「ギヤマンの欠片(かけら)」No.10

今日これから、約4年振りとなる飛騨古川へと参ります。7月4日からスタートする新番組の打ち合わせと、都竹市長様とお逢いするためです。ワイドビューの車窓から4年振りの飛騨路を満喫して来ようと思っています。

「ボーッと黄昏れてんじゃねぇよ~っ!中高年癒しの楽園ラジオ」7月4日(火)からFM WATCH 78.5MHz 毎週火曜日15:00~16:00で始まります‼(※詳しくは、6月19日のブログをご覧ください)

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まずはぼくの楽曲「花筏」をお聴きいただきつつ、物語の世界をお訪ねいただければこの上なく幸せです。

「ギヤマンの欠片(かけら)」No.10

辰吉が姿を消して早七カ月。

葉を落とした川原の柳が、本格的な冬の到来を告げていた。

土手で遊ぶ、童らの笑い声が聞こえる。

参考資料

土手の土を板切れで掘り返し、(かわ)(らけ)探しに夢中になっているのだ。

その中に、お藤ら少女の姿もあった。

「お藤ちゃんったら、ほんとに凄いわ!だってもう三つ目よ」

少女たちはお藤を取り囲み、土器の欠片をいとも簡単に繋ぎ合わせてゆく、その巧みな手つきを、不思議そうな顔で見つめている。

写真は参考

少年たちまでもが何事かと覗き込み、お藤の手つきの器用さに、舌を巻いているようだ。

「かなわねぇな、お藤にゃ。なあ、どうしたらそんな具合に、上手いこと欠片と欠片を繋ぎ合わせられんだ」

一番年嵩のいった童が、寡黙にせっせと手を動かす、お藤に向かって尋ねた。

写真は参考

「って、言ってみたって、お藤は答えちゃくれねぇもんな」

童らは互いに顔を見合わせた。

「しょうがないじゃない。だってお藤ちゃんは、あの日からずっと、言葉を失っちゃってるんだもの」

お藤の傍らで、さっきから一番親身になって、世話を焼いているお千代が、ことりとつぶやいた。

お藤と同じ長屋に住むお千代は、幼い頃から姉妹同様に育った仲だ。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「ギヤマンの欠片(かけら)」No.10」への8件のフィードバック

  1. 今日、6回目のコロナワクチン接種へ行って来ました。
    それにしても、今回も、前回同様同じ病院でしたが
    1~5回目までは、待合室もお年寄で、
    これでもかぁ!って言うくらい
    ごった返してましたが、
    今日、行ってビックリ、あのお年寄りの待合室が・・
    お年寄り、何処へ行ったの~~ぉ⤴

    1. ぼくも16日に6回目の接種をしてきました。
      が、落ち武者殿の仰る通り、病院の待合室も閑散として。
      周りでも5回目から接種を見合わせているという方もおいでになるようで・・・。
      ぼくはひたすら自己防衛に努めようと思っています。

  2. 「行ってらっしゃあ〜い」

    今日も梅雨の中休みとは思えないようなお天気です。

    飛騨の情報も たくさん聴けるんですね〜楽しみです。

    「お帰りなさ〜い」

    1. 飛騨市を訪問させていただいたご報告は、近日中にブログに上げさせていただきますねーっ。

  3. 仕事とは言え飛騨路へお出かけとは羨ましい。私はもっぱら東山動物園やツルマガーデンなど名古屋市内ばかり^_^;

    1. 久しぶりの飛騨市訪問でした。
      また詳しくはブログでご報告いたします。

  4. お藤ちゃんみたいに 1つ1つのパズルを合わせるように…
    小中学生の頃 父親に初めて買って貰ったジグソーパズルをきっかけに 1つ完成するとまた1つ…と かなり夢中になってた時期がありました。
    絵柄は 子犬や子猫や花や景色が多かったかな。当時は 細かなピースでも あまり苦労なく楽しく取り組めたけど 多分今だと 考え過ぎちゃって全然進まないでしょうね。(笑)
    でも 買い物先で見かけると ちょっとだけトライしてみたい気もしますけどね( ◠‿◠ )

    1. ぼくがビックリした巨大なジグソーパズルは、畳2枚ほどのものでした。
      オアフから小型飛行機で30分ほどにある離島、ラナイにある海辺のホテル「ロッジ・アット・コエレ」の大きなロビーの一角にあったソファーの足元で見かけたことがありました。
      向かい合わせのソファーの足元に、まるでカーペットのような感じで、その巨大なジグソーパズルの枠が敷き詰められ、傍らにまだ組み合わされていない無数のピースが、これまた大きな箱の中に入っていたような。
      ぼくが何気に気付いた時は、ロビーから海が一望できるその向かい合わせのソファーに、ヨーロピアンな老夫婦がカクテル片手にゆったりと腰掛け、手にした小さなピースを矯めつ眇めつ眺めておられたものです。
      どうやらその巨大なジグソーパズルは、このホテルに滞在した方たちがコツコツと繋ぎ合わせるもののようでした。
      四隅から順に繋ぎ合わされたピースは、全体の1割程度。
      老夫婦もゆったりとした時間を時を忘れて楽しんでいるようで、次々にピースを取り上げては組み合わせる場所を探していたものです。
      そして組み合わせ先がピタッと合わさると、ピースの裏側に自分の名前と日付を手書きするんだとか。
      せっかちな日本人には、ちょっと手が出ない大人の時間かなぁなんて思ったことがありました。

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