「昭和Nostalgia」(420)

https://youtu.be/3CeTEMdXC7I

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今日の「昭和Nostalgia」はコチラ!

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小学校低学年だった頃の微かな記憶によると、当時のわが家には、こんな菜切り包丁がたったの一本きりあっただけだった、そんな気がいたします。

でもお母ちゃんは、こんな菜切り包丁一つで、野菜は元より、魚や肉、皿には果物やらバターケーキまでをも、実に器用に捌いていたものです。

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当時の包丁は、今のようなステンレスとは異なり、直ぐに錆が浮くような代物。

日曜日になる度に、お父ちゃんがせっせと包丁研ぎをしておりました。

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もしかするとあの菜切り包丁は、お母ちゃんのわずかな嫁入り道具の一つだったのかも知れません。

お母ちゃんがこの世を去り、遺品整理をしていた時のこと。

ステンレス製の万能包丁の何本かとは別に、台所の引き出しの奥に、ぼくが子どもの頃使っていた、柄の朽ちかけたあの菜切り包丁が、おそらくお父ちゃんが最期に研ぎ上げた、ピッカピカのまま、大切そうに晒しに巻いて仕舞い込まれておりました。

お母ちゃんはきっと、当時いつも台所に立ち、苦楽を共にしたあの菜切り包丁を捨てるに捨てられず、家族の食の歴史を共にした戦友のような気持ちで、引き出しの奥に仕舞い込んでいたのかも知れません。

きっとお母ちゃんが、ネギでも刻んだ後、その菜切り包丁でバタークリームのクリスマスケーキを切り分けてくれたと思いますが、バタークリームの甘い香りに紛れ込んだ、刻みネギの香りが今でも忘れられません!

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それもこれも全てひっくるめて、どれもが大切なお母ちゃんの香りなんです!

そんなどーでもいいようなことが、押しも押されもせぬ、マザコン親父の誇りなんです!


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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「昭和Nostalgia」(420)」への8件のフィードバック

  1. 先日、神戸から旧友が遊びに来て、下呂温泉で一泊してから関市に寄って包丁を購入。刃物会館も新しくなり、品揃えも豊富。係の方も親切で感激して帰って行きました。ボクも嬉しかったなぁー。

    1. 郷土の物産品や食品など、遠来の方が喜ばれると、まるで自分の事のように嬉しかったりしますよねぇ。

  2. 包丁って・・
    一ヵ月に何回使うやろ~ぉ⤴
    恥ずかしながら、一年に10回も使わないと思う ❢
    リンゴの皮剥き・・
    切り終わる頃には、リンゴの色は変わって
    茶色、情けない♬

    1. ぼくはこう見えて、けっこう料理好きですから、包丁なんて毎日のように使いますし、ちゃんと包丁研ぎも自分でしてますよ~っ!

  3. 私のお母さんは 菜切り包丁の他にも数本持ってたけど いつも まな板の上にあるのは 菜切り包丁。使ってる様子を見てると 他の包丁より使い勝手が良さそうな感じでしたね。
    あと 気のせいかも知れないけど 菜切り包丁を使ってる時の音って 他の包丁とは違うような…。
    私のお父さんもオカダさんのお父さん同様 よく砥石で包丁を研いでましたよ。お願いされたわけじゃないのに(笑)
    台所の流し台に向かって立ってるお母さんと その後ろにあるテーブルでご飯を食べてるお父さん…
    そして それぞれが一人だけの時もあったりして…
    そんな台所の風景を ちゃんと見ておいて良かったなぁ〜( ◠‿◠ )
    思い出すきっかけを与えてくれたブログに感謝です♡

    1. 台所は、家族の命を繋ぐ、とっても大切で、身も心もホッコリできる、家族みんなの居場所、ならぬ「胃場所」でもありましたものねぇ!

  4. あ〜憧れのバタークリームのケーキが気になってしまいます。美味しそうですね♪
    この味に刻みネギの香り 素敵な思い出のひとつですね。

    包丁も自分で研いでいたのですが 一度 包丁研ぎのおいさんが研いでくださった時には もう驚きしかなかったので それからは半年に一度研いで貰ってます。自分で研ぎながら使っていると料金が200円お値打ちになるので それも含めて頑張れたかなぁとおもいます。

    1. 研ぎ師のプロの腕前にゃあ叶いませんが、「よ~く、切れるようになぁ~れ!」と念じながら包丁を研ぐと、それなりに切れ味が良くなった気がするから不思議です!

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