今日の「天職人」は、岐阜県可児市の、「笛師」。
虫さえも龍吟(りゅうぎん)の音に唄いだす 鳩吹山に 月夜の宴 神々が出雲に集う神無月 ご加護祈願の 龍鳴響け
岐阜県可児市の横笛工房「九華」に、笛師の田中敏長さんを訪ねた。
龍笛(りゅうてき/別名は、龍吟、龍鳴)作りは、竹選びに始まる。囲炉裏で燻され続け、何十何百年と時を経た煤竹が最高の部材だ。一節の長さと太さ、曲がり具合が吟味され、鼠歯錐(ねずみはぎり)で穴を開ける。竹はそれぞれに内径が異なり、微妙に音程も異なるため、下地漆を二十回も根気良く擦り込む。息を吹き込む歌口の壁には、水を含めた和紙を詰め、試し吹きを繰り返し、仕上げに朱の漆を五回擦り込む。また外側には、桜樺や籐が飾りと補強を兼ね巻き付けられる。仕上がりまでに悠に一年以上。完成した龍笛には、笛師の号も一切刻まれない。

「この二百五十年前の龍笛にも、きっと笛師が仕上げた年号と、銘の入った和紙が歌口の先端に錘として詰まっているはずです」。古の笛師から現の笛師へ。封印された先達の言霊はいつの日か蘇るであろう。
余談ではあるが、龍笛と能管(のうかん)の指孔は七つ。神楽笛と高麗笛(こまぶえ)は指孔が六つ。現存する雅楽の楽曲では、六孔しか使われないそうだ。「では龍笛が秘めたもう一孔を使った楽曲とは?」遠く奈良時代に、もう一つの指孔を使ったと言う楽曲への浪漫が馳せた。
田中さんの魂を宿した龍笛の音は、息吹に震え時を流離い、馨しき音色を現の世に運び来た。
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おはようございます。笛師さんの話ですね。神楽等に使う横笛ですね。
横笛綺麗ですね。手作りなのですね。
龍笛(りゅうてき)が、別名なのですね。私は、知りませんでした。勉強になりました。
笛師さんが、見えた事知りませんでした。 職人さんの後継ぎを、探す事は難しいですね。
田中さんの笛の音色 オカダミノルさんの文章で、想像出来ます。
横笛は、お祭りで見た事有りますね。
天職一芸 あの日のpoem20
「笛師」こんなにも近くに伝統を繋いでいる方が暮らしてみえたのですね。驚いています。
そして風の冷たさに笛の音が聴こえてきた春祭りの遠い昔をふと懐かしみ春を感じています。
そしてお雛様を今年も飾り忘れている事に気が付きました。早速出しますね。
ありがとうござます。
お雛様とお内裏様、そして四人囃子ですものねぇ。
良かった、間に合って!
昔 神社でのお祭りで巫女さんが舞う時に 直接目にした覚えがあります。
龍笛の音が 遠くから聞こえるかと思いきや ス〜っと音が近付いてくる。
儚げでもあり ちゃんとインパクトも…
まるで 天女が舞い降りて来そうですよね( ◠‿◠ )
本当に、龍が鳴いているような、低い音色が心に沁みました。
可児市のヤイリギターは有名ですが、この笛が可児で出来ていたとは!岡田さん、いい仕事してましたね~!
でしょ!
私の住んでいた近くで、こんな笛の工房があるとは知りませんでした、
春祭りの前になると、隣のおじさんが横笛の稽古をしていました。
お祭りでは、ヤマと一緒に歩いて、横笛を吹いていました。
良い音色でしたね。
和楽器ってやっぱり日本人には、とってもソウルフルですものね。