7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.13

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

「ゴ、ゴモ・・・ラ・・・ン?」。

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まだ歩き始めたばかりの木乃葉は、お気に入りのぬいぐるみをそう呼び、どこへ行くにもそれを握り締めていた。

だが著しい成長を続ける今の木乃葉にとって、それは果てしなく遠い記憶であった。

しかし鈴の音は、記憶の欠片の一つを確かに甦らせた。

老人はタクシーを止め、木乃葉を後部座席の奥へと押し込んだ。

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かすかに線香の香りが漂ったように、木乃葉は感じた。

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“パパの膝の上に座って、ばあちゃんとじいちゃんに南無、南無、南無をするときの匂いと同じだ”

タクシーは名古屋駅へと走り出した。

二人は名古屋駅から近鉄特急に乗り込み、一路志摩半島を目指した。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.13」への6件のフィードバック

  1. ご老人は何かの化身なのでしょうか。ワシも門徒で、出来るだけ朝晩のお勤めをしております。老人世帯なので読経するのはおっ母かワシの少なくとも一方です。線香の匂いで部屋が満ちるので冬は開けっ放しです。ところで、近鉄特急もだいぶ変わってまって掲載の車両はまだ健在でしょうか。昔はよく仕事で利用させてまいましたが、始発から乗車すると、ぬくたいおしぼりのサービスがあって嬉しかったものです。

    1. ご老人がこの後、重要な役どころになったりして!
      そうでしたねーっ。
      温かなおしぼりをいただいて、なんの衒いも無くすぐに顔にあてがったものでした。
      今ではそんなサービスもなく、洗面所の使い捨て紙おしぼりが、当時のなごりを感じさせてくれるばかりと成り果てましたね。

  2. もう⤴
    タクシーって記憶にない程何十年乗ってない
    けどさぁ⤴
    タクシーの運転手さんも危険な仕事だよねぇ!
    テレビでも暴行されたとか、運賃を払わず逃げたとか
    大体が酔っ払いだけど
    お酒呑んでたから覚えてないなんて、本当にたちが悪い!
    それで許されるのなら、私だって・・・
    お酒、呑めんし嫌いだけど!

    1. 酒の威を借りると、お酒に申し訳ないですものねーっ。
      酒呑みにも色んなタイプがありますが、人に絡んだりいきなり泣き出したり、そんな癖よりもなんでも無くってもケラケラと笑い転げるそんなお酒がいいですねぇ。

  3. 音の記憶… 音楽を聞いて 当時の場面や様子や会話まで鮮明に思い出したりしますよね⁈
    だから曲によっては 聴くだけで泣けてくる時もあったりして。
    あと 香りの記憶も。
    九州に住んでた祖父母の家の炊事場。土間の上にかまどがあって お釜から立ち込める湯気と薪が燃える煙とが裏庭からの朝の空気と合わさり 台所一体が靄がかかったようになって…。
    その時の風景と匂いが大好きです。
    火鉢から漂う匂いも( ◠‿◠ )
    そして その場に立つ小柄な祖母。
    夏休みに行く度にワクワクしてました。

    1. 確かに匂いの記憶って、殊の外鮮明なものです。
      ぼくも三重の楢寄りにる、父方の従兄妹の家のオバチャン家の炊事場の匂いを鮮明に記憶しています。
      特に夏休みにオバチャン家に行くと、キュウリのような青臭い香りがして、それで身も心も一気に解けたものでした。

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