「ギヤマンの欠片(かけら)」No.27

※『今日のアゲハの幼虫三兄妹Topic』

まずは、昨日の昼間のアゲハの幼虫三兄妹の弟くんと妹ちゃんです。

どっちがどっちか分かりませんが、立派に成長しています。

しかし昨夜、弟くんも妹ちゃんも山椒の鉢から姿をくらましてしまいました。

どこかへよじ登り、サナギになる場所を探しに行ったのでしょう。

探しはしたものの、ベランダは暗すぎてついにその姿を捉えられませんでした。

そこで今朝もう一度探して見ると、網戸のサッシのところに、二匹ともいるじゃないですか!

公園とは異なり適度な樹木も無いため、仕方なくサッシを代用したのでしょうか?

それはそうと、一番早く巣立って言ったお兄ちゃんだかお姉ちゃんの姿は一向に見つけられません。

もしかして・・・。

山椒の鉢植えが置いてある場所のすぐ横に、ベランダの壁面に10cm程の隙間があるのですが、まさかそこから落ちたのではと。

でもどこかでサナギになっていると信じて、三匹共に大空へと羽ばたくことを夢見ています。

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まずはぼくの楽曲「花筏」をお聴きいただきつつ、物語の世界をお訪ねいただければこの上なく幸せです。

「ギヤマンの欠片(かけら)」No.27

金接ぎ辰吉の長屋では、黙々とお藤が欠けたギヤマンを麩糊で組み合わせていた。

写真は参考

「お藤や、もうあと少しだねぇ」

志乃は金を挿す手を止め、お藤の手元を見詰めた。

写真は参考

「喜八でございます」

引き戸が開き喜八が顔を覗かせると、お藤が嬉しそうに手元から顔を上げた。

「折り入ってお藤ちゃんに、話しておかねばならぬことが出来ました」

喜八郎の言葉に、志乃もお藤も手を止め、何事かと居ずまいを正した。

「実は火急の用が出来、明日信濃に向かわねばならなくなり、しばらく江戸を留守することとなりました。作業もあと少しで終わると言うのに、その手伝いも出来ず、誠に申し訳ありません」

写真は参考

お藤は呆気にとられた様子で、手にしていたギヤマンの欠片と、大粒の涙を膝元へと落とした。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「ギヤマンの欠片(かけら)」No.27」への4件のフィードバック

  1. 何処に行ってしまったのかと心配してましたけど よかったです。
    緑色のままサナギになりますキュッの形になるんですね。私は行方がわからなくなって 探すとサナギになっているとゆう感じなので 貴重な写真をありがとうございます。
    なんとも健気ですね。

    1. 恐らくこれから黒く変色し、羽ばたく時を待つんだと思います。
      随分幼虫の頃より小さくなりました。

  2. お藤ちゃん 切なくて 胸が苦しくて 悲しくて 愛おしくて…
    きっと初恋かな?
    私の初恋は 小学4年生の時。担任の小林先生。運動場で声を掛けられた時がときめいた瞬間でした。よく覚えています。
    お藤ちゃんに笑顔が戻るといいんだけど…。

    1. 誰もが経験する大切な瞬間ですよねーっ。
      甘酸っぱくって切なくってもどかしくって・・・。
      あの感覚、あのトキメキ・・・。
      大切な宝物のような瞬間だったような気がします。

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