「転生の追憶」5話

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「転生の追憶」5話

ちょうど一ヶ月前。

美恵と義之は結婚式の衣装合わせのために、ホテルに出掛けた。白無垢の衣装合わせを終え、色内掛けに着替え始めた時だった。

写真は参考

突然オヤジモードの着メロが、義之のポケットから鳴響いた。たしか、チャッチャカチャッチャチャッチャッチャのフレーズ、加藤茶の「ちょっとだけよ!」のメロディーだった。義之は液晶画面を覗き込むと、一言も告げずにそそくさと外へと発った。

写真は参考

今思えば、義之の顔が一瞬強張った気もすると、美恵は思い返した。

参考

ついにそのまま義之は、三十分以上経っても戻らなかった。美恵は衣装合わせの済んだ色内掛けのまま、ホテルの衣装係りが気の毒がって入れてくれたお茶を啜って待ち続けた。どうしても色内掛けのまま、義之と共に記念写真に収まろうと。それは花嫁に許されるささやかな特権であると。

参考

このホテルから嫁いだ何千人の花嫁も、きっとそうしたに違いないはずだ。美恵は花嫁の義務であるかのように、何が何でも衣装合わせの記念に、写真を撮っておこうと決めていた。ホテルの衣装係りは、こうしたトラブルにも慣れているようで、ご丁寧にお茶菓子まで用意していた。

table trip

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「転生の追憶」5話」への2件のフィードバック

  1. 今日19日は 次男の誕生日。
    昨日 帰宅後にカレンダーを見ながら「 え〜っと…明日って誰の誕生日? お母さん?」と わざと自分の名前を言わずに聞いてきたり 今日は 事業所でみんなから「おめでとう」と言われると嬉しそうにしてたとの事。
    一昨年までは 誕生日が苦手だった次男。数年前にインターネットで高齢者の方々の写真等を見たり 祖父母の入退院などで いろんな事を感じてしまったらしく( 誕生日→年齢が増す→表情の変化→死) 誕生日になると「誕生日なんか大嫌いだ!」と。「おめでとう」と言われると不機嫌にも。
    特に私の誕生日の時は「100歳になりますか?」と不安げに聞いてくるので いつも「なりません。ずっとお母さんです。」と答えると安心した表情になってました。
    だから 去年と今年 ようやく誕生日は怖くないんだ!と なんとなく感じてくれたようなので 母として少しホッとしています。( ◠‿◠ )

    1. でも次男さんの気持ちって、とっても純粋じゃないですか!
      お母さんはいつになったって、どんなことがあったにせよ、「ずっとお母さん」なんですものねーっ。
      「ずっとお母さん」だよって、これまた感動のお言葉です。
      特に未だマザコンのままのぼくにとっちゃー、魔法のようなお言葉です。

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