「転生の追憶」60話

「ボーッと黄昏れてんじゃねぇよ~っ!中高年癒しの楽園ラジオ」FM WATCH 78.5MHz 毎週火曜日15:00~16:00で始まりました‼(※詳しくは、6月19日のブログをご覧ください)※再放送は、毎週火曜日の19:00~20:00です!

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「転生の追憶」60話 

◆   ◆   ◆

「本当にこれいただいていいんですか?」九龍のインターコンチネンタルホテルに向かうタクシーの中で、美恵がつぶやいた。

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「もちろん。でも一つだけ約束だ。このどちらかのからくり蓋が、いつの日か開いた時があったら、絶対にもう一度二人で逢おう。

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半世紀以上も前に封じ込まれたロマンスに、二人で思いを巡らせるんだ。たとえ何十年かかったとしても。そして昨日と今日の二人だけの思い出、そうだなぁ、時間にすれば僅か十四~十五時間を振り返るんだ」

「うん。約束」

そう言うと美恵は小指の先を、宮脇の小指に絡ませた。

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「志津絵ちゃんに怪しまれるとまずいから、ぼくはここで失礼するよ」

「そんなわけないわよ。二人とももう大人なんだし。ところで課長のフライトは?」

「ぼくは最終便のキャセイだ。君はJALだったよな。気を付けて」

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インターコンチネンタルホテルの車寄せに止めたタクシーを降り、美恵は何度も何度も振り返りながらロビーへと消えて行った。


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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「転生の追憶」60話」への2件のフィードバック

  1. 半世紀以上も前に封じ込まれたロマンスに思いを巡らせる…
    胸がドキドキ キュンキュンしちゃいます♡
    韓国ドラマなどでも 同じようなシチュエーションのドラマがあったりするんですけど やっぱり想像しますよ。
    まず 物語の中で心情などを勝手に想像したり 自分に置き換えて想像したり(笑)。
    日本なら 映画『 君の名は 』かな。すっと頭に浮かびました。
    誰にも言えない こういう想いって 胸があったかくなるけど 少し苦しくもあって…。
    でも 素敵♡

    1. そうやって感情移入していただきながらお読みいただければ、書き手冥利に尽きるってぇもんです!
      この後の展開も、お愉しみいただけますよーに!

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