮮レストランと鮮魚店が居並び、香港人の食通で賑わっていた。

写真は参考

宮脇とリーを先頭に、美恵と志津絵が後に続き、鮮魚店とレストランの家並を奥へと進んだ。

写真は参考

リーは鮮魚店で大シャコや活海老、トコブシやロブスターを指差し、慣れた口調で調理方法をレストランのウエイターに告げた。

写真は参考

レストランのテーブルに着くや否や、志津絵は顔色の悪い美恵を気遣う様子もなく、敵将の首を上げたかのような興奮振りで、宮脇とリーを労った。「まずは乾杯っ!ご協力に心より感謝しま~す」

参考

一方の美恵は、志津絵の話も上の空といった様子で項垂れてばかり。

参考

折角の海鮮料理に、箸を付ける気力さえ失っている。

写真は参考

宮脇も志津絵の興奮振りに相槌こそは打つものの、何度も心配そうに美恵へと視線を投げかけた。

レイユームーンでの食事を終えると、リーは宮脇と美恵に気遣い、浮かれ調子のままの志津絵を伴って、チムサッチャイのスコティッシュバーで呑み直そうと連れ出していった。

写真は参考

別れ際、宮脇に意味深なウィンクを一つ送りながら。

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「転生の追憶」34話

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「転生の追憶」34話 

スゥィート・ルームの入口に立って成り行きを(うかが)っていた美恵は、廊下を駆けてくる足音に気付いた。ドアはロック出来ないように、ドアガードを外して施錠しない状態で、薄っすらと開かれている。

写真は参考

「もう最低!すっかり萎えちゃったわ!」四つん這いの龍之介に覆いかぶさったまま、バリトン女が振り向き、くずおれたままの玲華に吐き捨てた。美恵の網膜にくっきりと、色香を放つ妖艶な女の顔が焼きついた。

写真は参考

「メイファン!」

ドアの開かれる音と同時に声がし、一人の男が飛び込んで来た。擦れ違い様に男の前髪が、後部に流れた。

一瞬、額の際に楕円形の痣が見えた。

参考

美恵は呆気にとられたまま金縛り状態に陥った。

「メイファン、何をしてる!」

『ヨッ、ヨッチャン・・・』

参考

美恵は飛び込んで来た男の、後姿を見つめた。美恵の脳裏の回路が、爆発寸前に(きし)み出した。

「日本に一緒に帰ろう!そしてもう一度やりなおそう、二人で…」男がメイファンをソファーから引き摺り下ろしながら叫んだ。

参考

美恵の意識は、そのまま遠のいてしまった。


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「転生の追憶」33話

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「転生の追憶」33話 

◆   ◆   ◆

スゥイート・ルームの鍵は、オートロックされている。

「奥様、どうぞこれをお使いください」美恵がカードキーを手渡した。

写真は参考

「龍之介さん!」そう大声で夫の名を呼ぶと、玲華は部屋の中へと駆け込んだ。

一瞬何がどうなったのか、玲華は訳がわからないまま、リビングの入口に立ち尽くした。

「うるさいわねぇ、今いいところなのよ。見ればそれくらいわかるでしょうが!」バリトンの太く低い声が、ソファーから響いた。ソファーでは、女同士があられもない下着姿のまま絡み合っている。ソファーで四つん這いになっている女は、既に恍惚として陶酔し切っているようだ。

参考

(なぜ、なぜ私たちの部屋で、こんなことが・・・)

眼の前で繰り広げられる光景は、玲華の理解を遥かに超えていた。四つん這いの女の尻に被さるような格好で、ロングヘアーの女が言い放った。

「見世物じゃないんだよ!あんた一体誰なのよ。なによいきなり勝手に人の部屋に入ってきといて」

玲華は『レズビアンの人達の部屋に、間違って入ってしまったんだわ』と、そう思い込むことで、何とか自分を踏みとどまらせようと必死だった。陶酔し切っている四つん這いの女が、僅かに喘ぎ声を上げ顔を反らせる。

横顔に見覚えがあった。

参考

新婚初夜の甘いひととき。情事の後そのまま目を閉じ、玲華の胸に顔を埋めていた龍之介の顔と重なった。茶髪のウィッグと、濃い目の化粧だけが昨夜の夫と違っているだけだ。

「りゅう…、龍之介さん」玲華はそのまま気を失った。

時折りサイドボートの影から、デジカメのシャッター音だけが断続的に聞こえていた。


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「転生の追憶」32話

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「転生の追憶」32話 

◆   ◆   ◆

玲華はすっかり、身も心もリラクゼーションした様子だ。エステティックサロンのラウンジで、ハーブティーの入ったティーカップをゆったりと傾ける。

写真は参考

ホテルのスタッフになりすました美恵が、すっかりくつろいでいる玲華の傍らに(ひざまず)き、耳元で一言囁いた。

「先程お部屋に内線電話を入れましたが、まったく応答されません。フロントによれば、ご主人様は一時間ほど前にお戻りになられたようで、お部屋にいらっしゃるのではと申すのですが…」

参考

玲華の表情が、不安そうに翳った。


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「転生の追憶」31話

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「転生の追憶」31話

◆   ◆   ◆

スゥィートに戻った龍之介を、まるで待ち伏せていたかのように、チャイムがせわしなく鳴り響いた。

写真は参考

「リーのセクレタリーで、メイと言います。リーから言付かってまいりました」ドアを開けると、濃厚な香水の薫りが押し入ってきた。グラマラスな肢体のメイは、香水の薫りを振り撒きながら、大きな包みを持って優雅に部屋の中へとやってきた。

参考

あまりに妖艶なメイの姿に、龍之介は立ち眩みを感じた。やっとのこと、冷蔵庫からビールを取り出し、メイにソファーを勧めた。

写真は参考

香港島の高層ビル群が、パノラマ写真のように広がる窓辺。まるでそのビューポイントを独り占めするかのように、デーンと置かれたライティングデスクの上で、電話の呼び出し音が鳴り響いた。

写真は参考

リー社長からの電話だ。

「奥様のエステはまだ当分時間かかるよ。それまでよかったら私のセクレタリーのメイを、可愛がってやって下さい」龍之介はリーの大きな電話の声が、メイに漏れ聞こえないよう、受話器を耳に強く押し当てた。

写真は参考

その隙にメイは、サワーグラスにビールを注いだ。グラスの底へ沈み行く白い粉が、琥珀色の液体に溶けて消えた。

龍之介はリーの申し出に、幾分上気している様子で、メイの隣のソファーに深々と腰掛けた。

写真は参考

メイの大きく割れたスカートの太ももに視線が釘付けになったまま、龍之介はビールを一息に飲み干した。


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「転生の追憶」30話

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「転生の追憶」30話

◆   ◆   ◆

龍之介と玲華の出かけた隙に、志津絵はデジカメを片手に、スゥイートルームのリビングに潜り込んだ。

参考

この後に繰り広げられるであろう、復讐劇を想像し得体の知れぬ快感に浸りながら。

◆   ◆   ◆

「お口に合いましたか?香港一の広東料理の味は」リーは糊のきいた白いナプキンで、唇を拭いながら龍之介に尋ねた。

写真は参考

「ええ、そりゃあ勿論」

「○○○…(いゃあ、俺も本当今日まで生きてて良かったよ)…○○○」

「トンさんは、お逢い出来たことで、香港と日本の関係が益々深まることを期待していますと、仰っておいでです」リーに促されるように、トンと龍之介が握手を交わした。

「そうそう、後程お部屋の方に私からのお祝いの品を持って、セクレタリーがお届けに伺いますので、どうぞお楽しみに」

「いやっ、そんな。そこまでしていただいては」龍之介は社交辞令さながらの軽口で、恐縮そうな素振りを見せた。

参考

「きっとお気に召すと思いますから」

参考

福臨門での会食を終え、インターコンチネンタルホテルにリムジンを向かわせながら、リーは意味ありげな笑みを洩らした。


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「転生の追憶」29話

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「転生の追憶」29話

◆   ◆   ◆

インターコンチネンタルホテル四階のエステティックサロンでは、アロマオイルが馥郁(ふくいく)と薫る。

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ヒーリング効果の高い自然界の音が薄っすらと流れ、静かな時間が垂れ込めていた。窓の外には、百万ドルの夜景と歌われる香港島の高層ビル群がひしめきあっている。

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円の換金レートも自由化し、当時とは物価指数すら変わっていると思われるのに、未だ百万ドルの夜景と呼んでいるのはどうにも腑に落ちない。当時よりも百万ドル自体の価値が下がっているであろうに。

エステのベッドに横たわり、まどろみ行く思考の中を、玲華は彷徨い続けていた。


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「転生の追憶」28話

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「転生の追憶」28話

「ここはお父様を何度かお連れした、香港でもトップクラスのチャイニーズ・レストランです。日本の政財界の方が、香港においでになると必ずお立ち寄りになります」

写真は参考

ボーイに案内され三人は個室に通された。

「○○○…(あっちこっちギョロキョロするな!ゆったりと踏ん反り返ってればいい)…○○○」テーブルの下に手を伸ばし、トンの太ももをつねりながらリーが笑顔でつぶやいた。

参考

「○○○…(いゃあ、わしなんかこんな店入ったことねぇからさあ、つい興奮しちまって。スマンスマン)…○○○」

「トンさんは、ここの蛇のスープがとてもお気に入りだそうです。とにかくアッチの方の精力が付いて効果万点だと。まだ新婚ホヤホヤの龍之介さんには、必要ないかも知れませんが。日本の政府関係の方は、必ずこれをお召し上がりになっておいでとか」

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リーはトンの言葉を、都合の良い日本語に訳して龍之介に告げた。


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