「ギヤマンの欠片(かけら)」No.18

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まずはぼくの楽曲「花筏」をお聴きいただきつつ、物語の世界をお訪ねいただければこの上なく幸せです。

「ギヤマンの欠片(かけら)」No.18

お藤が喜八郎の前で、初めて言葉にならぬ声を発した。

「どうだ?源氏物語を描いた錦絵だ」

写真は参考

錦絵の所々には、金彩が刷かれ雅やかである。

お藤は憑りつかれた様にその美しさに魅入り、長く細い溜め息をついた。

「蛤の殻は、この二枚一つでなければ、蝶番(ちょうつがい)が合わぬのだ。どの蛤の殻でも良いと言う訳では決してない。この世にたった一つの組み合わせと言うことだ。お藤が見事に合わせて行く、割れ果てたギヤマンの欠片も、その蛤と同じで、どれ一つとっても、この世に二つと同じ物は無いのだ」

お藤は蛤の蝶番を、興味深げに眺めている。

写真は参考

「よし。ではこうしよう。蛤の片方は、今日からお藤のもの。そしてギヤマンの酒壺が見事に復元された暁には、もう片方をもお藤に渡すこととしよう。なっ、それはどうだ。いい考えであろう?」

写真は参考

お藤は一層目を輝かしながら、嬉しそうに貝合わせと喜八郎の顔を、代わる代わるに眺めた。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「ギヤマンの欠片(かけら)」No.18」への4件のフィードバック

  1. 貝の絵柄を合わせる遊びだと思ってましたが
    違うんんですねぇ
    蝶番を合われる、知らなかった。
    そりゃ~ぁ⤴
    私がやったら、一生合わせられん!
    昔から、トランプ、ボードゲーム等
    インドアゲームがどうも苦手で・・
    将棋なんて、駒の動かし方も知りません!

    1. 蝶番を合わせる遊びではなく、源氏物語などの物語のシーンの絵柄を合わせるカルタのようなものです。
      ピタリと物語に沿った絵柄を当てられれば、その蝶番は正にピタリと合わさるというものですよーっ。

  2. この世に 生ある物で二つとして同じ物があるんだろうか?って考えてみたけど 無いような気がします。どうなんだろう?
    特に 人は皆んな違うかな⁈ 双子だって全く違う。
    でも「みんなが◯◯だから…」となって 右を見ても左を見ても同じ状況の時がある。ちょっとずれただけで ?って感じで見られたり 逆に 凄い!って言われたり。
    私は元々 斜に構える傾向があるけど 年齢を重ねる度に益々その傾向が強くなった気がします(笑)
    要は 度胸だけがついてしまったんでしょうね。
    おばさんパワーって感じです( ◠‿◠ )

    1. 30年以上前になりますかねぇ。
      NZからカカポチームが来日したことがありました。
      そのチームの中に、オークランド動物園のローラ園長と、コミュニティープログラマーのジョー・ナイトがいました。
      どちらも女性で、母親でもありました。
      滞在中のある日、大須商店街を見学していた時です。
      ジョーが「パワー・ショッピング!パワー・ショッピング!」と連呼しながら、ボディーランゲージを駆使して、土産品を値切っていたのがとってもユーモラスでした。
      まさにNZのオバチャマパワーでした。

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